** 長島便り **

2004/03/21
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カテゴリ: カテゴリ未分類
気がついたら、今日でHP開設から丸2ヶ月です。

今日は食べ物ネタは控えて、「困った女性」のお話を書きます。


これは数年前に実際私の身に起こった出来事です。

当時、航空会社に勤務していた私は、働き始めの頃、ある中国人スーパーバイザーから幸か不幸か、大変気に入られていました。彼女の名をここでは仮にANチャンとしましょう。彼女の歳は50代です。

彼女は、私がチェックインをしているカウンターの真横にいつもやって来ては、「Kang, you are so smart! (kang、あなたって凄く賢いわ~!)」「kang, you are so polite!(すごい礼儀正しいわ~!)」(←彼女のあの独特の口調を文字で再現できないのが口惜しい~!)等の言葉で私をおだてあげるのが日課でした。

そして彼女は、Fという20代の台湾人のスーパーバイザーに対し、なぜか敵対心を丸出しにしており、「Kang, what do you think about F’s skirt length ? She always stands like this ! (kang, Fのスカート丈、どう思う?いっつもこんなして立ってるわ!)」と言って、自分のスカートを太ももまでたくし上げ足を交差させて見せるのでした。(み、見たくないぞ~!)

ちなみにFという若い台湾人のスーパーバイザーは、はっきり言って外見が非常に可愛い。そして頭が良くてかなり仕事が出来ます。部下の事を良~く見ており、指示が的確で、かつ皆に公平、ユーモアのセンスも抜群でとにかく面白い。ゆえに皆に慕われていました。

ANチャンから「Fのスカート丈が云々」「Fの立ち方が云々」「Fの髪型が云々」「Fのボーイフレンドは云々」の話をされる度に、私の反応は「ANチャン、I don’t think so.」とキッパリ答えていました。



ANチャンは私に「kang, you work so hard! (kangはとっても良く働くね!)」そして、「Kang, you speak perfect English !(Kangは完璧な英語を話すね!)」とも言うのでした。

実はそこには、アメリカ生まれのアメリカ育ちのRちゃんというアルバイトの子が働いており、彼女はバリバリのバイリンガル。こちらで生まれ育ったのに日本語もとってもキレイ。そして高校を卒業したばかりで、若さと元気がはじけていました。

彼女はパートタイマーなので、自分の仕事が終わるとよく私の所へやってきて、私の仕事を手伝ってくれました。手伝いながら「音楽関係の勉強したいんだけど将来性がないかなぁ」なんて進路の相談をしてくれたり、私もRちゃんが可愛かったのでよく一緒にお喋りをしました。

それをANチャンは「Rは仕事をサボってkangの邪魔をしている」と言うのです。私は「ANチャン、That’s not true. She doesn’t bother me, she always helps me after she finishes working. (ANチャン、そら違いますわ。彼女は私の邪魔をしてるんじゃなくて、自分の仕事が終わった後に、私を手伝ってくれてるんですよ)」ときっぱり言いました。事実と違うんだから「違う」と言うべきだと思い、私はこう言ったのです。

私の先輩で日本人のM子さんという女性がいました。彼女は私より年上とは思えないくらい可愛らしい人で、与えられた仕事を一生懸命にこなす頑張り屋さんでした。一生懸命にやり過ぎて、ついつい周りからは「慌てている」ように見えてしまうこともありました。だから誰もが犯す非常に些細なミスも、M子さんがするとちょっと大げさに見えてしまう。

そしてそれを見るにつけANちゃんは、私に「kang, M子 is クルクルパーね!」とカタコトの日本語で言うではありませんか。「ANチャン、I really do NOT think so !」とまたキッパリ言う私。

例えば、M子さんが航空券をちょっと数え間違えたら、ANチャンは私にこう言うのです。「kang, you never miss count tickets, right? (kangはチケットを数え間違えるなんて絶対にないでしょう?)」「あります!」という私。だって本当にそうだから。

M子さんにミスカウントしないように注意を促すのがスーパーバイザーの仕事であって、M子さんの真後ろでM子さん以外の人に、こんなあてつけのような言葉で彼女を傷つけるのが仕事じゃないだろ~!

一事が万事こういう具合で、自分の気に入らない相手の前で、私の事を褒め称えて相手に嫌な思いをさせ、私を味方につけたがるのが、ANチャンという女性でした。

ANチャンは「若さと美貌」に対し執拗な執着心をもっており、なおかつ皆から好かれるPopularな女性に対しては、嫉妬心でいっぱいになってしまう。そしてその敵対している相手に立ち向かうべく、自分に味方をつけて一緒になって敵対させようと躍起になる、気の毒な女性なのです。

こんな人間をスーパーバイザーにしてしまったあの会社の人事もかなりのチャレンジャーです。おかげでいったい何人の優秀な人材がANチャンのせいで辞めて行ったことか!



ANちゃんから「誰それは×××でしょ?」と陰口を振られると、「Yeah~, I know~(えぇ、そうですね~)」と曖昧に笑顔で答える人もいました。私と同様にANチャンに気に入られていたMという若い日本人の女の子もそうでした。

I knowって何を? What do you know about?! 自分が逆の立場に置かれたら、あなたはどんな気がするの?と聞きたいのですが、人に媚びる事を武器とするMは「ANちゃんはスーパーバイザーだから口答えしないほうがいい」というスタンスでした。他にも「自分がイジメの対象になったら嫌だから」という理由で「触らぬ神に祟り無し」という姿勢を貫く仕事仲間も何人もいました。

私の態度を見て、「そのうちイジメられるから気をつけな」と忠告してくれる人もいましたが、たとえスーパーバイザーの言うことでもwrong is wrong なのです。自分の目で見て、自分の頭で考えれば、彼女が言っていることがオカシイ事とそれによって誰かが傷ついている事は、すぐに分かるはず。分かっていて何もしないの?

自分に火の粉がかぶらなければ、一緒になって仲間の陰口に賛同しても良いのでしょうか?見て見ぬ振りをすることが賢いやり方と言えるのでしょうか?

イジメというのは、直接的な加害者と“傍観者達”の間接的な加害によって、被害者が傷つくこと を言うです。「私はいつも、ただ見ていただけだから」というのは立派な加害者であるわけです。



おかげで忠告してくれた方の予想通り、後になんともヒドイ目に合うことになるのですが、私は、私をこういう人間に育てあげてくれた親には大変感謝しているのです。

口答えまではしなくても「I don’t think so. That’s not true」を言う私でしたが、相変わらずANチャンは私を味方につけることに必死でした。私を褒め称え、おだてあげる毎日。

ところが、ある時私が職場で「セクシャルハラスメント」を受けたことで、事態は急激に一転するのです。

明日へ続きます。





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最終更新日  2004/03/22 10:43:59 PM


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