映画に恋してる

映画に恋してる

2005.06.21
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カテゴリ: 映画館で観た映画






闇こそ力。








転落の痛みをこらえながら
何かの気配を感じて
少年は闇に目を凝らしていた。
幼なじみのレイチェルと遊ぶうち
うっかり落ちてしまった
枯渇した古井戸の底。





目が慣れるにつれて
うごめく闇は恐怖へと変わった。
一斉に飛び立つコウモリの群れ、群れ、群れ。

不安におののく少年を支配する。
茫然自失
怯えて動けなくなった少年が
ふと見上げたときに頭上から
さしのべられた懐かしい大きな手。





自ら危険を顧みず
いち早く息子の救助に駆けつけた
父、トーマス・ウエインは
大富豪にして、正義の人。





「どうして転落したかわかるかい?」
「ううん」






優しい中にも厳しさを秘め
ゴッサム・シティのために尽力する父と
どんな時も愛で包み込む美しい母を
幼いウェイン少年は
何度誇らしく感じたことか。






簡単に両親の命が奪われるなんて。
オペラの観劇中、舞台衣装を見て
ふいに襲われた
コウモリのトラウマ。





自分が劇場を出たいと言わなかったら
両親は命を落とすことなどなかった。
自責の念と内なる恐怖を憎む心はやがて
復讐という魔物を
彼の中に育てることになる。
自らの闇をいかにして
解き放つことができるのか?
これはブルース・ウェインの
葛藤の物語でもあるのだ。















今までのシリーズ作品とは
明らかに一線を画した感があります!
新しいスタートをきったとも言える
バットマン誕生のこの物語は
一言で表現するなら
すごくオトナな「バットマン映画」♪





思えばシリーズは一作ごとに
とりとめもなく、マンガちっくに
アメコミ色を濃くして行ったという
過去の作品たちの暴走がありました(笑)
ユニークな敵キャラにスポットを当てるがゆえに
バットマンの物語でありながら
バットマンその人について
深く語られることは
今まであまりなかったものね!






少年ブルース・ウェインが
なぜ黒いコスチュームに身を包み
ゴッサム・シティにはびこる
悪と闘う闇のヒーローになったのか?
私たちが一番知りたかったことの
すべてがこの映画に凝縮されていて
ああ、そうだったのか・・・と納得しては
いちいち嬉しくなってしまいます♪






物語の終盤にはシリーズ1作目の
ジョーカーのお話に繋がるための
伏線もちゃんと用意されていて
これもファンには素敵なプレゼント!
すべてがつながっていくという
満足感は見ていてとても心地いいものね♪





もう少し深読みするならひょっとして
クリストファー・ノーラン監督は
自ら新しいバットマンシリーズを
もう一度作り上げていくぞ!という
決意表明をさりげなく
アピールしたかったのかもしれません(笑)





出演俳優はわざとそうしたのか
英国出身の俳優が、のきなみ顔をそろえています。
中でもマイケル・ケイン扮する
お馴染みのバットマンを支える老執事が
影になり日向になり
常にユーモアを忘れず飄々と振る舞って
英国紳士特有の品格とチャーミングさを
遺憾なく発揮していて微笑ましい♪






今回バットマンに抜擢された
クリスチャン・ベールも英国出身♪
とても品のいいバットマンぶりは
富豪の息子らしい説得力がありました。





彼はこの映画の前は「マシニスト」で
骨と皮だけに体重を落としていて
その映画のさなかに
バットマン出演のオファーを受けたのだそうです。
頼んだ側もよくぞそんなタイミングで(笑)





それから約5ヶ月かけて、体を作り
バットマンスーツが似合うところまで
筋肉をつけたというから
その映画にかける根性たるや
並の俳優ではないようです。
ブリジット・ジョーンズも真っ青の変貌ぶり!
人間やればできるのね~!
わずか数キロのダイエットで
へいこら言ってちゃダメですね(笑)







映像的に心を惹きつけたのは
バットマンが飛び上がる時の
ワイヤーは別として
昨今流行のワイヤーアクションや
派手すぎるCG合成と思われるシーンは
不思議なほどこの映画には
でてこなかったということ♪





使えば派手だし人目も引くのに
わざとあえて使わないようにしたんでしょうね。
それが返って新鮮でもあり
物語が薄っぺらになることを
避ける役目をしていたように思います。




ワイヤーアクションやCGを使った映像は
それなりに面白いけど画一化してしまいがち。
頼りっぱなしで、多用していたのでは
ゴッサム・シティやバットマンが
本当に実在しているかのような
あのリアルな雰囲気は
出すことができなかったに違いないです。





あっという間に2時間が過ぎる
「バットマン・ビギンズ」は新しい風♪
大好きなティム・バートン監督の「バットマン」とは
比べるのではなく肩を並べるに相応しいかな?
今までのバットマンシリーズは
一応こっちに置いておいて
新しいバットマンの流れを汲んでの
ジョーカーの物語が見てみたくなりました。
見終わってすぐだというのに
続編が見たくなるのは珍しい♪
そういう感じの映画だったんです(笑)
是非、観てこの感覚を楽しんでみて♪



P.S 

言い忘れましたが
我らが謙さん、眼光鋭く、
カメ仙人の趣で(これって褒めてない?汗)
とてもがんばっておられました!
ハリウッド映画の中にいて
あの存在感はスゴイです!
出番が少なく残念でしたが
さらなるステップアップの足場になったことは
間違いないと思います!














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Last updated  2005.06.23 19:06:34
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あかまっちゃん2004 @ Re:アース  EARTH(01/17) ようやくDVDで見ました。ただ、プロジ…
Christophor@ ... [URL= <small> <a href="http://www.qerig…
セビセビ @ 七光り うおぅ。。 なぜかは分りませんが、禁止…
亜美tsugumi @ おおっ トムクルーズというキーワードに釣られま…
Jessie @ Re:親の七光りって言うけれど・・・   夏恋の映画独り言♪(04/24) ね!たしかにジュリアに目もとがそっくり…
sweet sue @ 本当だ! 笑顔がキュートなところそっくり! 目元…
ねこんちゅ @ 七光り おはようございます。 七光りは日本も…
マリーmypink @ 使っちゃえ!七光り~(笑) こんにちは~~ うわっ!目元がそっく…
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