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70代男性、左上3、老人性の虫歯、咬合性外傷歳を取ると全てが億劫になり、何も喋らなくなり引きこもりがちになる人が多い。特に寝たきりになるとそうなる。喋らないと口腔内外の酸素濃度差ができる。酸素が足りないところがマイナス電位になり、そこに水素イオンが伝導しカルシウムから電子を奪い歯が溶ける。それが酸素濃度差腐食(虫歯)というわけだ。口腔内外では外側が酸素濃度が高く、内部の酸素濃度は低い。だから同じ歯でも内側から虫歯になる。外側は歯質があるように見えるが、内部は溶けてなくなっている。定期的にPMTCに来られているのだが、歯科衛生士も酷くなるまで気が付かなかった。通常治療では手が付けられないので、放置になる。内部には食渣が溜まり、ますます酸素濃度が低い状態になっている。食渣を取り除いたところ軟化象牙質を取り除いていく過程で、出血させてしまう。歯肉縁下まで虫歯になっており、直視が困難だからだ。ストリップスなど使えない。歯肉の内面をストリップスがわりに使うと言ったところか。隣の歯も早晩同じ運命を辿る。
2024/10/13
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パルプテスター:歯髄診断器というものがあって、歯髄(神経)が生きているか死んでいるかを調べる機械で、電気刺激を歯に与えて電気刺激を感じるかどうかを見るものだ。歯髄が生きているとビリッとする。これは歯にも電気が流れるということを利用しているのだが、歯科医師は歯の主成分のハイドロキシアパタイトの電気的抵抗値は非常に高く、電気は通らないと歯学部で習っているので、この矛盾をスルーしている。また例えばアルミ箔をかじったり、金属のスプーンでカレーを食べたりすると誰でもイヤな味を感じることがある。歯科医師はこれを口腔内の異種金属間に流れるガルバニック電流だということを知ってはいるが、口腔内に金属が入っていない人でも同じ様にイヤな味がするということを完全にスルーしている。日本人の口の中に金属が入っていない人が少ないので、異論が出ないのかもしれないが大きな矛盾だ。だから金属はダメだ、電気刺激が身体に悪影響を与えるので金属を除去しよう!という歯医者?の営業に利用されているくらいだ。いや、金属がなくても歯と歯の間にも流れるのだよ。実は歯にも電気が流れるので、歯と多種金属との間で、歯と歯の間でも自然電位(イオン化傾向)を簡単に測定することができる。小学生でもできる実験だ。https://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/10000/歯に流れる電気は電子ではなく水素イオン:プロトン:H+なのだが、これも世界中の歯科医師は完全スルーを決め込んでいる。しかし、山口大学の藤森先生等の研究論文が出ている。https://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/16002/ガルバニック電流が歯と歯や金属間にも流れるとしたら必然的に虫歯は電気化学的な腐食現象だという結論になる。ガルバニック腐食(異種金属接触腐食)という言葉さえある。近々藤森先生の「虫歯の電気化学説」に関する記事が業界紙の「アポロニア21 10月号」に掲載されるそうだ。
2024/08/25
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50代女性、左下6、インレーダツリ今日はごく普通のCR充填の症例。スーパーテクニックとかではなく、一般的な症例もたまには良いだろう。というか初めてのアップかもしれない。インレーが外れるかなり以前からセメントは崩壊していて、内部には硫酸塩還元細菌の代謝産物の黒色物質、硫化鉄FeSが付着している。FeSで覆われている歯は虫歯になり難い。と言うか、ほとんどのセメント合着系の修復物は早期に脱離、もしくは脱離しかかっているのだが、FeSによって守られていると言っても良い。その理由はFeSは電気的絶縁物質だからだが、多くの歯科医師はこの事実に気がついていない。もう1つ、歯科医師は経験的には知っているのだが、セメントが崩壊しても最初から接着していなくても虫歯になり難いセメントがある。しかしその理由は知られていない。それは亜鉛が含まれているセメントでカルボキシレートセメントとリン酸亜鉛セメントだ。亜鉛は歯質よりイオン化傾向が大きいので歯質より先に溶けて歯質を守る。これをカソード防食という。これらは金属の防食技術のイロハだが、歯も金属と同様に扱える。歯の荷電粒子は電子ではなく水素イオンだが。虫歯の電気化学説を理解すれば全て説明可能だ。では時系列でどうぞ
2024/06/29
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30代女性、左上4、歯茎部カリエスこの部分が虫歯になりやすいのはこの部分に食渣が溜まりやすく、細菌(プラーク)由来の高酸性環境と低酸素濃度環境になりやすいからだが、今のところ虫歯が電気化学的腐食であるというのはまだ知られていない。虫歯は歯が酸で溶けたものと思われているが、そんな単純なものではない。なぜ象牙質だけが虫歯になりエナメル質は全く溶けないのはなぜか?なぜ歯肉縁下の象牙質は虫歯にならないのか?現代歯科医学ではこれに答えることはできずに完全スルーされている。「虫歯の電気化学説」では酸性環境というのは必要だが、それに加えて酸つまり水素イオン(H+、プロトン)を歯牙の内から外に押し出す起電力が必要だ。なぜなら虫歯とは電気化学的に歯牙の主成分のハイドロキシアパタイト(HA)が崩壊する電気的腐食の一種だからだ。つまりH+がHAの構成要素のカルシウム(Ca)から電子を奪いカルシウムイオン(Ca2+)になり2H+がH2になる過程でHAの結晶構造が壊れるということだ。HA内外に起電力があれば、HAの中にH+が伝導するという事実がある。八島、藤森論文に詳しい。プラークに覆われているその下は酸性環境になりやすいだけではなく、酸素濃度が低下しやすく「酸素濃度差腐食」が起こりやすい。酸素濃度の高低差のある部分間に起電力が発生するということはよく知られている。もう一つに起電力として異種金属が酸性電解液中に接触しているというのがある。異種金属腐食とかガルバニック腐食と呼ばれるものでイオン化傾向の異なる2つの物質があると起電力が発生するというものだ。この虫歯の場合、エナメル質〜象牙質間に起電力が発生する。イオン化傾向がエナメル質に比べて象牙質の方が大きい。イオン化傾向は異なる金属間だけの話ではない。歯牙間でも歯牙と金属間にでも生じる。この症例ではエナメル質は溶けずに象牙質(歯根)だけが溶けている。単に酸に溶けるというのならエナメル質も溶けるはずだがそうではない。象牙質が腐食電極になりエナメル質がその対電極になるということで理解できる。また歯肉縁より下の歯質は溶けない(虫歯にならない)。この理由はH+がHAを通り抜ける時にCaから電子を奪う前に歯肉の中に取り込まれるからだ。電気抵抗という考え方から言うと、H+にとってはHAより歯肉の方が電気的抵抗は低いからと説明できる。これらの現象は現代歯科医学では全く説明ができない。虫歯の成因は実は全く知られていないにもかかわらず、予防だ、治療だと言っているという驚くべき状況なのだ。流行りの言葉で言うと、歯科治療にはエビデンスが全くないと言うことになる。実に恥ずべき事態が100年以上も続いている。では時系列で見てほしい。エナメル質は溶けていない。溶けているのは象牙質だけだ。虫歯を削り取ったところ。CRで充填した。
2024/06/27
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40代女性、左下5、遠心隣接面、頬側面カリエスクラック(ヒビ)から虫歯になったり、歯茎部カリエスが起こる原因は咬合性外傷にある。歯ぎしり、食いしばり、硬いものが好きなど、本人は全く意識していないが、歯を壊してしまう主な原因だ。それだけではない歯周病や顎関節症も悪化させてしまう。この方も僕が昔した治療が外れたとか人の所為にしているが初めての治療だ。クラックは遠心(奥の方)だけではなく近心にもあるが遠心に虫歯ができやすい。これは同じ歯でも遠心の方が酸素濃度が低くなりやすいので「酸素濃度差腐食」が起こるからだ。歯も金属と同じように電気的に腐食する。これを僕は「虫歯の電気化学説」と名付けた。近い将来定説となるだろう。ここでアップしているCRによる歯牙再建はどこの歯科医院でも受けることができるわけではない。スーパーテクニックが必要だからだ。内部の象牙質の40%が失われているのでCR充填はもちろんインレーも難しい、標準治療では神経を取って被せとなる。「虫歯は自然治癒しないので早期発見早期治療が必要」と言われているが、実はそうではない。ここの治療のようにスーパーテクニックを持ち合わせていれば、かなり大きな虫歯になっても修復は可能だし、治療を急がずとも虫歯は治ることもあるし進行が止まることもあるからだ。「虫歯は自然治癒しないので早期発見早期治療が必要」と言われているのは、スーパーテクニックを持ち合わせている歯医者がいないのと、重曹を使う予防管理で様子を見れる高楊枝歯医者もいないからだ。まぁ、小さな黒点でも削ればランチ代くらいにはなるということだ。ここでアップしている記事は患者向けではなく同業者向けだ。従来の歯科医学・歯科治療はこんなに間違っているし、患者のためにこんなこともできる、あんなこともできるとご紹介している。通常はできないとされている治療法ができていることを目の当たりにすれば、あいつにできるんだから、俺にもできるはずと思えるだろう。今現在世界経済は崩壊に向かって進んでいるのは肌で感じている方も多いと思うが、そうなれば高価で複雑な最新テクノロジーの機械器具を必要とする歯科治療はトレンドとはならないだろう。そういう意味でも3MIX+α-TCP+CRボンディング修復は最強の歯科治療システムとなる。スーパーテクニックは必要だが経費は最小限しかかからないからだ。・・エネメル質は最大限保存している。クラックがあってもCRで裏打ちをすれば良い。3MIX+α-TCPで痛くならないし、象牙質は再生・再硬化する。ストリップスも必要ない。CR積層法で隣接面は作れる。こういう治療ができる歯科医師が増えることを願っている。では、時系列でどうぞ虫歯(軟化象牙質)をスプーンエキスかベータで除去している。
