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私達は、緊張して怒った時には、相手の失礼な行動のことしか考えられず、相手に攻撃をしかけてしまいます。緊張性の情緒は、注意を狭い範囲に集中させてしますので、前後の見境のない行為を引き起こすのです。そして、落ち着いた後になって、とんでもないことをしてしまったと反省し、二度と人には暴力を振るわないと誓います。このように情緒の現われ方によって、私達の状況の認知の仕方や思考の仕方が変化します。緊張がたかまっている時は、憎いことしか頭にありませんので乱暴な行為に発展してしまい、落ち着いた時には、広く物事が見えてくるので、社会の評価も考えるようになり、反省するわけです。
しかし、反省したとしても、次に怒った場合には憎しみしか目に入らず、反省したことは頭にも浮かばず、また暴力行為を行ってしまいます。ですから、反省することも大切ですが、激しい感情が生じないようにすることの方がもっと重要と言えます。激しい感情が現われないようにするには、リラックスした喜びによって、緊張性の情緒を和らげることが勧められます。
さて、ここでは、感情的になっている時の認知・思考だけでなく、落ち着いている時の認知・思考についても考えてみたいと思います。実は、落ち着いている時にも、日頃の情緒の現われ方が、認知・思考に影響を与えているのです。
自分の思いと違うことがあると腹を立てる頑固な子どもがいたとします。この子どもは、親の言うことが自分の考えと違うと認知して、腹を立てるわけですが、実際にはその判断の前に頑固さの要素が子どもの心に出現してしまうのです。つまり、落ち着いた時であっても、何かが起こると、それが何であるかにかかわらず、心が固まるのです。心が固まるために、出来事の特定の部分しか見られなくなり、この出来事は、何か違うと思ってしまうのです。すると、自動的に不快感が湧き起り、心をさらに固くさせてしまうのです。日頃、緊張性の情緒の現われやすい子どもは、落ち着いている時にも、何かあると固まるという反応傾向を身に付けてしまっています。ですから、頑固になってはいけないと教えるだけでなく、頑固になってしまう芽を摘んでおくことが重要となります。「頑固になってはいけない」という思いが起こる前に、心が固くなり、その結果頑固になってしまうからです。
最近のYouTubeを見てください。
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子どもの性格56 疲れても目が冴える子ども
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子どもの性格58 親が欠点を示す必要性
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子どもの性格60 共感とは何か
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