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新型インフルに待ち伏せされそう。こえめです![]()
外から帰ったらまずうがい手洗い。
ストレスためて……るかな? 抗酸化物質V.C。
本日は美味しいプラムで。
太陽とかいう品種だった? (ラベル見て来い) べつにいいの
暑いからマスクは、したくありませんね。
あとはミルクたっぷりのココアでも飲んでおきましょう。
何それ、ですって?
やだなー。 気休め が大切なのよ。
気の持ちようで、 免疫力 が変わるんだからねっ!(ゝω・)
さて、真矛のお話。
今度夢に出てきたイメージは、
彩葉が光の渦に包まれるというものでした。
―真矛・告白― (9)
実験というと、いつも私と彩葉は、
山本が大きな間違いでもしないものかとわずかな期待をこめた視線で、
実験を進める山本の手元を眺めていたものだ。
「僕に任せておけばいいんだよ」
それが彼の言い分だった。
そんな、勉強に関しては兎に角プライドの高い山本が、
簡単な実験に失敗したのも
今思えば、運命だったのかもしれない。
当事、彩葉と山本はどちらかというと仲が悪く、
休み時間に、大声で言い合っていることが時々あった。
でも普段大人しい彼女の
あんなに強気な態度を見たのは、
それが初めてだった。
彩葉はその時とてもイライラしているように見えた。
突然、山本から無理やりスポイトを奪い取ると、
試薬を凄い勢いで混ぜ始めたのだ。
その拍子に転がり落ちた鉛筆を拾おうとかがんだ時、
私は、頭の中に違和感を感じた。
視線の先に彩葉の上履きのかかとが見え、
屈んだ姿勢のまま視線をずらすと、
白く輝く光の粒子が、ぐるぐると縞模様をつくって
彩葉のからだを取り巻いていた。
それはすぐに輝きを失って
ただの薄茶色い砂となり、
彼女の足元に落ちて消えてしまった。
その時、ザッという音が確かに聞こえたと思う。
だが私以外に、それに気付いた人はいなかった。
彩葉と山本は実験に夢中だったし、
先生は私たちから離れたところで
机に向かって真剣な顔をしていた。
私が立ち上がろうとした次の瞬間、
山本が大声で言った。
「せっ、せんせー! 色が変わりましたーッ!」
ああ、やはり、そういうことだったかと思った。
さっき感じた違和感は、
実夏が小鳥の呼び寄せに成功したときにも
感じたことに気がついて、
私は少し、ゾッとした。
それは予感などという曖昧なものではなくて、
自分の中から自分じゃない感情が沸き起こる、
とでも言おうか。
まるで、私という生き物をからにかぶった別の生き物が
内側から出てこようとするような、
それまでに感じたことのない異様な感覚だったのだ。
ビーカーの中の液体が一体どう変わったのか、
私からは見えなかった。
でも山本の怯えた声で、
それが魔法がもたらした変化であることには
間違いがないのだ。
彩葉が魔法を使った。
それを見た山本もまた、魔法の力を潜在させている。
内側にいる何者かが、
私にそれを確信させた。
その時私は人知れず、
震えていた。
(つづく) ( 次のお話 )
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