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2006年10月09日
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カテゴリ: 戦争映画
2005 イタリア  監督:リカルド・ミラニ
出演者:ルカ・ジンガレッティ、ルイザ・ラニエリ、ヴァレリオ・マスタンドレア、ジャスミン・トリンカほか
212分(前編102分 後編110分) カラー


 ギリシャの西部に位置するケファロニア島で実際に起こった、ドイツ兵によるイタリア兵士官虐殺事件を題材にしたテレビムービー。ケファロニア島の事件を取り上げた映画としては「コレリ大尉のマンドリン(2001)」もあるが、本作はドイツ軍とイタリア軍の確執に焦点を当てて事件を掘り下げたものとなっている。ただ、映画全体に冗長なテンポと脳天気な展開が顔を出し、女性との恋愛シーンが欠かせないのはやはりイタリア製作のためか(笑)。
 このケファロニア島虐殺事件について詳しいことを知らないが、エンドロールに出てきた記載に寄れば、ケファロニア島守備隊(アクイ隊)のイタリア兵は約1万1千名。うち、9,250名の兵士と390名の士官が死亡し、イタリアに戻れたのはわずか1,286名で、戦後に金賞16、銀賞36、銅賞20の勲章を授与されているらしい。本作も大方は史実に基づいているものと思われるが、登場する事象や人物についてはどこまで史実に沿っているのかは不明。登場人物をちょっと誇大に英雄化している場面も多く、作り話なのかなと思わせるところも。
 前編後編あわせて212分とかなりの長編となっており、一遍に見るとやや冗長な印象。先にも書いたが展開は戦争映画にしてはスローなテンポで、息を飲む展開というよりは一つ一つの事象をじっくりと描くタイプ。それでも、212分もあるので実に多くのエピソードが盛り込まれている。映画としてみるにはちょっと食傷気味のエピソードの数だが、むしろ「バンド・オブ・ブラザーズ」のように全6話といったドラマ仕立てにした方が良かったかも知れない。
 本作の良かった点は、イタリア兵に視点を集中していること。敵対するドイツ兵ももちろん描かれるが、あくまで結果的にしか登場せず、彼らの心情や戦略にあえて深入りしないので見ていてすっきり理解できる。さらに言えば、ケファロニア島はギリシャであり、実際は多くのパルチザンが活動し、もとはイタリア・ドイツに抵抗し、イタリア降伏後はイタリア兵とともにドイツ軍と戦っているわけだが、その視点もあえて深入りしていない。歴史的理解という観点では片手落ちなのだろうが、多分本作でそれを全て盛り込もうとすれば、複雑怪奇な映画になってしまったであろう。あくまで、陽気で無責任なイタリア兵の視点というのが本作を明瞭な作品に仕立て上げている。
 そういう意味で、本作のイタリア兵を観察するとなかなか興味深い。もちろん、勇敢で責任感のある人物もいるのだが、全体にやはり無力感が漂っている。戦術的に不可解な所も多いし、実態は良くわからないのだがやはりイタリア軍は弱いということだけはわかる。当初、ケファロニア島にはイタリア軍11,000 名、ドイツ軍1,000名という圧倒的多数を誇っているにも関わらず、何故すぐに劣勢になってしまうのか。また、大勢が捕虜となりながら士官の虐殺を見過ごしてしまうのか。ギリシャパルチザンと手を組めば圧倒的に有利になり得ただろうに、やはり戦闘能力が弱いと言うだけでなく、戦略指導者の指揮能力の不足を感じざるを得ない。
 主役サビリオ軍曹役のルカ・ジンガレッティは主にイタリアのテレビ俳優として活躍しているようだが、スキンヘッドの顔立ちはハリウッド俳優的な風格すらある。イタリア人ぽくないなと思ったがイタリア人のようだ。その他の役者は典型的なイタリア人。陽気で何の前触れもなく突っ走ってしまう当たりは理解しがたい(笑)。女性陣のルイザ・ラニエリやジャスミン・トリンカは英米人にはないエキゾチックな顔立ち。いずれも、目先の損得よりも情愛を優先する地中海気質?のようなものをヒシヒシと感じた。反対に、ドイツ兵は残酷に冷徹に描いている。一名の人情的な中尉を除けば無表情、無機質な機械のようだ。さらに、援軍にやってくる英国兵が極めて実務的に描かれているのは印象的。情愛よりも目先の損得といった感じで、イタリア兵とはまるで対極にいるようだった。
 全体に戦闘シーンは少なめで、火薬使用量も少なめ。登場する兵器類もかなり限定されている。ドイツ軍装甲兵員輸送車に化けたM3半装軌装甲兵員輸送車が一台登場。大事な一台らしく何度も使い回して出てくる。この他、キューベルワーゲンが一台とトラックが数台。数少ない車輌をうまく使い回しているようだ。航空機ではドイツ軍のJu-87スツーカが模型とCG?で登場するも、かなり稚拙な映像で動きも雑。ちょっと物足りない感じがした。ロケ地はブルガリアのソフィア。
 ドイツ兵、イタリア兵の軍装については良くわからない。特にイタリア兵は階級章をあまり付けていないので士官なのか兵なのかすら不明なことも。おかしいと言えば、主人公は軍曹なのに中尉、大尉などの士官にタメ口。字幕のミステイクなのかもしれないが、それにしても態度もふてぶてしかったからイタリア軍では星の数よりメンコの数なのかしら。



