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cozycoach @ Re:徳川忠長 兄家光の苦悩、将軍家の悲劇(感想)(11/20) いつも興味深い書物のまとめ・ご意見など…
2019.07.06
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 人生無意味症候群という精神的な病があり、人生は無意味という事実を改めて認識してしまうことで発症します。


 人間が極限状態に追い込まれるとこの事実を再認識し、開き直って暴走してしまうことが知られています。


 そのため、鬱に続く自殺原因の第2位とされており社会問題となっています。


 しかし、この世には一人として同じ人はいません。


 ”無意味な人生など、ひとつもない”(2017年3月 PHP研究所刊 五木 寛之著)を読みました。


 人はどんな人生を送ったとしても、この世に生まれ生きたというだけで人間として大変大きな意味のある仕事をしているといいます。


 どんなに自分が小さなとるに足らない存在に思えたとしても、世界はその小さなあなたがいて成り立っています。


 無意味な存在、無意味な人生など、ひとつもないのです。


 それぞれの宿命を抱きながら、それぞれが死に物狂いで生きています。


 その健気さを思うと、胸が熱くなるような気がするといいます。


 五木寛之さんは、1932年福岡県生まれ、生後まもなく朝鮮半島に渡り、教員としての父の勤務に付いて全羅道、京城など朝鮮各地を移動しました。


 第二次世界大戦終戦時は平壌にいましたが、ソ連軍進駐の混乱の中で母が死去し、父とともに幼い弟、妹を連れて38度線を越えて開城に脱出し、1947年に福岡県に引き揚げました。


 引き揚げ後は、父方の祖父のいる三潴郡、八女郡などを転々とし、行商などのアルバイトで生活を支えました。


 1948年に旧制福岡県立八女中学校、福島高等学校に入学し、ツルゲーネフ、ドストエフスキーなどを読み、テニス部と新聞部に入って、創作小説や映画評論を掲載しました。


 1952年に早稲田大学第一文学部露文学科に入学し、横田瑞穂に教えを受けゴーリキーなどを読み漁り、また音楽好きだった両親の影響でジャズと流行歌にも興味を持ちました。


 生活費にも苦労し、住み込みでの業界紙の配達など、様々なアルバイトや売血をして暮らしました。


 同人誌に参加し、詩人の三木卓とも知り合いました、


 1957年に学費未納で早稲田大学を抹籍されましたが、後年、作家として成功後に未納学費を納め、抹籍から中途退学扱いとなりました。


 1965年に、学生時代から交際していた岡玲子と結婚、夫人の親類の五木家に跡継ぎがなかったからか五木姓を名乗りました。


 日本での仕事を片付けて、1965年に、かねてから憧れの地であったソビエト連邦や北欧を妻とともに旅しました。


 帰国後は精神科医をしていた妻の郷里金沢で、マスコミから距離を置いて生活し、小説執筆に取りかかりました。


 1966年『さらばモスクワ愚連隊』で小説現代新人賞、1967年『蒼ざめた馬を見よ』で直木賞を受賞し、1969年には『青春の門』掲載を開始しました。


 金沢で泉鏡花文学賞、泉鏡花記念金沢市民文学賞の設立に関わり、創設以来審査委員を務めています。


 1970年に横浜に移り、またテレビ番組『遠くへ行きたい』で永六輔、野坂昭如、伊丹十三らと制作に加わりました。


 1972年から2年間一度目の休筆に入り、その間の1973年に『面白半分』編集長を半年間務めました。


 1974年に執筆活動を再開し、リチャード・バックの「かもめのジョナサン」の翻訳を刊行し、ベストセラーとなりました。


 1975年に日刊ゲンダイでエッセイ『流されゆく日々』の連載を開始し、2008年に連載8000回の世界最長コラムとしてギネス世界記録に認定され、2016年には連載10000回を達成しました。


