心の赴くままに

心の赴くままに

PR

Profile

kishiym

kishiym

Keyword Search

▼キーワード検索

Calendar

Comments

cozycoach @ Re:徳川忠長 兄家光の苦悩、将軍家の悲劇(感想)(11/20) いつも興味深い書物のまとめ・ご意見など…
2017.01.23
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類

 狭き門をくぐり難関国家資格を取得すれば、センセイとあがめ奉られ高収入に恵まれるものと考えられていました。


 しかしいまや時代が変わって、資格を取得するということが貧乏になることに繋がるといいます。


 ”資格を取ると貧乏になります”(2014年2月 新潮社刊 佐藤 留美著)を読みました。


 資格取得者の数が激増し、その割に仕事は増えず過当競争とダンピングが常態化し、資格貧乏があふれかえっているそうです。


 佐藤留美さは1973年東京都生まれ、青山学院大学文学部卒、出版社勤務を経て、2004年に独立し企画編集会社経営者兼ライターです。


 多くの者は資格を取得するために大金を支払って勉強しています。


 ここで大金を支払うのは、資格を取得できたならば自身がより高収入の職に就くことができるからと見込んだ上でのことでした。


 資格を生かして自分の腕一本で生きている姿は、組織で遊泳してゆるりと生きてやれといった発想とは無縁の誇りと潔さが感じられました。


 ところがいま、弁護士や公認会計士は昔ほど仕事がないらしいというウワサを耳にするようになりました。


 それどころか食うに困る人が続出しているらしい、という声も聞こえます。


 そこで著者は、弁護士、公認会計士、税理士、社会保険労務士などの国家資格、あるいはTOEICなどの英語能力試験などの実態を探る取材を始めました。


 その結果、明らかに違和感を抱かずにはいられない事実が、続々と浮かび上がってきました。


 たとえ司法試験に合格しても、大手事務所に入れるようなエリートは上位7校で成績10番以内、英語が達者な20代の男性ばかりだといいます。


 せめて中小事務所の軒先を借りるノキ弁になれないかと就職活動をしても、すげなく断られる若手が多いそうです。


 何のスキルも実務経験もないのに、自宅でケータイひとつで即、開業せざるをえない通称ソクドクのケー弁が続出しています。


 5人に1人の弁護士の年収は、年間所得が100万円以下と、生活保護受給レベルにまで落ち込んでいるようです。


 公認会計士も、弁護士と似たような状況下にあるといいます。


 現代社会においては、資格を取得できたとしても職に就けないという人が増えているようです。


 弁護士、公認会計士だけでなく、税理士、弁理士、 司法書士、社労士などといった資格までもがこれに当てはまっているそうです。


 資格を取得することができても、高収入の仕事に就けないばかりか、勉強のために大金を失う時代になっています。


 背景には、資格を所持して業務を行っている者が高齢者となっても引退せずに業務を行い続けている、という事情が存在します。


 人材が過剰となっており、新規に資格を取得した者は職に就けない状態なのです。


 また、IT化が発達によって、素人のコンピュータの操作により複雑な業務が容易に行えるようになっていることもあります。


 資格貧乏に陥らないためには、独立の前に実務経験を積むこと、スペシャリスト顔はやめること、人が行かない空白地帯を見つけることなどが必要になってきているようです。


第1章 イソ弁にさえなれない――弁護士残酷物語
 5人に1人は「生活保護受給者並み」の所得/たった10年で2倍に/突出して多い30代/「法科大学院修了者7~8割合格」の空手形/三振が怖い/数字合わせだった「3000人構想」/三流大学にも法科大学院が出来たワケ/失敗の理由/法学部まで巻き添えに/需要がない組織内弁護士/類似資格の存在/事件数もピークアウト/国選弁護人の仕事も奪い合い/8割超の法科大学院が定員割れ/試験対策はやっぱり予備校頼み/すさまじいカースト構造/予備試験という抜け穴/司法修習も自腹に/最初の弁護士業務は「自己の自己破産」?/「ケー弁」現る/過払い金バブル/使い捨てされた若手の行き先/弁護士がすし屋になっちゃった!/「過払い組」は福島を目指す/ボランティア活動が食い扶持に/始まったディスカウント競争/「特別負担」の憂鬱/エリートは霞が関を目指す/有望株は「リーガル商社マン」/「食べログ」みたいにランク付けされる?
第2章 “待機合格者”という生殺し――公認会計士の水ぶくれ
 “待機合格者”が続出/公認会計士も10年で2倍に/金融庁と経団連が後押し/「給料半年分あげるから出ていってくれ」/狙い撃ちされた「会計バブルの申し子」たち/若手リストラの酷い手口/会計大学院は入ると損をする/リストラ組の行き先/「企業財務会計士」という詐術/経団連の拒否/IFRS強制適用の時限爆弾/日本の会計士資格はガラパゴス
第3章 爺ちゃんの茶坊主になれ!――税理士の生き残り作戦
 「足の裏にくっ付いたご飯つぶ」/月5万円の顧問料が5000円以下に/記帳代行業務も壊滅状態/全自動会計クラウドサービスの衝撃/e-Taxでも出る幕ナシ/マイナンバー制度導入で個人客はいなくなる?/営業に引っかかるのはケチな客ばかり/税理士を変えると税務調査が来る?/「節税コンサルタント」になれるか?/仲間の足もとを見る元国税/不動産屋、生命保険代理店になる人も/会計士の首に鈴を付けられるか?/全員で「オース!」/箔付けに集団で著書を出す/税理士事務所が税理士を採らない理由
第4章 社会保険労務士は2度学校へ行く
 10年前から1万人増/人気の理由は独立・開業のしやすさ/親に「テヘペロ」で食いつなぐ/ボトルネックは独占業務の少なさ/「うざい社員」になるから転職できない/恐怖の「ヒヨコ食い」/笑顔の練習に励む中年社労士の悲哀/今度は先生として資格予備校に逆戻り/合格祝賀会写真のウソ/人気講師はホスト並みの口のウマさ/やり手は生保営業マンと組む/沖縄というオイシイ穴場/鬱病患者の「障害年金」申請でひと儲け
第5章 TOEICの点数が上がると英会話が下手になる
 受験者数230万人超/「TOEIC採用」はもはや下火?/英会話が出来るようになるとスコアが下がる/900点でも半数は喋れない/「ガラパゴス化した経産利権」/安倍政権はTOEFLへの移行を推進/先進企業は「英語面接」/結局は「話す内容」
第6章 それでも資格を取りたいあなたのために
 アドバイスその1・サラリーマン根性を捨てる/アドバイスその2・資格にこだわり過ぎず、まずは就職を/アドバイスその3・サラリーマンになったらサラリーマンになりきる/アドバイスその4・人が行かない「空白地帯」を目指す/アドバイスその5・出来ない仕事も引き受ける/アドバイスその6・顧客の話し相手になる/アドバイスその7・先輩を頼る







お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2017.01.23 07:05:57
コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: