山男のつぶやき

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冬道ドライブ講座2



2・冬道の運転技術

といきましょう。

冬道はご存知のとおり、 絶対的なグリップ が落ちます。

これはスタッドレスタイヤの進化である程度解消されたものの、依然夏道とは比べ物にならないほどグリップ力が低いのが現状です。

よって、冬道はこの、 絶対的なグリップが低い のを前提に運転しなければならないのです。

しかも、アスファルトむき出しの夏とは違い、冬道はいろいろなパターンがあり、それぞれグリップが違うので、その時々にあわせた運転をしなければならないのです。

運転技術ですが、車の駆動方式でかなりの差がありますので、分けて説明します。

まずは FR

フロントにエンジンがあり、リヤタイヤを駆動するという方式なので、駆動輪にトラクションがかかりづらいのが特徴です。トラクションがかからないでタイヤが空転すると、その場でスピンします。正直、雪道には向いていない駆動方式です。
FRで冬道を乗るには、とにかくアクセルワークが命です。アクセルを踏むと曲がりすぎ、放すと曲がらなすぎという状態に陥りやすいです。どうしてもトラクションが足りないときはリヤタイヤに直接重さがかかる位置に荷物を積むと少しマシになります。ブレーキは均等に効きます。

次は FF

フロントエンジン、フロント駆動のこの方式はエンジンの重さがそのままトラクションになります。つまり、FRよりはトラクションがかかりやすいといえます。
FFを冬道で乗るには、とにかく前タイヤを滑らさないようにします。縦に滑っているうちはいいんですが、前タイヤが横に滑ると(アンダーステアという)コントロール不能になります。アンダーステアでコントロール不能になってしまったらアクセルを踏むか、グリップするのを待つくらいしか対処策はありません。とにかく前タイヤを滑らせないように、です。
急ブレーキを踏むと前輪ロックすることがあります。弱くブレーキを踏むとタックインといってフロントタイヤのグリップが一時的に強くなる現象もおきます。この現象のせいでスピンすることもありますので特に下りなどではブレーキには注意が必要です。

最後は冬道最強の 4WD

4WDは全てのタイヤで駆動するので、トラクション不足の心配はありません。この駆動方式よりトラクション性能のよい駆動方式はありません。
4WDを冬道で乗るには、重さに注意が必要です。前のタイヤも後ろのタイヤも両方駆動する4WDは、FFやFRに比べてドライブシャフトが2本、デフが2個多くついています。また、根本的な設計の段階でその多い分を押し込むため、ボディもわずかに大きいです。ということはその分重いんですよ。車が止まる手段はブレーキだけですが、ブレーキの効きと言うのは重さに反比例して悪くなります。その分手前からブレーキをかけないと間に合いません。トラクションが楽にかかってしまうから、滑る道を走っているという意識が薄れやすいです。慎重すぎるほどの運転が要求されます。現実に、雪国で事故を起こしている車は大半が4WDです。

そして全車種に共通するのは、 登りと下りでは運転の仕方を変えること と、 ブレーキはカーブの前で終わらせる こと、 車間距離をとる ということと、 スピードの調整を厳密にする ことです。です。

登りではリヤタイヤに多くの車重がかかります。よってハンドルが平地や下りに比べて効きにくくなります。アクセルを踏まなければスピードは上がらないので比較的安全です。平地と同じように運転しても問題ないです。FFやFRでは登らなくなることがありますが、そんなときはアクセルを踏み込まないで、タイヤを路面の上で転がすように動かすと登ることがあります。

下りではフロントタイヤに多くの車重がかかります。登りとは逆にハンドルが効きすぎることもあり、また車重がかからないリヤタイヤが滑りやすくなります。下りでは積極的にエンジンブレーキやフットブレーキをかけないとスピードが上がりすぎてしまうため、スピードのコントロールには細心の注意が必要です。

雪道のグリップの少ない路面で、コーナー途中にブレーキを踏むと・・・ほとんどの場合、滑ります。少し滑るだけなら立て直すこともできますが、そのまま壁に激突(壁がなければ道路から転落・・・)ということもありえます。予防策はカーブの途中でブレーキを踏まなくていいよう、直線のうちにしっかり減速しておくことです。

結局はどんな車もブレーキの性能、コーナーの限界速度は夏よりはるかに悪くなりますので、それを見越した長めの車間距離と早めの減速が一番の重要なポイントです


最後に簡単に雪道の走るペースを知る方法を紹介しましょう。

地元の車に車間距離をいつもの3倍ほど開けてついていく (決して無理についていかないでください。中には異常なほど早いペースで走る人もいます)とペースがわかります。そして、地元の車と同時にブレーキをかければ(つまり車間距離の分長くブレーキをかけると)減速が足りない、曲がれないということはないでしょう。

自分が単独で走っているときは制限速度を目安に走ってみると良いでしょう。グリップの程度は車、タイヤ、路面状況によって全て違うので一概には言えませんが、カーブでの速度は制限速度×0.5位のスピードで走るとほとんどの場合大丈夫と思われます。

他車にしてみればかなり遅い速度である可能性もあるので、後ろから車が来たら避けて先に行かせてあげましょう。


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