 1976年、『青春の門・筑豊編』により、第10回吉川英治文学賞を受賞し、1981年から3年間再び執筆活動を一時休止し、龍谷大学の聴講生となり仏教史を学びました。


 1984年に執筆活動を再開し、吉川英治文学賞、坪田譲治文学賞、小説すばる新人賞選考委員なども務めました。


 2002年に菊池寛賞、同年ブック・オブ・ザ・イヤースピリチュアル部門を受賞しました。


 2004年に仏教伝道文化賞。2009年にNHK放送文化賞を受賞しました。


 2010年に『親鸞上・下』により、毎日出版文化賞特別賞を受賞しました。


 著者は、あなたはこの世界でかけがえのない存在であり、今こそその意味を伝えたいといいます。


 人の一生は、その一日一日が積み重なって延びてゆく一本の道のようなものかもしれません。

 前に延びてゆく道筋がはっきりと見える時もあれば、暗闇に包まれて何も見えず一歩も踏み出せないと思う時もあります。


 時に迷い、気づき、歓び、苦しむ、そのどれもがあってこそ人生です。


 そうわかっていても、やはりまた悩み、苦しむのです。


 誰かのためだけに生きてきた、孤独に生きてきた、ただ呆然と生きてきた、そのいずれの生き方も、どんな生き方をしようともそれでいいのです。


 たとえ周囲から極楽とんぼと言われて馬鹿にされようとも、不幸にも罪を犯し、刑務所の塀の中で一生を過ごすような、そういう人生であってもいいのです。


 人間としての尊い生き方は、あるいは価値というものは少しも変わらないのではないでしょうか。


 しかし、人は何かを成すことがなくても十分ではないか、人間は生まれてきて生き続け、そして人生を懸命に生きており、そこにまず人間の最も大きな価値があります。


 もし、人よりすぐれた野心やエネルギー、才能などを持ち合わせたなら、それを十分に発揮して世のため人のために尽くせばいいのです。


 それは他人に自慢することでもなく、周りが称賛しなければならないことでもありません。


 そういうふうに生まれてきて、そうした才能を開かせる機会を得たことを謙虚に感謝することです。


 そしてもし無名のまま一生を送ったとしても、この世の中に生まれてきて生きたというだけで、人間として大変大きな意味のある仕事をしているのではないでしょうか。


 50年生きた70年生きた、いや、わずかに1年生きたとしても、その生きたというだけでいいのではないでしょうか。


 あなたの人生は、この広い世界でたったひとつしかありません。


 この世には一人として同じ人はいませんし、どんなに自分が小さなとるに足らない存在に思えたとしても、世界はその小さなあなたがいて成り立っています。


 無意味な存在、無意味な人生など、ひとつもないのです。


 ほかと比べて優劣見る必要もありませんし、真似をする必要もありません。


 同じように迷える者、弱き者の一人として生きてきた経験が、少しでもお役に立つことがあればと願い、この一冊にまとめてもらうことにしたといいます。


第1章 大いなるいのちと「私」/無意味な人生など、ひとつもない/あなたが生きるのはなんのためなのか/悩み苦しむ「あなた」、そのままでいい/人間としての「私」と、個としての「私」/変えられないこと、変えられること/今見える道だけがあなたの道ではない/「あれかこれか」より「あれもこれも」/人生は自ずとなるべきようになる


第2章 「今日一日」を生きる/生きる力を与えてくれるもの/「気休め」の効用/こころの傷があなたを支えてくれる/人を本当に力づける励ましとは/歓び上手のススメ/肉声で語り合うことの大切さ/怒りとどうつきあうか/悲しみはいのちを活性化させる/一人で生きるということ


第3章 歳を重ねるということ/生には、立ち止まるべき時がある/「林住期」こそ人生の黄金期/”学び直し”が人生に深みと変化を与える/「必要か否か」ではなく「興味」で選んでみる/歳を重ねて、やりくり上手になる/失ったものではなく、増えていくものを数えよう/死があるから、生か輝く/生きどきがあり、死にどきがある


第4章 ありがとう、おかげさまで/私たちは、すぺて大河の一滴/「天が見ている」という感性/激変する世界にどうむきあうか/どこにでも「地獄」はある/今必要なのは「許し合うこころ」/「理想の死に方」をイメージしてみる/生きていることは、ありえないほど貴重なこと/
ありがとう、おかけさまで






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Last updated  2019.07.06 07:14:28
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