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cozycoach @ Re:徳川忠長 兄家光の苦悩、将軍家の悲劇(感想)(11/20) いつも興味深い書物のまとめ・ご意見など…
2013.06.10
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 空洞化とは、構成していたものが消滅、移転などをすることによってそこが空き空洞になる状態をいいます。

 産業的には、国内企業の生産拠点が海外に移転することにより当該国内産業が衰退していく現象を指します。

 1995年版経済白書によれば、円高による輸出の減少、輸入による国内生産の代替、直接投資の増大による国内投資の代替などから、製造業が縮小することにより産業空洞化が生じる、としています。

 ”空洞化のウソ”(2012年7月 講談社刊 松島 大輔著)を読みました。

 いまや空洞化ではなく現地化が進んでいるので国内で生き残るために今こそ新興アジアへ進出すべきと説いています。

 松島大輔さんは1973年金沢市生まれで、東京大学経済学部卒業、ハーバード大学大学院修了、通商産業省入省後、2006年から4年近くインドに駐在し、インド経済の勃興と日本企業のインド進出を支援した他、タイ、ミャンマーなどで数々のプロジェクトの立ち上げを推進しました。

 現在、タイ王国政府政策顧問として日本政府より国家経済社会開発委員会に出向しています。
 日本では1980年代半ばから産業の空洞化が議論され出しましたが、1985年のプラザ合意の後、急激な円高により価格競争力を失った輸出企業が海外現地生産を本格化させました。

 背景には、東南アジアのNIES諸国の台頭があり、1990年代には、圧倒的に安価な労働力を武器に、世界の生産基地としての地位を急速に高めた中国の台頭がありました。



 しかし、2011年末に起きたタイの大洪水を間近に観察して、タイ経済における日本企業進出の意義をタイ政府の中から見つめなおす機会を得ることができた、といいます。

 日本企業はすでに新興アジアに生産ネットワークを展開しており、そこではサプライチェーンの広がりを見ることができます。

 大洪水では、サプライチェーンの寸断により、日本とタイの2力国にとどまらず、多くの国に甚大な影響を与えました。

 新興アジアの命運が日本経済の進運を決め、日本と新興アジアが運命共同体であることをまざまざと理解させられたそうです。

 これまで日本において論じられてきたアジア論の系譜に位置づけつつ、アジアを日本経済を語る際の中核に位置づけていく必要があります。

 閉塞感漂う日本の未来を憂い新しい一歩を踏み出すため、逡巡する高い志に向け興アジアに軸足をおいた日本再生の方法を提案したい、といいます。

 日本産業・経済の空洞化論は、お金、技術革新、雇用の観点から国内に居つづけることをよしとしますが、実は必ずしもそういう事実は見受けられません。

 むしろ、空洞化論が日本の進運にとって重要な新興アジアへの現地化を妨げる心理的な壁になっています。

 日本産業の未来の空洞化を防ぐためには、新興アジアにおける直接投資、貿易関係の強化、生産拠点の確保、販売網の整備といった現地化が重要です。

 現地化は、経済成長著しい南アジア、東南アジア、中国の一部をふくむ地域を包摂した新興アジアで成功するかどうかにかかっています。

 そのためには、日本企業が海外展開し、その過程を通じて、グローバル化における、日本を取り巻く外部環境の激変に対処することが求められます。



 国内で生き残るためには、新興アジアへ目を向けることが必要だ、といいます。

第1章「空洞化」を怯えてはいけない
第2章「新興アジア」における「現地化」のススメ
第3章「新興アジア」を活用した日本改造






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Last updated  2013.06.10 21:33:45
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