PIONEER TX-8800II 1976年製のアナログ・チューナーです。かれこれ38年前のオーディオ製品ですね。これを何時頃買ったのか記憶にないのですが、確か中古で買ったと思いますが1980年代だったと思います。それが20年位昔だと思うのだけど、シグナルメーターがメトロノームのように振れたり音が途切れたりで故障しました。そのまま廃棄するには忍びないのでお蔵入りにしてあったのです。
それが最近になって、ふとしたきっかけで回路図が手に入ったり、ネット上での断片的な情報などから、どうやらFMフロントエンドのトランジスターが怪しいぞと・・・・
回路図とにらめっこをすると、オシレーター部に2SC710というトランジスターが使われています。このC710というやつ、銀メッキ線を使っているのですが、それが経年劣化して故障するというもののようです。スィッチを入れて時間がたち、半導体などが温まってくるとおかしくなるというのは、いかにも原因がトランジスターくさいです。
このチューナーの場合、そこそこ高級機なのでFMフロントエンドがしっかりしたもので、トランジスターから何から金属の箱の中に収納されています。しかも基板はいたるところでハンダ付けしてあるので分解はほぼ不能です。丁度↑のあたりの内部にC710があります。
さて、どうするか・・・・。外側の金属板のシールドは外しました。奥のほうにあるC710はハンダ面が外側にあるのでハンダを溶かし、内側に落としとりあえず外すことはできました。案の定、劣化した雰囲気プンプンです。元のように、交換したトランジスターを戻すことは不可能と諦め、プリント側(ハンダ付側)につけるという苦肉の策に出ました。
そうと決まったら、トランジスターを買ってこなくちゃ! と、待てよ、手持ちで使えそうなものは無かったかな?
2SC458 RF(高周波増幅用)Cob:<3.5 fab:230MHz 用途にオシレーターの記載はないのですが、使えるかも・・?
ということで、早速換装してみました。アンプにつながず、アンテナにつないでスィッチを入れてみると・・・お?チューニングを変えてみると受信しました。時間がたっても安定しています。ただし、周波数の表示と受信局の数値に差があります。
オシレーター部を換えたのですから当然でしょうね。そこでフロントエンド部のTCOの表示のあるトリマーを調整し完了です。本来なら専用の測定器をつかってやるべきなのでしょうが、さすがに持っていないので。
で、アンプに繋ぎ、何十年ぶりに鳴らしてみると…驚きです。こんなにクリアな音だったんだ。このところ使っていたのが安物システムコンポのものと思われるデジタル・チューナーだったのですがこれがラジカセの音に思えるほどです。滑舌が数段良くなったような、ステージの袖で聞いていたのが、アリーナ席へいきなり移動になったような…そんな感じです。以前に、電解コンデンサーの劣化が原因かと思い、ほとんどのものを交換してあったのですが一般品のはずです。それでこれだけクリアーでワイドレンジならチューンしてもいいかも。あ、ちなみにグリーンのインジケーター部ですが、ここは麦球だったのですがLEDに換えてあります。
という訳で、早速音声廻りの電解コンデンサーをオーディオ用のものに換装しました。手持ちのものを動員したので数値によってブランドが異なりますが、ニチコン・ミューズ、エルナーRJJ・セラファインなどなどです。まだエージング中ですが、さらにクリアなサウンドになりました。音の輪郭がかっちり出ている感じです。前のチューナーは、安物だけあってFM放送は、15KHzでカットしているのですが、それ以前に高域が出ず、モヤモヤした音質でした。捨てずに修理して大正解でした。感度は最新のものに比べたら落ちるでしょうけど、音質は決して負けないと思います。
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