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cozycoach @ Re:徳川忠長 兄家光の苦悩、将軍家の悲劇(感想)(11/20) いつも興味深い書物のまとめ・ご意見など…
2022.09.03
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 Netflix=ネットフリックスは、カリフォルニア州ロスガトスに本社を置く、アメリカのオーバー・ザ・トップ・コンテンツ・プラットフォームです。

 ”NETFLIX 戦略と流儀”(2021年10月 中央公論新社刊 長谷川 朋子著)を読みました。

 世界190以上の国と地域で総有料会員数2億人強のトップシェアを誇るネットフリックスについてその独自の戦略と流儀を解説している。

 1997年にリード・ヘイスティングスとマーク・ランドルフによって、カリフォルニア州スコッツバレーで設立されました。

 初期はオンラインのDVDレンタルサービスを提供する会社として米国内で発展し、その後2007年ころから動画配信を行う会社として発展し世界規模の企業となりました。

 アメリカ、オランダ、ブラジル、インド、日本、韓国、イギリス、シンガポール、フランス、スペイン、メキシコ、オーストラリア、ドイツ、イタリア、カナダに支社があります。

 世界各国のコンテンツを制作・配信しており、2022年4月現在の加入者数は2億2200万人です。

 ストリーミング配信では既存のコンテンツに加え、独占配信や自社によるオリジナル作品も扱っています。

 オンラインDVDレンタルに関しては、国内で10万種類、延べ4200万枚のDVDを保有し、レンタル向けに1600万人の顧客を得ています。

 ネットファースト展開というビジネスモデルでエンターテインメント業界へ風穴を開け、既存の慣習を壊しながら驚異的な成長を遂げています。

 長谷川朋子さんは1975年生まれのテレビ業界ジャーナリスト、コラムニストで、現在、放送ジャーナル社取締役です。

 ドラマ、バラエティー、ドキュメンタリー番組制作事情をテーマに、国内外の映像コンテンツビジネスの仕組みなどの分野で記事を執筆しています。

 海外流通ビジネスを得意分野とし、フランス・カンヌで開催の映像コンテンツ見本市MIPの現地取材を、約10年にわたって行ってきました。

 ATP賞テレビグランプリの総務大臣賞の審査員や、セミナー講師、行政支援番組プロジェクトのファシリテーターなども務めています。

 世界の国と地域でトップシェアを誇るネットフリックスの存在は、唯一無二のものです。

 コンテンツ市場で流通革命を起こし、ハリウッドの勝ち組と当たり前のように肩を並べ、急成長ぶりをまざまざと見せ続けています。

 配信ビジネスとテクノロジーの掛け合わせによって、ビンジウォッチング=一気見という新しい視聴スタイルも生み出しました。

 ネットフリックスのビジネス戦略は、遠い国の大企業のサクセスーストーリーに終わりません。

 かれらが日々提供している生き生きとしたコンテンツは、我々の心にも生活の中にも入り込んでいます。

 世界中の企業がコロナ禍に見舞われている時でさえ、ネットフリックスは驚異的な成長を見せつけています。

 2020年3月期には1600万人近い新規有料加入者を獲得し、過去最大の加入者数増を記録しました。

 同年3月末の段階で既にネットフリックスの有料会員総数は1億8286人に上りました。

 動画配信サービス全体で10億人規模の市場になりましたが、その牽引力を担っているのは間違いなくネットフリックスです。

 一話数億円規模のドラマをネットファーストで展開するような、バカげたビジネスモデルはあり得ないと、当初、否定的な意見ばかりがささやかれていました。

 ですが、2013年公開のオリジナルドラマ”ハウス・オブ・カード 野望の階段”の成功が、その状況を一気に変えました。

 アメリカではケーブルテレビからネットフリックスに乗り換える、コード・カッティング現象まで起こってしまいました。

 すると、世界中のクリエイターやプロデューサーたちが、ネットフリックスが求める企画を探り、情報収集に乗り出していきました。

 その頃はテレビ業界内で、テレビと動画配信の対立が懸念され、テレビは終わりゆく旧コンテンツだという認識が世界中で指摘され始めました。

 ネットフリックスのやり方こそが、コンテンツビジネスの新たな可能性を見出すものとして急速に支持されていったのです。

 しかし、反対する声も保守派の間では根強く、2017年のカンヌ映画祭ではネットフリックス作品を受賞の除外対象に挙げる騒ぎにまで広がりました。

 異端児扱いされながらも、ネットファースト展開にこだわったことが1つ目の特色です。

 2019年の第91回米アカデミー賞で、ネットフリックス独自配信映画の”ROMA/ローマ”が、監督賞・外国語映画賞・撮影賞の主要3部門でオスカーまで勝ち取りました。

 この快挙はオリジナル作品に力を入れていたネットフリックスのビジネス戦略の勝利と言えます。

 コンテンツカがあれば、一般ユーザーから批評家からも支持されるようになります。

 だからこそ単に作品を並べるだけでなく、有望なクリエイターを積極的に登用し、独自コンテンツを売りにしてきました。

 社会現象を起こすコンテンツも数々生み出され、2019年1月1日に全世界配信された、こんまりこと、近藤麻理恵氏のリアリティショーはそのひとつです。

 このユーザー第一主義が2つ目の特色です。

 時代の先を読む力も強みであり、ハリウッドだけが世界を制する時代は終わると予見しています。

 ネットフリックスは世界各地に散らばる作り手たちをすくい上げ、多言語、多文化に触れることができるコンテンツ群を増やしていきました。

 各国でオリジナル制作の作品を次々と手掛け、日本の1980年代のビデオ業界を舞台にした『××監督』は、日本発世界ヒットの代表例になりました。

 この日本上陸4年目のヒットによって、日本でも会員数が急増し、趣味がネットフリックスと表現されることも一般化してきています。

 そして、世界ヒットを狙える日本のアニメを生み出す好循環にもつなげています。

 このローカル発グローバル戦略が3つ目の特色です。

 コロナ禍の世の中はかつてないほどの経済不況に陥り、新しい生活様式が探求され、社会で当たり前とされていたことも見直されています。

 巣ごもり消費の広がりをきっかけに、エンタメ業界だけでなくあらゆる業界の潮目も変わる
ことになるでしょう。

 そんな時代には、既存のヒットの法則を打ち破り、独自の流儀を持ってのし上がってきた、ネットフリックスの戦略が生き残り策のヒントになるでしょう。

 本書は、ネットフリックスが与えた影響力について国内外の視点からみるビジネス論です。

 加えて、作り手たちの野望に触れるヒューマンドキュメントでもあります。

 筆者は、先の見えない状況のなかで、本書が少しでもビジネスの糸口を見出すことのできる一助になればといいます。

第1章 なぜ、ムーブメントを作り出すことができたのか/第2章 なぜ『××監督』の大ヒットが生まれたのか/第3章 動画配信の覇者ネットフリックス躍進のカギ/第4章 米・日プレイヤーの素顔に迫る/第5章 映像コンテンツ革命児のネクストプラン

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NETFLIX 戦略と流儀 (中公新書ラクレ 744) [ 長谷川 朋子 ]


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Last updated  2022.09.03 08:25:32
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