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cozycoach @ Re:徳川忠長 兄家光の苦悩、将軍家の悲劇(感想)(11/20) いつも興味深い書物のまとめ・ご意見など…
2011.06.21
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 日本は、スタート時点から機会が全く不平等になっていて、イギリスとまではいかなくてもネオ階級社会として固定、不平等が再生産されているといいます。

 ”ニッポン不公正社会 ”(2006年3月 平凡社刊 斎藤 貴男/林 信吾著)を読みました。

 ジャーナリストと作家との対談集です。

 ジャーナリストは斎藤貴男さん、作家は林 信吾さんです。

 斎藤貴男さんは、1958年東京池袋生まれ、早稲田大学商学部卒業、英バーミンガム大学大学院修了(国際学MA)、日本工業新聞記者、週刊文春記者などを経てフリーのジャーナリストになりました。

 林 信吾さんは、1958年東京板橋生まれ、神奈川大学中退、1983年から10年間在英して英国のニュースダイジェスト記者、欧州ジャーナル編集長などを務め、帰国後フリーで執筆活動を行っています。

 結果の不平等、格差ならまだ仕方がないが、いまの日本社会は自由競争の名のもとに、世代を超えて格差が温存される不公正社会にされようとしているといいます。

 イギリスは階級社会であり、親から継続した身分の下層社会の若者たちがいます。

 負け組から生まれた人間は、勝ち組にのし上がれない仕組みになっているそうです。



 日本にしのびよるネオ階級社会は、教育機会均等の崩壊から始まったそうです。

 正社員、契約社員、派遣社員、パート、アルバイトというネオ階級が背景にあります。

 そして、平成不況の中で正社員が減少し、大学を卒業しても正社員になれる人は一部だけの時代に入りました。

 また、ニートとして社会的保障も与えられず、親の年金生活におぶさっている不幸な青年たちの数が最近急激に増えています。

 大学を出た男性にとっては、卒業したとき正社員になれないと、20年経っても30年経っても正社員になれない人が大部分の社会になりました。

 彼らの多くは年収200万円以下の収入で、年齢を重ねるにしたがって不安定な現在の職場すら雇用が危うくなってきており、子育てにお金を掛ける余裕もなく、世代を超えて格差が温存されます。

 一方、大学を出た女性にとっては、卒業したときになかなか正社員になれなくても、キャリアを積んでノウハウを身につけ、アイデアをビジネスモデル化できれば、独立起業して経営者となり、成功すれば株式公開するチャンスも容易になりました。

 しかし、男女の格差や年齢格差は縮小したものの、同じ年齢で所得格差が拡大しつつあるそうです。

 かつての年功序列賃金で、歳を取れば経済的にも社会的にも楽になると期待できた30代から40代の男性社員にとって、いまや能力がアップしない限り、所得がアップする保証も雇用が継続する保証もない時代になりました。

 かつてマルクスが描いたドラスティックな結末は来ず、資本主義の下では可変資本である労働者への給与支払比率は減少しており、そのしわ寄せが若者の頭上に集中しています。

 このような資本主義の矛盾は避けられないものであり、若者はもっと現実社会の矛盾を学ぶべきだといいます。






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Last updated  2011.06.21 19:37:00
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