2024/06/02
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前回歯冠が形成される過程のイメージを言葉で書いたのだが、このイメージを掴むことは虫歯をはじめとする歯のトラブルの原因と対策を考える上で重要なことだ。この知見がないと的外れで、予後不良な治療行為とは言えないことをやってしまうことになる。https://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202403140000/象牙質を作る象牙芽細胞とエナメル質を作るエナメル芽細胞がお互いに向き合って配置された半球状のシートがあると想像してみてください。それらが一斉に象牙芽細胞は内側向きに象牙質を作り始め、エナメル芽細胞はエナメル小柱と呼ばれる細長いハイドロキシアパタイトの結晶構造を作りながら外側に向かって移動していく。ここで取り上げる下顎の6番の場合、その半球状の塊が5つあって、押し合いへし合いしながらエナメル質と象牙質を作りながら大きくなっていく。その内2つの塊が作ったエナメル質の境目が溝で、3つの塊が作ったエナメル質が合わさったところは深い窩になる。分かりにくいだろうと思って絵を描いてみた。もう手が壊れて絵が描けなくなって30年以上経つので、見にくいかと思うが、こんな感じだ。右の一番上の半球状の内側に象牙芽細胞がシート状に並び、外側にエナメル芽細胞が接して並ぶ。これが一斉にエナメル質と象牙質を作りながら歯冠の厚みを増していく。左の3つの流れはそのシートの一部を拡大した図だ。エナメル質はハイドロキシアパタイトそのものの結晶で六角形のエナメル小柱と呼ばれる構造体が密な集合体を成している。象牙質はこれも六角柱の構造体の集合体だが、その真ん中に象牙芽細胞の突起が残るような構造があり直径1〜2μm程度の細い管が歯髄内部まで続いている。これは象牙細管と呼ばれているが、検索すると画像はたくさん見るとこができる。http://www.yamazakidc.net/17/guide.html実際の歯の発生では半球状のユニットがいくつか合わさって歯冠が形成される。下顎の大臼歯の歯冠は5個の半球から成り立っている。これらの半球の境目が溝や窩になるということだ。粘土で作ってみた。多分他では見られない画像だと思う。上顎の大臼歯は4つだ
2024/03/15
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17歳女性、咬合性外傷前回のつづきhttps://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202403120001/今日でこのシリーズは終わりになると思う。若い子の場合、虫歯になりやすい部分は大臼歯の場合、3つある。1、咬合面の窩(か)とか溝(こう)と呼ばれる部分2、隣接面と呼ばれる隣の歯との間3、咬頭(こうとう)と呼ばれる尖った部分1、2に関しては歯の発生の概要から見た方が分かりやすいかもしれない。なぜ歯の形が種によって決まっているのか、どうしてそのような形になるのかはよく分かっていないと思う。前歯と奥歯ではかなり違う。ただどのように象牙質とエナメル質ができていくかということは観察できる。象牙質を作る象牙芽細胞とエナメル質を作るエナメル芽細胞がお互いに向き合って配置された半球状のシートがあると想像してみてください。それらが一斉に象牙芽細胞は内向きに象牙質を作り始め、エナメル芽細胞はエナメル小柱と呼ばれる細長いハイドロキシアパタイトの結晶構造を作りながら外側に向かって移動していく。ここで取り上げる下顎の6番の場合、その半球状の塊が5つあって、押し合いへし合いしながらエナメル質と象牙質を作りながら大きくなっていく。その内2つの塊が作ったエナメル質の境目が溝で、3つの塊が作ったエナメル質が合わさったところは深い窩になる。これら歯の発生過程でできた溝や窩が虫歯になりやすいのだが、その原因は溝や窩の内外で生じる酸素濃度差腐食がメインだということはこのシリーズを遡ってご覧になれば分かると思う。3、の場合はこれも歯の発生上の問題で、尖ったところはエネメル芽細胞がエナメル質を作りながら外に膨張していくので、疎(まばら)になっていく。エナメル質の結晶も疎になりやすい。さらにこの部分は対合歯と強く噛み合うところなので、度重なる外傷力により疲労が蓄積しやすい。金属の腐食で言えば金属疲労と呼ばれるもので、細かいクラックが構造上弱いところにできて崩れていき、応力に耐えられなくなった時、一挙に破断する。2、は隣接面のコンタクトポイントに腐食電流が通りやすいことからできると思って良い。電気化学的な問題だ。もちろん隣接面は咬合力によって微小クラックが入りやすいとか、磨きにくいとかという増悪要因はある。https://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202312180001/では具体的な虫歯になる部分の解説をしよう。溝や窩の大部分は前医によりCR充填されているので今回は特に触っていない。今回は対合歯と強く当たる咬頭部分と頬側面の溝に虫歯ができているのでこれらの部分を修復した。咬頭部分の虫歯が解説したので、頬側面溝の虫歯だが、萌え(はえ)てきた時にはすでに虫歯になっていることも多い部分だ。この部分のエナメル質は薄く、さらに外向きに豊隆しているので疎になりやすいので、酸素濃度差腐食により簡単にエナメル質が腐食し、象牙質が露出するので異種金属接触腐食に進みやすいと言える。頬の粘膜に隠れるので酸素濃度差も他の部分より大きいので虫歯の進行は速い。隣接面の虫歯はまだ確認していない。このような虫歯の成因に関する考察は電気化学的な知見がないと全くできない。「虫歯の電気化学説」が定説になってほしいものだ。頬側面の虫歯の方が大きかった。軟化象牙質(虫歯)は完全に除去しないでもα-TCP(ハイドロキシアパタイト)によって再結晶するので、CRの接着力を維持するために辺縁の新鮮歯質を確保することに注力すれば良い。
2024/03/14
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17歳女性、右上6、歯髄ポリープ、歯肉ポリープ前回のつづきhttps://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202403110000/このブログでは露髄した歯髄をしかも露髄して何ヶ月も何年も経過しているケースでも平気で3MIX+α-TCPで直接覆髄しているのだが、一般の歯科医師には信じられないことだと思う。現代歯科医学では有り得ない話なのだ。通常感染歯髄を保存することはできず、直覆を試みても後で痛くなって失敗すると習うからだ。しかし現実は違う、歯髄は非常に感染に強い組織でポリープを除去しないで直覆しても何ともない。その場で沁みる痛い等の不快症状が瞬時に消える。ポリープとは感染などの外部刺激に抵抗するための組織で歯髄ポリープを顕微鏡で見ると細菌や免疫細胞が繊維組織の中に散在している。感染していないわけがないのだが。向かって左の赤みが強いポリープが歯髄ポリープで右が歯肉ポリープだ。はみ出たポリープを除去しただけで埋め戻している症例はここだけでしか見れません。では時系列でどうぞ局所麻酔下で電気メスでポリープを除去した。2カ所の点状露髄が見える軟化象牙質(虫歯)を除去する過程でじわじわと出血するボスミン液で止血3MIX+α-TCPで直覆CR+ボンディングシステムで歯冠を再建していく。ストリップスを使わない場合の1次CRだ。この画像が重要!隣接面分離(詳細はfreepageにアップしている)デンタルフロスが入ることを確認
2024/03/12
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17歳女性、右上6、歯冠崩壊前回のつづきhttps://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202403090001/前回はこの歯冠崩壊とも言えるひどい虫歯の経緯の話をしたのだが、最初のきっかけは咬合性外傷によると思われる。今日はその話をする予定だ。右側の上下の6番が虫歯になっているが、左側はなっていない。主に右側で噛んでいることを示唆している。右上6は歯冠崩壊まで進行しているが、下顎6は咬頭に穴が開いており、そこから内部の象牙質に虫歯が進行している。咬頭はエナメル質の発生段階で最後に閉じるところなので、結晶構造が乱れるもしくはエナメル小柱が接着せず管状に疎になっていることもあり虫歯になりやすいこともある。このケースの場合硬いものを右側で食べたり、噛み締めたりした結果クラック(ヒビ)が入りそこから酸素濃度差腐食が始まり、象牙質に達すると象牙質とエナメル質のイオン化傾向の差による異種金属接触腐食が始まり一挙に虫歯が進行する。この段階で始めて糖質は虫歯の進行要因となる。口腔内細菌の解糖系の代謝産物として各種有機酸が出るからだが、ショ糖(砂糖)が最も虫歯になりやすく、その他の糖はショ糖の1/2〜1/4のう蝕原性(虫歯の原因となる性質)がある。決して純粋なハチミツが虫歯の原因にならないわけではない。以下鏡像噛み合わせの画像を見ると右側の歯冠は近心半(手前側)が崩壊しているので、5番が後ろに移動しているように見える。元々上下のどこが当たりやすかったのかはよく分からないが、左側を見ると強く当たって崩壊のきっかけになると思われるクラックも見える。多分右側も同じだったと思われ、左側も同じようになる可能性は高い。つづく
2024/03/11
