映画に恋してる

映画に恋してる

2006.03.07
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カテゴリ: 映画館で観た映画










ごったがえす駅のホームは
身動きも取れないほど。
あちらにも
こちらにも
別れの抱擁と涙が
尽きることなく
続いている。






人の波に押されるようにして
乗り込んだ満員の列車。

ペベンシー家の
4人のきょうだいは
それぞれに不安そうな瞳で
今にも泣き出しそうな顔ばかり。






時がくれば列車は
無情にも動き始めてしまう。
子供達を心配させぬよう
精一杯の作り笑顔で母は
大きく大きく手を振り続けていた。
見えなくなっても
いつまでも







そしてだんだん小さくなった。
こうするしか
他に方法はないのだ。
それは子供たちにだって
悲しいほど判っている。







第二次大戦下のロンドンの空が
次第に遠くなっていく。
汽車は走る。
汽笛を響かせて
緑の草原をどこまでも。
どこまでも。
どこまでも・・・。















こうして
四人きょうだいは
田舎にある
年老いたカーク教授の
古くて大きなお屋敷に
預けられることになった。







そしてそれは今まで誰も
見たことのないような
心ときめく
冒険の入り口・・・。





「ふたりのアダムのむすこと
ふたりのイブのむすめ」は
見えない力によって
ナルニアへと導かれていた?







100年の冬に
閉ざされたナルニア国の
伝説は彼らが来るのを
きっとずっと待っていた。





東の海の岸辺に立つ
ケア・パラベル城の
4つの玉座とともに・・・。























灰色の空は
戦闘機で埋め尽くされて
映画版ナルニア国物語は
小説では描かれなかった
戦争のシーンから
始まります。





ロンドンの自宅で
空襲に遭い
命からがら
父の写真を抱き締めて
防空壕へと飛び込む家族。






4人きょうだいの置かれた状況が
ただならぬモノであることや
それぞれの役割や性格を
短い時間で
的確に伝えてくれて
これは「疎開」という言葉に
馴染みのない子供にでも
十分にその不安な気持ちが
伝わるようなオープニングでした。









だけど4人のきょうだいは
決して
メソメソばかりはしていなくって
楽しいことを
少しでも見つけようと振る舞う
その姿がまた健気でもあるのよね!







上の兄と姉は弟と妹を守るため
父親と母親の変わりでありたいと
急いで大人になろうとしていたし
ことあるごとに反抗する弟は
寂しさの裏返しだったのかもしれない。
末の妹は、まだまだ母に甘えたい頃。
少しでも自分にかまってもらいたくて
兄と姉について回っては
一生懸命背伸びをしている。







「ナルニア国」の伝説は
彼らが来るのをずっと長い間
待ち続けていたけれど
本当に「ナルニア」を求めていたのは
4人の子供たちの方だったのかもしれない。






子供が子供のままで
不思議を信じていられる世界。
子供らしい正義感と勇気が
素晴らしいものだと思える世界。














原作者が友人同士だということや
同じくファンタジーだということで
「ロード・オブ・ザ・リング」とよく
比較されているけれど
全く違う感じがする。
無理にふたつを比較して
つまらないと言う必要など
ないと思うな♪







そもそも作り方が全く違うのだ。
「ロード・・・」は心のダークサイドが
どちらかと言うとテーマだったし
登場人物も皆、ちゃんとした大人ばかりだ。
戦闘シーンはとにかく暗くて
闇の中で血しぶきが飛び
かなり残虐なシーンもあった。







それに対して「ナルニア」は
最初から最後までとにかく明るい。
わかりやすい善と悪との物語だし
素直に楽しめる
ワクワクであふれている。
戦闘シーンもあるにはあるが
昼の眩しいお日様の下でだ。






物足りない大人がいたとしても
それは
無理もないかも知れない。
ストーリー運びはテンポよく
もう少しゆっくり掘り下げて歩いてと
言いたいくらいに淡々と
子供が飽きない早さで進んでゆく。





でもこの潔さこそが
たぶん「ナルニア」の持ち味なのだろう。





迷い込んだ
不思議の国の美しさに酔い
見たこともない生き物の
動きと表情に目を奪われる。
白い魔女の
冷ややかな眼差しにおののき
創造主アスランの
雄々しい姿に胸を熱くする。





そして
末っ子のルーシーの
一喜一憂する可愛い姿に
心を沿わせることができたなら
あなたもきっとナルニアの
不思議の国の一員になれるはず♪






物語が突然うち切られて
次回へ続く・・・とならないエンディングにも
好感を持ちました。
エンディングロールが始まっても
あわてて席をたたないで♪
「ナルニアの国」を訪れた喜びに
ゆっくりと余韻に浸る人にだけ
最後の一こまのプレゼントが
そっと用意されています(笑)










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Last updated  2006.04.06 21:13:52
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あかまっちゃん2004 @ Re:アース  EARTH(01/17) ようやくDVDで見ました。ただ、プロジ…
Christophor@ ... [URL= <small> <a href="http://www.qerig…
セビセビ @ 七光り うおぅ。。 なぜかは分りませんが、禁止…
亜美tsugumi @ おおっ トムクルーズというキーワードに釣られま…
Jessie @ Re:親の七光りって言うけれど・・・   夏恋の映画独り言♪(04/24) ね!たしかにジュリアに目もとがそっくり…
sweet sue @ 本当だ! 笑顔がキュートなところそっくり! 目元…
ねこんちゅ @ 七光り おはようございます。 七光りは日本も…
マリーmypink @ 使っちゃえ!七光り~(笑) こんにちは~~ うわっ!目元がそっく…
夏恋karen @ Heikさん へ ★Heikさん、おはようございます♪ >そ…

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