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cozycoach @ Re:徳川忠長 兄家光の苦悩、将軍家の悲劇(感想)(11/20) いつも興味深い書物のまとめ・ご意見など…
2011.03.15
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 歩いてする学問とは何でしょうか。

 ”歩く学問の達人”(2000年8月 晶文社刊 中川 六平著)を読みました。

 既成の机上の学問を追究するのではなく自分で自分の道を切り拓き歩くことで学ぶことを広げてきた人たちを紹介しています。

 お仕着せを嫌い、誇りを持って行動し、新しい学問を着実に獲得してきた16人にスポットをあてています。

 鶴見良行さんが書いた「歩きながら学問を育てた人たちがいる」という一行を、口のなかでころがして人を選別して紹介している。

 最初はアルフレイドーウォレスさんで、イギリスの博物学者でアマゾンやマレー諸島を探検調査しました。

 「かれの歩きぶりは、同時代の白人のなかでもきわだっている。蒐めた標本をロンドンのエージェントを通じて売り、それで暮らしを支えた。つまり自前の旅だった。目的地に着けば、小屋を建てたり借りたりした。そこはまったくの海岸であるよりは、いくらか内陸に入った、水場のある森林だった。」

 そんな島での生活について、食べ物は村人との物々交換であるがゆえに、行く先々で、その土地の社会との関わりは濃いものになっていきます。

 スポソサーのいない、自前の旅だけに、土地のひとびとの暮らしぶりも、よく見えてきます。



 菅江真澄さんは、東北から蝦夷に渡りその一生を行脚にあけくれました。

 菅江さんが渡った蝦夷を踏査しはじめての蝦夷地誌を書き上げたのが、松浦武四郎さんです。

 学問そのものを論じてはいません。

 学問を、ただ方向づけられた知識の体系と論じることに意味はありません。

 歩くこと、そのことに楽しみがあり、それが学ぶことです。

 どこを歩くのかは、自分で見つけなさい。

 本のなかを歩いてもいい、雑誌という海もある、住んでいる町だって、川だって海だって行くことはできます、島を歩いても、歴史に身をおくことだってできます。

 そのようにして、強烈な個性、きらめく才能の源泉をさぐり、明かしていきます。

 混沌とした今の時代に一石を投じています。

鶴見良行--歩いてつくったアジア学
山折哲雄--京教学界の異邦人

藤森照信--建築界の文学者
古文書を返して歩く--網野善彦さんに訊く
長井勝一--『ガロ』学派の育ての親
森まゆみ--地域雑誌からの出発
目黒考二--活字中毒者の雑誌づくり

上野博正--『思想の科学』の同伴者
宮本常一のこと--夫人・アサ子さんに訊く
小沢昭一--放浪芸を探る旅をつづけて
野田知佑--川に暮らす自由人
熊谷博子--体験を活かす映像ジャーナリスト
松下竜一--叙情派作家が描く戦後五十年
大城立裕--沖縄文学の創始者






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Last updated  2011.03.15 20:10:51
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