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前回のつづきhttps://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202403070001/17歳女性、右上6、歯冠崩壊歯冠崩壊の最初のきっかけは咬合性外傷だと思われるが、次の段階はクラックに沿った内部のエナメル質の崩壊、これは酸素濃度差腐食が主因だ。それが象牙質に達するとそれに加えて象牙質とエナメル質のイオン化傾向の違いによる異種金属接触腐食が加わり、主に象牙質が崩壊する。薄いエナメル質だけが残るが、これは機械的に壊れていく。この段階がこの画像だ。こうした解説は従来の歯科医学では説明は困難だ。象牙質はエナメル質より柔らかいから先に溶けるとしているが、そもそも柔らかいと溶けるというのは別の話だということに気が付かねばならない。信じられないことだが、世界中の歯科医師はこれに気が付いていない。つづく
2024/03/09
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前回のつづきhttps://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202403070001/17歳女性、右上6、歯冠崩壊歯冠崩壊の最初のきっかけは咬合性外傷だと思われるが、次の段階はクラックに沿った内部のエナメル質の崩壊、これは酸素濃度差腐食が主因だ。それが象牙質に達するとそれに加えて象牙質とエナメル質のイオン化傾向の違いによる異種金属接触腐食が加わり、主に象牙質が崩壊する。薄いエナメル質だけが残るが、これは機械的に壊れていく。こうした段階がこの画像だ。こうした解説は従来の歯科医学では説明は困難だ。象牙質はエナメル質より柔らかいから先に溶けるとしているが、そもそも柔らかいと溶けるというのは別の話ということに気が付かねばならない。つづく
2024/03/09
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前回のつづきhttps://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202403070000/ 17歳女性、右上6、歯冠崩壊右上6はひどい虫歯になっていて歯冠が崩壊、露髄して歯髄ポリープができている。その対合歯(噛み合わせの歯)の咬頭にも虫歯があり象牙質内部に広がっている。上下の噛み合わせの歯に虫歯ができている場合は「咬合性外傷」があることを伺わせる。咬合性外傷とは歯ぎしり、食いしばり、嚙み鳴らし、スポーツなどをするときの噛み締めと言った無意識の悪習癖や硬いものが好きなどの食習慣のことだ。虫歯の最初の原因は虫歯菌の過多や糖質の過剰摂取ではない。「咬合性外傷」がきっかけとなる。虫歯菌の過多や糖質の摂取過多は虫歯を助長する要因に過ぎない。ハチミツ(糖質?)健康法(療法?)をやっている方で食いしばりがひどい方は異常な速度で虫歯が進行するのを経験したことがある。https://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202208220000/https://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202208200000/ハチミツはミュータンス菌のエサにはならないというだけで、その他の細菌のエサとなり酸を出す。復習しておくが、「虫歯の電気化学説」では虫歯の成因は非常にシンプルで以下の2つの条件しかない。しかしこの2つの条件を同時に満たしていなければならない。1、酸性環境中(H+:水素イオン:プロトン)に歯牙が存在していること2、歯牙の内外に何らかの電位差が存在していることハチミツや砂糖は1で、咬合性外傷は2のことだ。鏡像つづく
2024/03/07
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前回までに説明したように、虫歯の発症には歯の主成分(HA)が酸性水溶液(H+)中に存在することが必要だった。https://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202403060000/それは、HA(Hydoroxyapatite)はH+の伝導物質で水素イオン伝導性セラミックスと呼ばれる通り、HAにとってH+は内部を流れる電流そのものだからだ。そのH+がHA内部から外部の水溶液中に放出されるときにH+よりイオン化傾向の大きなHA結晶中のCaから電子を奪いH2ガスとなり、CaはCa2+となり水溶液中に溶出する。こうしてHAの結晶は崩壊していく。これが虫歯の実像だ。しかしH+の存在だけではHA中をH+は動かない(流れない)。プラスの荷電粒子であるH+を動かすにはHAの内外を問わず何らかの起電力が必須だ。それを電池と言っても良い。この電池を形成するのにH+の存在は大変都合が良い。なぜそうなのかという話はここではしないが、例えば自動車バッテリーの液は硫酸をいう酸でH+を高濃度に含んでいることからも分かると思う。だから虫歯の発症にはH+の存在が必須で、さらにH+を動かすための起電力(電池)の形成にもH+は必須だと言っても良い。この時のH+の濃度は高い方が化学活性も高い。要するにpHが低い方が虫歯にもなりやすいことは経験上も容易に分かると思う。ここでやっと糖質と虫歯の関係の話に入れる。糖質は多くの細菌を始め人間に至るまでのエネルギー源になっており、解糖系という生化学反応系で代謝されその過程で各種の有機酸を生成させることが分かっている。ここまでは誰でも知っていると思うが、口腔内の細菌もまた糖質を摂取して酸を出す。しかし酸だけでは虫歯にはならないということだ。糖質を多量に摂取しても、歯磨きもしないのに虫歯にならない人はいる。逆に歯磨きを頑張ってデンタルフロスもかけているのに虫歯になる人もいる。酸だけでは虫歯にはならず、さらに起電力が必要だからだ。この起電力の発生メカニズムはイオン化傾向の違いによるものの他に酸素濃度差というものがある。酸素濃度差(通気差)電池としてよく知られている。臨床的には過大な咬合力(咬合性外傷)により歯牙にクラック(ヒビ)が入りその酸素の少ないクラック内部と相対的に酸素の多い外部との間に酸素濃度差による起電力が発生する(クラック内外に電池が形成される)。そしてクラック内部が虫歯になるというのをよく見かける。この子の右上6のケースはそうだと思われる。ただ酸を取り除くことは極めて容易で、酸をアルカリで中和すれば良い。具体的には重曹で中和すれば良い。元々血液・唾液中に含まれているこの重曹成分(重炭酸イオン)による緩衝能はすでに生体内で炭酸緩衝系として体液のpH維持に使われている必須かつ全く無害なものだ。この機能を強化したものが「重曹うがい」であり「重曹はみがき」だと言える。従来の様々な虫歯対策と称するものとは違い、本質的かつ根本的な対策であり、その効果は桁違いだ。つづく
2024/03/07
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17歳女性、上顎2〜2、隣接面カリエス前回のつづきhttps://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202403050000/「虫歯の電気化学説」では虫歯の成因は非常にシンプルで以下の2つの条件しかない。しかしこの2つの条件を同時に満たしていなければならない。1、酸性環境中(H+:水素イオン:プロトン)に歯牙が存在していること2、歯牙の内外に何らかの電位差が存在していること虫歯ができるにはH+(水素イオン:プロトン)がHA(Hydoroxyapatite:歯牙)中を通り抜けHAの外部に通り抜けるときにHA中のCa(カルシウム)を溶出させることによるのだが、H+を動かすにはなんらかの力が必要だ。それを起電力というのだが、前回はその力の源泉としてイオン化傾向(自然電位)の話をした。今日はもう一つの起電力として酸素濃度差の話をしたい。酸素濃度差があると起電力が発生する。実は酸素だけではなく溶液中の物質の濃度差があると起電力を発生するらしいのだが、現実問題として酸素濃度差は色々なところで発生するので虫歯の原因としては重要だ。この図は通気差電池と書かれているが、酸素濃度差電池とか酸素濃度差起電力と同じものだ。電解質中(酸性溶液中)に酸素が通らないセパレーターを介して鉄(同じ金属)の電極が浸されており、左は酸素が吹き込まれ、右は窒素が吹き込まれ酸素が少なくなっている。酸素の少ない右に向かって左から電流が流れこむ。HAの場合の電流はH+だと思って良い。前回と同じくH+が流れ込んだ方の電極が溶ける。つまり酸素濃度が低いところが腐食する(虫歯になる)。酸素濃度が低いところというのは口腔内にいくらでも存在する。口の中でも前歯より奥歯が低い。同じ歯でも前(近心)より後ろ(遠心)の方が低い。他にもプラーク(歯垢)の外よりも内側、クラックの内部、虫歯の穴の中、各種充填・補綴物と歯質との隙間、食渣が挟まった隣接面、口唇や舌、頬粘膜に覆われた歯面、歯と歯の隣接面部分と考えればいくらでもある。そのような場所が虫歯になりやすいのは歯科医師ならよく経験するはずだ。ただ歯周ポケットの内部、歯肉縁下は虫歯になりにくい。それはH+がHAから通り抜けるときにCaから電子を奪ってH2(水素ガス)にならずに歯肉に直接吸い込まれるからだ。次回は糖質と虫歯の関係で最終回となると思うが、もうお分かりになったと思う。つづく
2024/03/06