興奮度★★
沈痛度★★★★
爽快度★★★
感涙度★★★




1943年9月8日、イタリアは連合軍と休戦協定を結んだ。ギリシャのケファロニア島に駐留していたイタリア兵たちは、降伏という敗北感よりもこれで国に帰れるという喜びに沸いた。トラックの運転手サベリオ・ブラスコ軍曹(ルカ・ジンガレッティ)は、島のカフェサンマルコの美人オーナーのフェリア(ルイザ・ラニエリ)に恋しており、帰国をやや残念に思っている。フェリアは同じイタリア人の夫ミケーレが島を出てから娘のエレナ(ジャスミン・トリンカ)を女手一つで育ててきた。フェレナもまたサベリオに恋をし始めていた。
 ところが、島には11,000名のイタリア兵(アクイ隊)のほか1,000名のドイツ軍がいた。彼らはイタリア軍に、共に連合軍と戦うか、ドイツ軍に降伏するか、ドイツ軍と戦うかの三択を迫っていた。イタリア軍の指揮官ガンディン将軍は、兵をイタリアに無事に帰したいと願い、南の峠からの撤退を試みるが、ドイツ軍との交渉はなかなかうまく進まない。9月13日になり約束を破ってドイツ軍の上陸用舟艇がやってくる。それを見たイタリア軍の峠の砲兵中隊は攻撃を仕掛けて撃沈してしまう。あわてたガンディン将軍やフェレッティ大佐はグアルティエーリ中尉とサベリオ軍曹に峠の砲兵中隊へ連絡に行かせる。しかし、グアルティエーリ中尉も砲兵中隊も確信犯であり、ドイツ軍への抗戦を決意していた。下士官、兵らもこれに同調し、ドイツ軍に決断を迫られていたガンディン将軍も抗戦を決意する。
 すぐさま、ドイツ軍はスツーカ爆撃機の攻撃を開始。またたく間に負傷兵が増えていく。病院が破壊され、フェリアの家が野戦病院となる。フェレアもエレナもイタリア軍モレノ軍医少佐(ヴァレリオ・マスタンドレア)のもとで働く。なけなしの船で本国に救援を要請するが、本国司令部からはつれない返事が返ってくる。
 敵の攻勢により81部隊が壊滅的打撃を受け、さらにグアルティエーリ中尉やエレナの恋人ニコラのいる峠の砲兵中隊と連絡がとれなくなってしまう。そこで、サベリオは裏道を通って砲兵中隊への連絡に向かう。到達した砲兵中隊は中尉以下わすがしか生き残っておらず、しかもニコラは重傷を負っていた。中尉とサベリオらは迫るドイツ軍から撤退し、途中の村で共産パルチザンの医者ラオリスのもとにニコラを預ける。サベリオらはドイツ軍が山岳部隊を投入して挟み撃ちを狙っていることを知り、司令部への報告を試みる。連絡のつかない司令部へはマラソン好きのタンクレディが40kmを4時間で走っていくことにする。一方、残ったサベリオらは捕まったイタリア兵捕虜が、ドイツ軍ランダウアー大尉の命令で虐殺される現場を目撃する。その中で一人ラコンボがドイツ軍に寝返るのだが、彼とて四人の子供のもとに生きて帰りたい一心からであった。
 サベリオらはドイツ軍から装甲車を奪取するも、サベリオ以外はドイツ軍の捕虜になってしまう。サベリオは装甲車で一路司令部のもとに向かう。司令部に着くがすでに撤退した後でありもぬけの殻であった。そして、走り尽くして瀕死のタンクレディの姿があった。何の役にもならなかったタンクレディが死んでいく。サベリオは一人フェリアの元に潜伏するが、侵攻してきたドイツ軍に捕まってしまう。また、リボリオ神父、モレノ軍医も同様に連行され、エレナは瀕死のニコラのもとに行ってしまう。

