美作的日々

記事整理中です。
テーマやその他色々調整して、過去記事をアップしなおしています。
多少、加筆修正やらしてますが、時間経過が最初にアップした
そのままにしていまして・・・・
紛らわしくてすみません、サイトはそのままですので～



昨日は、友達と近くのミニシアターに、
レディースデイ￥１０００ で、

「ゆれる」

を見に行くことにしていました。

２０分前につくのが、やっとだったけど、
劇場の前は、 既に長蛇の列っっっ
そして、並んで１分もしないうちに、
「満席です～～～」

･･･うっそ

そのまま帰りたくもないので、もう片方の劇場で３０分後に始まる
「マリー･アントワネット」
に急遽変更。



「マリー・アントワネット」
2006年　アメリカ

有名な悲劇の王妃マリー・アントワネットの物語を、
1人の女性の成長期としてとらえた宮廷絵巻。

でも、壮大な歴史絵巻、
という感じではなく、特に冒頭は
ＵＫパンクの代表、セックス・ピストルズのアルバムロゴを
まねていて、とにかくロックめちゃ、クールですっ



ワタシが最初に目にしたマリー・アントワネットって、
マンガ「ベルサイユのバラ」 で読んだマリー。
それは、決して印象がいいものではなかったと思います。

でも、この映画では、いい意味で裏切られた。

14歳のオーストリア皇女（ キルステン・ダンスト ）は、
母マリア・テレジア（ マリアンヌ・フェイスフル ）の命令で
フランス王太子（ ジェイソン・シュワルツマン ）に嫁ぐことになる。
期待を胸に馬車に乗り込んだ彼女だったが、
国境では衣装から下着までをフランス製のものに変えさせられ、
愛犬まで取り上げられてしまう。

たった、 １４歳 ですよ
今とは精神年齢も寿命も全然違ったでしょうが、
いくら政略結婚とはいえ、
自分のどうにもならない運命に、泣き叫ぶことも
ヒステリックになることもなく、
静かに状況を受け入れるマリーに、
なんだかもう心打たれちゃって



やがて国王となる王太子に嫁いだわけだけど、
宮殿のなかは、やっかみやら噂話やら
冷たい視線がいっぱい。

きらびやかでも、冷ややかな結婚式。
たくさんの人に囲まれて迎える結婚初夜。
子供が出来ないことに対する、内外のプレッシャー。

そりゃ、現代の女性でも
ものすごいストレスになること間違いなし、の陰湿な世界。
マリーじゃなくても、ストレス解消の為に、
ゼイタクな暮らしに溺れていきそうです･･････。



原作は、 アントニア・フレイザーの同名小説。
幼くして故郷を離れ、異郷フランスの王室で
必死に生きた一人の女性・マリーの、
激動の人生を、今まで知らなかったような面も含めて
丁寧に物語っています。

最初の女の子を出産した後に、
夫ルイから 別荘「プチ・トリアノン」 を
プレゼントされ、そこでは宮殿とは全く違った、
ナチュラルで自然に囲まれた、心豊かな生活をします。
それは全く知らなかったマリーの一面で、
とても驚きました。

パリの老舗菓子屋「ラデュレ」 の　　
マカロン・ケーキ　　

この作品は、歴史に重点をおいてるのではなく、
一人の女性マリーアントワネットの青春映画である、と
パンフにも書いてました。
彼女の葛藤、悩み、いろんな面が表現されてるけど、
なんたって、見て楽しいのは、
カラフルでキッチュで美しい、
衣装にお菓子に靴靴靴
モノは、 トレンド最先端「マノロ・ブラニク」

実際の ヴェルサイユ宮殿 で撮影され、
もちろん、建物の中身は、豪華な調度品や衣装で溢れています。
それを見るだけでも、ものすごく楽しい。


バロック音楽 が流れたと思えば、
ニュー・オーダー、ザ・キュア、バウ・ワウ・ワウに
ギャング・オブ・フォー･･･ ちょっとダークなＵＫロックとの対比が面白くて、
本当にカッコイイ。

オープニングだけで、わくわくしてしまいました。


史実に基づけば、
それらのファッションや食べ物は、明らかに違うけど
そんなの、全然問題なしっ

マリーもルイもそれぞれ３７歳、３８歳という若さで
結局処刑されてしまいます。
それは、はっきりとは描かれていないけど、

馬車に揺られながら外を見るマリーが
フランスに輿入れした時から、
何度も何度も象徴的に描かれ、
最後、民衆に裁かれるためにパリに向かう馬車でも
やはり窓から静かに外を眺めるマリー。


あまり夫婦仲が良くなかったのか、とも思っていたけど、
夫ルイと共に最後まで運命を共にしたマリー。
子供を二人も亡くし、
最後まで故郷の土を踏むことも無く、
処刑された彼女の一生は、

不幸だったのか、幸せだったのか･････


キルスティン・ダンスト って、
決して美人じゃないと思うんだけど、
ドイツ系の血を引く彼女は、
オーストリアからの花嫁、という点ではドンピシャ。

最初は１４歳に見えちゃうんだから、すごい。

監督： ソフィア・コッポラ の従姉妹、
ジェイソン・シュワルツマン も、
気弱で小柄で頼りない若き国王にピッタリ。



歴史として深く掘り下げるのではなく、
でもテイストを保ちつつ、
ティーンエイジャーで国王と王妃となった
若い二人の、ポップでキュートで、ちょっと悲しい
青春映画でした。