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17歳女性、上顎2〜2、隣接面カリエス前回のつづきhttps://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202403040002/「虫歯の電気化学説」では虫歯の成因は非常にシンプルで以下の2つの条件しかない。しかしこの2つの条件を同時に満たしていなければならない。1、酸性環境中(H+:水素イオン:プロトン)に歯牙が存在していること2、歯牙の内外に何らかの電位差が存在していること前回までは歯牙の主成分のHA(Hydroxyapatite)中をH+(水素イオン:プロトン)が流れ、H+がHAから外に出るときにHAからCaが奪われHAの結晶は崩壊する。つまり虫歯になるという話をした。H+がHA中を移動するとしてもH+を動かすなんらかの力が必要で、それを起電力とよんでいる。今日はその起電力の話をしよう。以下の図を見てほしい。下のリンク先の亜鉛メッキ工場のサイトから拝借したのだが、どこから見ても虫歯に見える。それもそのはず、金属のサビと虫歯は同じカテゴリーに属する電気化学的な腐食だからだ。http://www.yoshizaki-mekki.co.jp/eigyou/aen/zn.htmlこの図は異種金属接触腐食とかガルバニック腐食と呼ばれるものだが、イオン化傾向が異なる金属が酸性電解質中で接触していると、イオン化傾向が大きい方が溶けるというものだ。イオン化傾向は簡単に計測することができ実際に測ってみたことがある。https://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/10000/以下、象牙質を基準としたイオン化傾向の一覧表(世界初!)を載せておきます。亜鉛:-0.35V象牙質:0Vエナメル質:+0.002Vアルミニウム:+0.015V鉄:+0.05V鉛:+0.18V高銅型アマルガム:+0.25V歯科用71%銀合金:+0.5V歯科12%金銀パラジウム合金:+0.68V歯科用70%金合金、銅:+0.7V上に行くほどイオン化傾向が高い、腐食しやすい、溶けやすい、虫歯になりやすい。下に行くほどイオン化傾向が低い、腐食し難い、安定。象牙質(歯牙の内部)とエナメル質(歯牙の外側)を比べると僅かながら象牙質の方がイオン化傾向が大きい(溶けやすい)。つまり虫歯になりやすいことがわかる。この場合、酸性溶液中に歯牙があるとエナメル質側からH+が象牙質方向に流れそこから外に飛び出すときに象牙質だけが溶ける。H+はプラス荷電粒子だから図の下(エナメル質)から上(象牙質)の方に流れる。一般的な金属ではH+ではなくマイナス荷電粒子のe-(電子)が流れるので、方向は逆だが、結果的には同じようにマイナス側が溶ける。実際の画像で見てみよう。歯牙内部の象牙質だけが溶けて外側のエナメル質は硬いが脆いので象牙質の裏打ちを失って欠けるように失われる。溶けて無くなるというわけではないのだ。今日はイオン化傾向の差による起電力の話をしたが、次回は別の起電力の発生メカニズムの話を予定している。つづく
2024/03/05
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17歳女性、上顎2〜2、隣接面カリエス前回のつづきhttps://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202403030001/「虫歯の電気化学説」では虫歯の成因は非常にシンプルで以下の2つの条件しかない。しかしこの2つの条件を同時に満たしていなければならない。1、酸性環境中(H+:水素イオン:プロトン)に歯牙が存在していること2、歯牙の内外に何らかの電位差が存在していることではこのHA(Hydoroxyapatite)が水素イオン:H+の伝導性を持つということはどういうことなのか?八島・藤森論文からその伝導性の図をアップしてみよう。H+がOHから隣のOHまでバケツリレーのようにCaの間を通り抜けていく。通り抜けていくと言ってもHAの内外に電位差がないとH+は流れていかない。H+はプラス電荷を持つのでマイナス側に引っ張られる。つまりHAの内外に起電力が発生しないとH+は動かない。そしてここからが重要なのだが、H+がHAの外部のマイナス電位に引っ張られてHAから飛び出す時にCaから電子を奪いH2となり、CaはCa2+となりHAから溶出し、HAの結晶構造は崩壊する。これが虫歯というわけだ。なんとなく分かってきたと思うが、HAつまり歯牙の周りにH+があって(酸性環境)歯牙の内部をH+が通り抜けるような起電力(電池と言ってもよい)があれば虫歯になる。今のところ虫歯菌も糖質も出てこない。それらは虫歯という疾患にとって本質的な問題ではないということだ。次回はその起電力とはどういうものかという話をしよう。・・なぜこのようなことが起こるのか現代歯科医学では説明ができない。単に酸で歯が溶けるのなら全体が角砂糖を水に溶かすように溶けるはずだ。つづく
2024/03/04
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前回のつづきhttps://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202403030000/「虫歯の電気化学説」では虫歯の成因は非常にシンプルで以下の2つの条件しかない。しかしこの2つの条件を同時に満たしていなければならない。1、酸性環境中(H+:水素イオン:プロトン)に歯牙が存在していること2、歯牙の内外に何らかの電位差が存在していることそこで、まず歯牙とは何か?ということだが、その主成分はハイドロキシアパタイト(HA)と呼ばれるカルシウム:Ca、リン酸:PO3、水酸基:OHからなる結晶構造を持つ物質で、骨もそうだが硬い無機質の物質で水素イオン:プロトン:H+の伝導性を持つ。工業分野では水素イオン伝導性セラミックスと呼ばれることもある物質だ。https://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/16002/このHAが水素イオン:H+の伝導性を持つということが1、2、の条件を満たす上で重要な要件で、だから歯は虫歯になるとも言える。こう考えれば逆に虫歯にならない条件は自ずから分かると思う。水素イオンが歯牙の周りになければ良いことになる。それが「重曹うがい」であり「重曹はみがき」で、水素イオンつまり酸を中和して水とCO2にしてくれる。こんな簡単で安価な虫歯予防法があるだろうか?ちょっと話が逸れてしまった。つづく
2024/03/03
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17歳女性前回のつづきだがhttps://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202403020000/甘いものを食べても、歯磨きしないでも虫歯にならない人はいる。この理由は現在の歯科医学ではよく分かっていない。そんな人もいるよね〜と世界中の歯科医師はスルーを決め込んでいる。ここでも糖質を過剰に摂取してもそれは虫歯の直接的な原因ではないと書いているが、それは誤解を招くかもしれないと思って、虫歯の成因として僕が提唱している「虫歯の電気化学説」に従って解説してみようと思う。「虫歯の電気化学説」では虫歯の成因は非常にシンプルで以下の2つの条件しかない。しかしこの2つの条件を同時に満たしていなければならない。1、酸性環境中(H+:水素イオン:プロトン)に歯牙が存在していること2、歯牙の内外に何らかの電位差が存在していることこの2つだけなのだが、次回はその理由を糖質の摂取と絡めてもう少し詳しく解説してみたい。つづく
2024/03/03
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2005年の金属腐食関連の外部記事に虫歯に似ているというのを見つけましたのでご紹介。僕も同じ頃同じように感じた。https://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/200607270000/似てはいるが違うと書かれているが、それが酸素がある場合と無い場合(通常の酸に溶ける)のことなのか、カソードとアノード(電子を吸い込むか放出する)のことなのかは書かれていない。いずれにしろ電気的な腐食が起こるにはなんらかの電位差(起電力)が必要なのだが、それを担う電流(荷電粒子)は金属の場合は e-(電子、エレクトロン)で、歯の場合は H+(水素イオン、プロトン)だと思われ、それぞれ逆方向に流れる。それが金属腐食と歯の腐食(虫歯)との違いになっていると思われる。------以下引用-----
2024/02/01
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70代男性、左下6、舌側歯根面カリエス個人差が大きいのだが、高齢になると気力体力も衰え、喋るのも億劫になる。喋らなくなると虫歯になりやすい。虫歯の成因には大きく2つあって、1、水素イオン:H+:プロトンの存在(酸性であること)2、その水素イオンを歯の内外に伝導させるなんらかの起電力この2つが同時にあれば、虫歯が起こる。必ずしも酸産生菌(虫歯菌)の存在は必要ではない。詳しくはフリーページをご覧ください。逆に、この2つのどちらか一方がなければ虫歯にはならない。虫歯の予防法も必然的に分かると思う。現実的には2、を無くすことは難しいが、1、を取り除くことは容易にできる。それが「重曹うがい」であり「重曹歯磨き」だ。・・この方の場合は舌の圧力がほっぺの圧力より大きいため、舌の歯面への密着度が高い。それによりほっぺ側より舌側の方が酸素濃度が低く、舌側がーにほっぺ側が+になるような起電力が発生する。歯を伝導する水素イオンはほっぺ側から舌側に通り抜け、歯の結晶成分のカルシウムから電子を奪い歯を破壊する。この現象は一般には金属の「酸素濃度差腐食」と呼ばれ広く知られている。歯の基本成分であるハイドロキシアパタイトは伝導する物質が電子ではなく水素イオンではあるが、金属と同様の考え方ができる。このサイトではこのことを「虫歯の電気化学説」として提唱している。どうしてこのことを言い出す歯科医師が僕だけなのかが不思議だ。この方は3ヶ月ごとのPMTCを受けているのだが、歯科衛生士:DHが気が付いた時には歯根の象牙質は広範囲な軟化象牙質(カルシウムが抜けた状態:虫歯)になっていた。僕は虫歯の治療をしてくださいとDHに依頼される立場にあるのだが、絶望的な戦いを強いられる。患者にはこれで最後の治療になりますと言い添えることを忘れるわけにはいかない。では時系列でどうぞ