 島はドイツ軍の支配下となり、サベリオらは捕虜として収容された。ある日、イタリア軍の士官だけが集められトラックに乗せられる。サベリオは運転手に命じられ、カーザロックと呼ばれる地区まで運転していく。そこで、ドイツ軍のランダウアー大尉はマイヤー中尉にイタリア兵士官の処刑を命じる。もともと、サベリオらと親交の深かったマイヤー中尉は命令に不服を感じるが、従わねば銃殺すると脅されて処刑を実行せざるを得ない。
 イタリア兵らはドイツに対する裏切り行為として処罰されるが、ドイツ語圏で生まれた者とファシスト党員は恩赦が与えられる。しかし、フェレッティ大佐も少佐も党員でありながら恩赦を受け入れず、最初に処刑されることを申し出る。四人ずつ処刑されていく士官らから、サベリオは遺言や遺品を託される。恐怖におののく者には神父が声をかけ、士官でないゼニーノはまだうら若いグアルティエーリ中尉の供として処刑場へ向かうのだった。このような現状にもはや耐えきれなくなったサベリオはリボリオ神父とともに、マイヤー中尉に中止を頼み込む。その甲斐あって処刑は中止になるが、サベリオもリボリオ神父も深い心の傷を負うのだった。
 12月24日、イタリアの数千の捕虜は二隻に分けて出航。残りは配置強化に使われることとなる。そんな中、イタリア軍大尉がパルチザンと連携してドイツ軍との抗戦を提案する。早速、サベリオは海岸に埋められた海軍司令部の無線機を掘り出して来る。パルチザンの暗号を手に入れ、連合軍の三名が調査のため上陸してくることを確認する。
 やってきたのは英軍の大佐、アリスター軍曹、そしてミケーレ伍長の3名だった。上陸に際し、ドイツ軍に協力していたラコンボがドイツ軍の待ち伏せ情報を伝えに来る。そのラコンボは情報を売った罪でランダウアーに射殺されてしまう。英軍のミケーレ伍長はフェリアの夫であり、フェリアとの再会を願った。サベリオはミケーレをフェリアのもとに案内し、フェリアから身を引くことを決心する。また、ミケーレは娘エレナと再会する。エレナはニコラの子を妊娠していた。
 1944年8月、ついに連合軍上陸作戦の情報が入る。イタリア兵はパルチザンと協力して蜂起の準備を進める。そして9月8日、イタリア軍は武装蜂起し、ドイツ兵を襲撃する。蜂起は成功したが、オレステが戦死。ドイツ軍のマイヤー中尉は呆然としている所を捕らえられる。


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最終更新日  2006年10月09日 09時27分59秒
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