2023/12/24
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ハイドロキシアパタイト(歯)の中を水素イオン:H+:プロトンが流れていくと言う、虫歯の電気化学説の基幹理論は東工大の八島先生と山口大の藤森先生等の研究グループによって明らかになった。それはハイドロキシアパタイト中の水酸基:OHによってH+がバケツリレーのようにハイドロキシアパタイト結晶中を運ばれていくというものだ。固体の中を荷電粒子が流れていくという研究は次世代蓄電池と言われる固体電池の研究そのものであり、現在最もホットな研究分野だ。歯科業界はこの画期的な論文を完全無視しているが、何か都合の悪いことでもあるのだろうか?今日はその論文を一挙に公開したい。題名は「ハイドロキシアパタイト中のプロトンの拡散経路と伝導メカニズム」
2023/12/20
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今日は同じ歯でも遠心つまり奥の方が虫歯になりやすい具体例のお話をしよう。ここの症例を見ても分かるがほとんどのケースでは虫歯は奥側にできる。手前にできることの方が例外的だと言っても良い。しかし現代歯科医学では全くその合理的説明はできない。世界中の全ての歯科医師はその理由について完全にスルーしている。ここで提唱している「虫歯の電気化学説」では容易に説明できる。電気(水素イオン)は歯の中を手前側から奥側へ流れ、出たところでカルシウムから電子を奪い歯を破壊する。それが虫歯なのだ。前回に戻ってよく読んで欲しい。https://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202312180001/・・30代女性、左下5、遠心隣接面カリエス、咬合性外傷、自発痛-見事に遠心:後ろ側だけに虫歯がある。よく見ると、近心(手前側)にも遠心(奥側)にも咬合性外傷によるクラックが見える。ラウンドバーで虫歯部分にアクセスするとズボッと穴にバーが入る内部の象牙質は広範囲に失われている3MIX+α-TCPセメント拡大すると象牙質に及ぶクラックが多数見える。CRで充填する
2023/12/19
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今日は(以前にも書き込んだことがあると思うが)同じ歯でも遠心:Distal:奥の方が虫歯になりやすい。その話をしよう。一般には、この現象の理由は分かっていない。奥の方が磨きにくいから?とかマヌケな説明をするのが精々だ。磨きにくいのはどこだって同じだろう。電気化学の前にはっきりしておかねばならないのは、歯つまりハイドロキシアパタイトは水素イオン:プロトン:H+の伝導性物質だと言うことだ。電子は通さない。H+はプラスイオンなので、マイナス電位の方に動く(つまり伝導する)。口腔内だけではないのだが、酸素濃度勾配があると(つまり酸素が薄いところと濃いところがあると)電位差が発生する。酸素濃度が低い方がマイナス電位になる。この現象は酸素濃淡電池と呼ばれることもある。一方口腔内では口の奥の方が手前側(つまり口に近い方)より酸素濃度は低い(つまり酸素は少ない)。奥の方:遠心:Dの方がマイナスになる。このことをイラストにしてみた。H+は歯の中を奥の方に向かって伝導する。細かい話はここではしないが、H+は歯と歯のコンタクトポイント(接触点)を通って、奥の方に抜ける。この時H+の流れはコンタクトポイントに集中する。この時コンタクトポイントで何が起こるのか?電気化学的な虫歯とは何かと言うと、歯(ハイドロキシアパタイト)をH+が通り抜けるときにハイドロキシアパタイト結晶中のCa(カルシウム)から電子を奪って水素ガスになりCaはCa2+(カルシウムイオン)になり歯から溶け出す。こうしてハイドロキシアパタイトの結晶構造が崩壊する。これが虫歯というわけだ。次回はその具体例だ。
2023/12/18
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9歳男子、左下6、近心隣接面/頬側面カリエス実は、虫歯の成因はよく分かっていない。歯医者もよく分からないが、放置していても一人でには治らないので、削って埋めようか。。と思うだけだ。しかし、ここで提唱している「虫歯の電気化学説」によればかなり正確にその成因を分析することができ、今後どうなるのか?という予測もできる。虫歯とは歯を構成しているハイドロキシアパタイト:HAの電気化学的腐食であり、その前提として以下のことが挙げられる。1、HAは電子の伝導性はないが、水素イオン(H+:プロトン)の伝導性がある。2、イオン化傾向を計ることができる。よって、HAは一般の金属の腐食と同じように扱うことができるが、荷電粒子が電子とプロトンの違いがあるので、半導体の電子とホールの違いのような取り扱いが必要になる。もう少し分かり易い端的な表現をするとすれば、1、プロトンが多い環境すなわち酸性環境であること。2、HAの内外に起電力の存在があること。虫歯の成因はこの2つに集約することができる。代表的な金属の電気化学的な腐食に、例えば1、異種金属接触腐食2、酸素濃度差腐食があるが、虫歯の成因もこのどちらか、もしくはこれらが複合していると考えても良い。この子の場合は、やはり上記の2つが複合していると考えられる。この子の家族はテニス一家でこの子もテニスをしている。一般にスポーツは歯を痛めることが多いが、テニスなどの一瞬のインパクトが必要な競技は非常に強い力で食いしばる所為か虫歯になりやすい。食いしばって、歯にクラック(ヒビ)が入りそこから酸素濃度差腐食が始まる。それが近心隣接面の虫歯だ。その部分の拡大画像を見てみると白い筋状のクラックが見えると思う。頬側の溝から始まっている虫歯は外傷性咬合とは必ずしも関係があるとは言えないが、増悪因子にはなり得る。一番大きな成因は象牙質とエナメル質間のイオン化傾向の差による異種金属接触腐食だ。では時系列で見ていこう。拡大画像クラック部分は削除している3MIX+α-TCPの貼付は頬側の象牙質の深部カリエスだけだ。近心は幸い象牙質には達していなかった。CRで修復
2023/11/27
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前回のつづきというか、今回も象牙質だけが虫歯になる症例だ。60代男性、左上7、咬合面カリエス、自発痛+この手の症例は若い子に多いのだが、必ずしもそうではない。発症点は窩(か)と呼ばれる窪みで、発生学的にはエナメル芽細胞の塊が押し合ってできる深い溝または袋状の窪みで、酸素濃度が低くなりやすく、酸素濃度差腐食が起こりやすい。ここで提唱している「虫歯の電気化学説的」には、この発生学的な(もしくは解剖学的な)窪みの酸素濃度勾配が発症の起点になる。痛みが出ていたが、我慢していたというので、通常なら神経を取るということになるのだが、レントゲンを撮って見てみた。ま、ふつうはそうなるよね。。でも、うちは神経は取らないけれどね。。3MIX+α-TCPなら大概大丈夫だけどね。。どうですかね?今回の処置に入る前に、参考までに2017と2018の画像があったので、アップしておきます。この時点でも内部が黒くなっていますので、嫌気性の硫酸塩還元細菌が生息できる環境(あな)はあったということが分かる。その後数年のブランクがあって痛くなって来院されたのだが、何が起こったのだろうか?電気化学説的に考察してみると、ある時点で嫌気的環境が好気的環境に変わったことが考えられる。それが何かは歯を見ただけでは分からなかったが、色々あったと伺った。火事でお母さんが亡くなったとか、妻も病気で亡くなったとか、今は新築の家に一人で住んでいるとか。ストレスで間欠的に歯を食いしばり、その時歯もたわむので、スポイトの様に虫歯の穴に酸素を送り込むような状態になり、好気性または通性嫌気性の酸産生菌が優勢になり、齲窩(虫歯の穴)の内部が酸性環境になり、一挙に虫歯が進んだと。2017/12/092018/03/03ここからが今回
2023/11/25
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12歳男子、左下6、咬合面カリエス象牙質だけが溶ける咬合面の虫歯は急速進行型が多いので、エナメル質のみを強化するフッ素塗布を原因とする虫歯と言われることがあるが、違うと思う。単なるエナメル質と象牙質のイオン化傾向の違いによる虫歯というのが最も説得力があると思う。エナメル質よりも象牙質の方が僅かながらイオン化傾向が大きい。また、ある程度虫歯が進行すると、虫歯内部の酸素濃度が低下するので、酸素濃度差腐食が進行する。2段階の電気化学的な腐食の機序が働く。スプーンエキスカベータがとても深いところまで入るのに驚かれると思う。この場合、虫歯を全部取ると露髄する。通常治療基準では軟化象牙質(虫歯)は全部除去しないと再発するとされているが、そんなことはない。十分な電気的な絶縁ができれば虫歯は進行しない。具体的には水素イオンの伝導を遮断できれが大丈夫だ。しかし、修復物がCR+ボンディングシステムに限られる。十分な接着性を得るために健全歯質はマージン付近だけはしっかり確保されなければならない。一方、インレー、クラウン+セメント合着では早期の辺縁漏洩があり、どうしても虫歯は再発する。これは製作過程がノンアンダーカットのシステムだからだが、これこそが修復物としての致命的な欠陥となる。この辺りのメカニズムは現代歯科医学ではまだ知られていない。ここだけの理論だ。α-TCPセメントで軟化象牙質(虫歯)は再硬化する。
2023/11/21
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40代女性、左上6、自発痛ーエナメル質が欠けたので、虫歯に気がついた。充填物の2次的な虫歯というのは良くある。というか、必ずある。最初に虫歯にならないとか、削る治療をしないというのが最も良いが、現実は厳しい。この程度の虫歯でも、一般的には再充填できるということはない。神経を取って冠を被せるしかない。なぜなら、少しでも虫歯を残したら再発すると現代歯科医学では信じられているからだが、本当はそうではない。完全な辺縁封鎖が維持できれば、虫歯があっても進行しない。なぜなら虫歯は歯質内外のイオン(水素イオン)の出入りによって起こるからだ。電気的な辺縁封鎖が可能なら虫歯は進行しない。通常のインレーやクラウンと言ったアンダーカットレスの修復物はセメントは早期に剥がれ、隙間ができてしまう。隙間ができても虫歯が残っていなければ、長期に渡って虫歯の進行は遅くなる。なぜならその隙間に硫酸塩還元細菌が生息し始め、隙間は硫化鉄で覆われるからだ。この物質はイオン伝導を妨げる。現代歯科医学の虫歯の成因に関する知見には電気化学的な視点がすっぽり抜け落ちている。今のところ十分な電気的辺縁封鎖が期待できる修復材料はCRだけだ。それでも咬合性外傷があれば接着剥がれが起こり、2次カリエスになる。
2023/11/15
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40代女性、右下5、隣接面カリエス前回のつづきhttps://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202310310000/隣接面の虫歯も咬合性外傷が最初のきっかけになる。噛むと歯も多少撓むので、隣の歯と強く当たり、当たる部分に微小なクラックが生じそこから隙間腐食(酸素濃度差腐食)が起こる。これが隣接面カリエスの正体だ。一本の歯でも遠心(奥側)が虫歯になりやすいのは、遠心の方が酸素濃度が低いからと考えても良い。このように虫歯を電気化学的に捉えると従来の方法では説明のつかないことでも簡単に説明できる。これをここでは「虫歯の電気化学説」と呼んでいる。
2023/11/01
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18歳女子、右上7、頬側面カリエス矯正治療のブラケットが装着されていたのだが、治療が終わって外すと虫歯ができていた。ブラケット装着が虫歯の主な原因ではない。一般にこの部分の虫歯は唾液がかかりにくいからできると説明されているが、そうではない。ほっぺがいつも歯面にくっついているとなりやすい。どういうことかというと、ほっぺで歯面が覆われていると酸素濃度が他の部位より低下して酸素濃度差腐食が起こるからだ。この現象は歯科では全く知られていないが、金属腐食工学分野では常識になっている。歯牙つまりハイドロキシアパタイトはイオン伝導性セラミックスなので金属と同じように取り扱える。虫歯とか金属の腐食、サビと同じカテゴリーの現象と言ってもよい。いつもほっぺが歯面にくっついているとは、おしゃべりもあまりせず、スマホばかりいじっているとか、もくもくと勉強ばかりしているとかそんな生活をしているということだ。
2023/10/30
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10歳男子、左下6、隣接面カリエス隣接面カリエスの最初の成因は歯ぎしりや食いしばりと言った咬合性外傷であることをよく経験する。清掃不良や食生活というのは増悪因子ということになる。この子も学校に適応障害があって、この歯が萌えてきた頃よく歯軋りをしていたそうだ。隣接面に微小クラックができそこから酸素濃度差腐食を始め、様々な電気化学的な腐食因子が働く、例えば、隣接面の清掃不良による酸素濃度の低下や酸性環境、隣接歯との接触点になるのでイオンの通り道になるなどだ。多分電気に慣れ親しんでいないと虫歯の電気化学説とか言ってもピンと来ないのかもしれませんね。
2023/09/25
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20代女性、左下7、小窩裂溝カリエスエナメル質の発生過程で深い溝や穴が出来るのだが、この部分は酸素濃度が低くなるので、酸素濃度差腐食が起こることがある。またエナメル質が腐食して象牙質が露出すると異種金属接触腐食が起こる。これは象牙質とエナメル質のイオン化傾向が異なるからだ。エナメル質より象牙質の方が少し大きい。10代以下の子だったら進行は早いのだが、20代以上までもちこたえると進行は遅い。多分、溝や窩の深さがそれほど深くはなく、エナメル質の結晶構造が密になっていたということだろう。隣の6番にはすでにCR充填がされていたが、裂孔部分の充填不良による隙間腐食が見られたので、同時に処置をした。エナメル質を開拡すると内部は硫酸塩還元細菌の代謝産物の黒色物質である硫化鉄に覆われていたことも虫歯の進行が遅かった理由の1つだ。この物質は水素イオンの伝導を阻害するので虫歯が出来ない。硫化鉄の皮膜を除去すると内部の象牙質は粘土状に崩壊していた。虫歯を完全に除去する必要はない。接着マージン部分だけ新鮮歯質が確保できれば良い。CRによる漏洩のない充填ができればα-TCPセメントで軟化象牙質(虫歯)は再硬化(治る)する。
2023/09/21
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40代女性、左上6、遠心辺縁隆線破折デンタルフロスが引っかかるとか、時々痛いという症状。この方は歯ぎしりをしているので、歯に過大な応力がかかり、特に隣接面にはクラックができやすい。そこから虫歯になるという典型的な応力腐食割れと通気差腐食が起こるタイプのものだ。工学的には歯(ハイドロキシアパタイト結晶)は水素イオン伝導性セラミックスという今話題のEV用の個体電池の電極に使用される物質と同じカテゴリーの物質だ。実は現在の歯科医学では虫歯の原因はまだ解っていない。よく言われるように虫歯は歯が酸に溶けたものだということではなくて、歯の内外の起電力差により水素イオンが歯を通り抜ける際にハイドロキシアパタイト結晶中のカルシウムから電子を奪うことによるハイドロキシアパタイト結晶の崩壊による金属の錆びと同じ電気化学的な現象だ。両隣接歯の辺縁隆線にクラックがあり、右の6番の方はすでに離断遊離している。隣接部の拡大画像離断した辺縁隆線を除去した内部は通気差腐食による広範囲な虫歯になっている虫歯は除去して奥側の7番にも同じような隣接面カリエスがあるがこの処置は次の機会に予定している。3MIX+α-TCPでカバーしてCRで修復し歯ぎしりという外傷性咬合に対応するために補強冠を装着する予定。
2023/09/15
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50代女性、左上23、歯茎部カリエス飴玉を始終食べていたとか、そういうこともあるが、この方は、この部分が口唇にいつも隠れている。口唇に隠れている部分は虫歯になりやすい。なぜならこの部分は他の部分よりも酸素濃度差が低くなる。酸素濃度が低くなるところから電子が奪われてハイドロキシアパタイトの結晶が崩壊する。これが「虫歯の電気化学説」による虫歯の発症機序の一つだ。
2023/08/23
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30代男性、左上3、時々痛い。前回と同じ方です。https://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202307220000/なぜこのような虫歯になるのか?この方の場合はIT技術系の仕事をされており、終日あまり喋ることもなく、黙々とPCに向かって仕事をしている。喋らないので、虫歯になりやすい部分は口唇が常に当たっており、その部分は酸素濃度が低くなりやすい。この現象は金属の腐食工学分野ではよく知られている。酸素濃度差腐食、酸素濃淡電池などと呼ばれている。歯(ハイドロキシアパタイト)は工学分野では「水素イオン伝導性セラミックス」の一種として知られており、条件さえ整えば金属腐食と同じカテゴリーの現象が起こる。虫歯とは金属が錆びるのと同じカテゴリーの現象だと思えば良い。完全に同じではないと思うが。ここでは「虫歯の電気化学説」とよんでいる。通常の歯科医師はこんなことが一般化してしまうと道義的・経済的に追い詰められてしまうので、口を拭って知らぬふりをしているが、いつまでも隠しおおせられるものかどうか?虫歯が「重曹うがい」つまりアルカリ性環境下で進行しないということも、この「虫歯の電気化学説」の応用の一つだ。
2023/07/23
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40代女性、左上6、メタルインレー2次カリエス、温冷痛+元々シェーグレン症候群の方で、唾液が少なくカリエスリスクは高い方だったのだが、虫歯が見るたびにひどくなっていくので、再治療に踏み切った。症状を緩和するためにカルボキシレートセメントで仮封しておいた。少し茶色に見えるセメントがそうだ。白色セメントはキャビトン。虫歯は電気化学的な腐食なので、歯よりもイオン化傾向の大きい物質で覆えばその物質が犠牲的に溶けてくれて、虫歯の進行は抑えられる。今の所歯質よりもイオン化傾向が大きくしかも人体に為害性がないと思われる物質は亜鉛だけだ。亜鉛は人間にとっては必須金属だからだ。欠乏すると味覚障害の原因になると言われている。その亜鉛が含まれているセメントはカルボキシレートセメントとリン酸亜鉛セメントだけだ。この亜鉛が含まれているセメントを合着に使うと経験的には虫歯になりにくいとされているが、その理由は知られていない。しかしここで提唱している「虫歯の電気化学説で」は簡単に説明できる。角度を3方向から変えた画像をアップしてみる。咬合面(鏡像)裏面を見ると合着セメントは効いておらず、かなり以前から隙間がある状態が続いていたものと思われる。それでも虫歯にならないわけは好気性の酸産生菌が繁殖するには酸素が少ない環境だったからだと思われる。最初は裏装セメントのグラスアイオノマーセメントは除去しないつもりだったのだが。。α-TCPセメント+3MIX1次CRやはり隣接面の処理は難しい。頬側(実像)口蓋側(実像)
2023/06/22
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90代男性、左上4、遠心歯根面カリエス、自発痛+遠心つまり奥の方に虫歯はできやすい。その理由は奥の方が酸素濃度が低いので、酸素濃淡電池を形成し、酸素濃度差腐食を引き起こす。虫歯とは金属のサビと同じカテゴリーに属する電気化学的腐食だ。一本の歯でも奥の方が虫歯になりやすいのは奥側(遠心)がマイナス極に手前側(近心)が+極になり、マイナス極が電子を放出し腐食するからだ。CRで電気的に絶縁すれば痛みは瞬時に止まる。
2023/06/20
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今日は歯周病になると悩まされる歯根面のカリエスについての考察です。昨日、とうとう抜けちゃったよ。。と、抜けた歯を持って来られた患者さんからその歯をいただきました。このネタでいろいろ考察を書けそうなので、この歯の画像をまだ虫歯になっていない10年前からの画像をとりあえずアップしておきます。予防歯科に転向すると長年にわたった画像が溜まりますから、こんな研究ができます。予防歯科=口腔内写真検査 と言っても差支えありません。少なくとも、口腔内写真を撮らない歯科医院は本気で予防をやっている歯科医院ではありません。(予防歯科は独立した診療科として認定されていないので、公には標榜できませんので一般人は探せませんが)歯科医学では歯根面カリエスに関してもなぜできるのか?じつはこれまたよく解っていないのです。せいぜい、プラーク:バイオフィルム:歯垢:細菌を磨き残しているから、歯根:象牙質はエネメル質より耐酸性が低いから、と説明していますが、本当でしょうか? そんな単純なものでしょうか?つづく2002/03/25 レントゲン画像、同口腔内写真:左下52004/01/072005/02/032008/02/262008/03/26:こんな状態でも痛くはない。まだ生活歯。2008/12/24:CR充填している。2012/03/05:とうとう抜けた。CR充填の回りに2次カリエスができていて、硫化鉄と思われる黒色物質が沈着している。CRを剥がしてみた。α-TCPセメントはひび割れながらもまだ付いている。
2023/03/11
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20代女性、左下6、インレー下の2次カリエス。このメタルインレーは外側性窩洞とも内側性窩洞ともつかない形状で、比較的早期にダツリすることが予想できた。とりあえず before/after だ。beforeafterメタルインレーはエキスカベータで辺縁を持ち上げただけで外れた。黒くなっている部分は硫化鉄FeSで嫌気性の硫酸塩還元細菌の代謝産物で、要するにドブの底の色です。つまり口腔内とドブは繋がっているということです。もちろん同時に硫化水素も産生するので、口臭の原因にもなる。いわゆる虫歯臭さだ。硫化鉄はメタルインレー側にも付着しており、黒くなっている部分がそうだ。黒くなっていない部分はまだ合着セメントが効いている部分で、この部分だけでインレーは歯質に維持されていた。虫歯の電気化学説的にはFeSは電気の絶縁体で、電気化学的腐食を妨げる。要するに黒くなっていると虫歯が進行し難いと言える。この場合歯質が腐食電極であり、メタルが対電極となり、イオン化傾向の大きい歯質が選択的に腐食する(虫歯になる)。もう少し歯質の腐食が進みメタルと歯質の隙間が大きくなると、好気性もしくは通性嫌気性の酸産生菌が優勢となり、腐食は急速に進行を始める。なぜなら酸性雰囲気中に存在するH+は歯質中を伝導する唯一の物質ということが判っており、ハイドロキシアパタイト(HA)の構成要素のCaから電子を奪いH2となり、同時にCaはCa+となって、HAから遊離し、HAの結晶構造が崩壊する。これが虫歯だ。HAが酸に溶けたものが虫歯だといった単純なものではない。単に酸性だけでは虫歯にならず、歯質との間に起電力が生じるメカニズムが存在するときのみ虫歯が発生する。接着が確実になるように虫歯部分を除去して、CR充填を終わった。
2023/03/10
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前回のつづきhttps://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202302270000/前回は何らかの物質の濃度が高いと浸透圧の関係で象牙細管中のリンパ液が歯髄内から口腔外に引っ張られるので沁みるというお話には異論はないのですが、肝心の「なぜ沁みるのか?」というのが分かってはいないのです。歯根(象牙質)が露出していても沁みない歯の方が断然多いわけですから。昔、歯学部の講義で、ひどい歯周病に罹患してグラグラになっている歯の歯髄が壊死しているケースがままあり、これを「上行性の歯髄炎」というと習った。どういうことかというと、根尖口から細菌が歯髄方向に侵入し(つまり上行し)、歯髄炎を起こす、と。しかし、臨床経験的には壊死しているのは末梢である冠部歯髄で根部歯髄はまだ生きていることが多いのだ。しかも細菌が虫歯の穴から歯髄に侵入している時のような激痛を感じているわけではない。知覚過敏はある。歯髄の血管は細いのだが、根尖から入って根尖から出て行く。立派な動静脈網を形成していて、冠部歯髄の血管は末梢血管ということになる。これらのことから考えられるのは、細菌が根尖から侵入するというわけではなく、グラグラしているので根尖付近の血管が損傷し、血栓や血管壁のデブリが剥がれて末梢である冠部の毛細血管に詰まって塞栓症を起こしていると考えるのが自然かもしれない。ちょうど脳梗塞のような感じだ。強い痛みは感じないことからもなんとなく類似性を感じる。ただ歯髄炎を起こしているので冠部歯髄腔の内圧は亢進していると思われ、知覚神経を圧迫しているので、痛覚の閾値は下がっている。これが知覚過敏症の原因と思われる。
2023/03/03
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コメント欄でこんなお話があったので、ちょっと考えてみました。ーーーここから引用ーーー↓ところがこちらの歯科医さんは上記の浸透圧説の矛盾をご指摘。http://www.smile--dental.com/director/2012/03/post-13.html >ちなみにものすごーく化学知識がある方ならば、気づいた方もいらっしゃるかもしれませんがこの説明には矛盾があるのです。塩水についての説明ができないのです。甘いものはしみるけど、塩水はしみないという人がいらっしゃいます。塩は同じ量の砂糖と比較した場合、浸透圧が12倍も高いのですが、なぜかしみないという人が多いのです。(塩を直接歯にすり込むとさすがにしみますが)いろいろ調べましたが、説明できる専門家はいないんじゃないかな?ーーーーここまでーーー浸透圧にはΠ=MRTという関係式があって、Πが浸透圧、Mが溶液のモル濃度、Rが気体定数、Tが絶対温度浸透圧はモル濃度と温度に比例する。ということらしい。今回はモル濃度が高いと歯がしみる?という話です。塩:塩化ナトリウム:NaClの1モル(分子が6.02×10^23個集まったもの)の質量つまり分子量は58.5なので58.5g、砂糖:ショ糖の分子量は342なので、1モルの質量は342g塩と砂糖を同じ量で比べると、342/58.5=5.8 なので塩の方が約6倍モル濃度が高い。Na++Cl-に完全電離なら2倍の約12倍高いのか?これはちょっと分からない。それにもかかわらず、塩より砂糖の方が歯にしみる人の方が多いというのは説明できない。ということらしいが、ま、そもそも同じ量(質量)で比べるという前提に無理があると思う。同じ味の濃さで比べるべきで、例えば生理的食塩水は薄味の塩加減だが、NaClは1リットルに9g入っているので、9/58.5=0.154モル/L の濃度だ。また海水中にはNaClは26.5g/L入っているので、26.5/58.5=0.453モル/L の濃度。海水を口に入れた人は多いと思うが、かなり塩辛い。一方、砂糖の方はコーラ1リットル中には113g入っているそうなので、113/342=0.330モル/L の濃度。これらを比べてみると、塩は0.154〜0.453モル/Lの濃度、砂糖は0.330モル/Lとさほど違わないように思う。この程度の濃度では塩でも砂糖でも沁みないようです。歯ぎしり、食いしばりなどの咬合性外傷があって知覚過敏になっている人に、砂糖で沁みたのは何を食べた時?と訊いてみたことがあって、それは、、、サンコー ミントガム だったそうで、噛んで唾液にガムの砂糖が溶け出して、口の中に広がった瞬間、、全部の歯が、沁みる〜〜〜、、!ってなりました。だそうですw歯髄の感覚神経の閾値が下がっている時に感じるモル濃度の値も様々なのでしょうが、沁みるにはある程度濃度が高くないといけないのでしょう。この辺りは体験者さんにコメントをいただきたいところです。
2023/02/27
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2008年のこの記事のつづきで、虫歯は酸性環境で起こるというのなら、アルカリ性にすればいいじゃない?という僕の高校の時の英語の先生のお言葉に従いやってみたというのが『重曹うがい」の最初だったのだが、やってみると絶大な効果があった。それで院内ビデオとして作ったものが重曹水で炭酸飲料を中和するという動画だった。2005年頃のことだ。https://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/200801170001/ーーここから引用ーー診療室では、重曹水が炭酸飲料を中和する動画を皆様にご覧いただいているのですが、まだ観ていない!、という方はおられますでしょうか?ブログ用に小さく編集して掲載しようと頑張ったのですがどうも上手くいきません。まだご覧になっていらっしゃらない方は、スタッフに「重曹の動画見せろ!」とおっしゃってくださいね。動画の中身は、pH3の炭酸飲料が、重曹水で瞬間的に中和されてpH7になる。というものです。なんと15年ぶりに実現した動画アップだ!
2023/02/21
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このビデオは2005年頃に撮ったもので、重曹うがいというのはうちのオリジナルなんだが、巷では同じような重曹水の作り方が出ている。このレシピを参考にしているものだと思う。重曹水の作り方、ティー・スプーン1杯(3g)の重曹を500mLのペットボトルに入れて水を口まで注ぎ、振って溶かすだけ。https://youtu.be/a659I49pDf0 使い方、飲食後なるべく速やかに、重曹水を口に含んで グチュグチュ(^~^)、ペッ。たったこれだけ。
2023/02/20
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これは2010年4月の記事の再掲なんですが、要点をよくまとめているのでアップしておきます。虫歯はアルカリ性(重曹うがい)で自然治癒するのです。虫歯は削らないでも治るものがある。治らないまでも進行は防げる。削って埋める処置をしても、接着ハガレは起こるので、また虫歯になる。歯は溶ける(脱灰)だけではなく、再結晶(再石灰化)する。要するに、自己修復能力がある。これを利用しない手はない。歯はpH5.5以下で溶けるとされるが、実際にはpH4(細菌が出す酸の下限)でも溶けない。溶けるには別のメカニズムがあることを示唆している。歯は削る治療を繰り返して、最後は抜歯となることが多い。削らなければ、その寿命は長い。通常、20歳まで削る治療をしなければ、歯周病になり歯根が露出しない限り生涯、虫歯にならない。pH0の塩酸を薄めて歯を溶かす実験をしてみると判るが、歯が溶けるpHは0~1の強酸だ。細菌が出すpH4以上の弱酸では歯は溶けない。しかし、pH4でも電流を流せば溶ける。電流を流す前。電流を流して3時間経過後。これを存知でしょうか?レモン電池。鉄釘と銅釘(違う種類の金属ならなんでも可)をレモンに挿すと、電気が流れる。電子が出て行く方(この場合鉄)が溶ける。イオン化傾向の違いによる現象だ。歯と歯科用金属の間にも、エナメル質と象牙質の間にも、電流は流れる。もう一つ、酸素濃度に違いがあると、酸素が少ないところから、酸素が多いところに電子が奪われ、奪われたところが溶ける現象がある。通気差腐食という。バイオフィルムの底は、酸素が少ない=溶ける。虫歯というものは、鉄の腐食、赤さびと同じものだ。イオン化傾向の違い+通気差腐食によって起こる。「絵をクリックして、別ウインドウに飛んだら、再度クリック!アニメが始まります。」では、どうやって腐食(虫歯)を防ぐか?すでに確立している金属防食の技術を使う。この図は縦軸が電位差、横軸がpH。縦軸:腐食させたくないものにマイナス電位を与える(電子を供給する)と、腐食しない。横軸:pHがある程度高い(アルカリ性だ)と腐食しない。要するに、pHコントロールだ。アルカリ性にするには、重曹が入手しやすく、毒性もない。水に溶かして、プラークが酸性になった時(飲食直後)、うがいするとよい。瞬時にpHは上がる=電気が流れない=歯が溶けるのが止まる=再石灰化が始まる。重曹水の作り方は500mlのペットボトルに小さじ一杯3g。作り置き可。「重曹うがい」で、この程度の虫歯は治る。2年後概ねこの程度の虫歯は心配ない。飲食後の「重曹うがい」で進行しない。でも、食生活の改善が一番重要。いちばんいけない食生活は最後のパターンだ。「ちょこっと食い」「だらだら食い」「寝る前の飲食」寝ると唾液が出なくなるので、元々唾液中に含まれている重曹成分(重炭酸イオン)による緩衝作用(酸の中和)を期待できない。「重曹うがい」も間に合わない。#参考画像は「日本ヘルスケア歯科研究会」、熊谷崇先生御著書他より引用。多謝。#詳しくは、カテゴリーの「虫歯の電気化学説」、「削らない虫歯治療」参照。世の中には、常識は真実とは違うことがたくさんある。虫歯に関しての知見にしてもそうだ、なんか、やばくない?だまされているってことですよ。。
2023/02/19
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前回のつづきhttps://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202212150001/前回は歯質:ハイドロキシアパタイト:HAには電気が流れるという話はして、歯を実際に電気化学的に溶かす実験をしました。以下の実験が虫歯とはHAが電気化学的に溶けるという決定的な証拠なのですが、歯質は他の金属や歯質間でイオン化傾向(自然電位の差)を測れるのです。https://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/10000/以下、象牙質を基準としたイオン化傾向の一覧表を載せておきます。亜鉛:-0.35V象牙質:0Vエナメル質:+0.002Vアルミニウム:+0.015V鉄:+0.05V鉛:+0.18V高銅型アマルガム:+0.25V歯科用71%銀合金:+0.5V歯科12%金銀パラジウム合金:+0.68V歯科用70%金合金、銅:+0.7V上に行くほどイオン化傾向が大きい、腐食しやすい、溶けやすい、虫歯になりやすい。下に行くほどイオン化傾向が小さい、腐食し難い、安定。つづく
2022/12/18
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隙間腐食とか酸素濃淡電池とかイオン濃淡電池とか異種金属接触腐食とかバイオフィルム腐食とか金属腐食カテゴリーの検索ワードでググると、すでに多くの知見が得られていることが分かる。金属腐食は工業分野では大きな問題で、全GDPの1%がこの腐食により失われている。この対策をめぐる研究はかなり以前から進んでおり、ほぼ確立されていると言っても良い。金属腐食とは電気化学的な現象で、金属には電気が流れるということがその前提になっている。一方歯牙には電気は流れないことになっているので、いや、これは思い込みに過ぎないのだが、虫歯が金属腐食のような無機的な電気化学的腐食だとは長年気が付かれてこなかった。ところが、歯牙の主成分のハイドロキシアパタイト:HAには電気が流れるということが分かった。これは八島・藤森グループによる研究で明らかになっている。一般に電気というと電子のことか?と思われる向きもあるかと思うが、実は違う。プラスやマイナスの電荷を持ったイオンでも物質内を流れれば、それは電気とみなされる。これは今研究が盛んに行なわれている固体電池の電極を見れば分かる。HAも水素イオンが電導する「イオン電導性セラミックス」というのが工業分野での位置付けなのだ。だから当然のこと、条件さえ整えばHAを電気化学的に腐食させることは可能だ。実際に実験したことがある。https://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/200909220000/実際に100μA通電すると2時間ほどで溶けてしまう。beforeafter・・ちょっと仕事が入ったんで続きは後ほど
2022/12/15
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50代男性、左下5、自覚症状なし虫歯の原因は実は未だに解明されておらず、歯科医師でも歯が酸で溶けたものだろう?。。とか、その程度の認識なのだが、予防関連の成書をよく読むと、酸で溶けるとは書かれていない。酸性環境で虫歯になると書かれている。僕は「虫歯の電気化学説」というものを提唱しているが、それは歯質つまりハイドロキシアパタイトは工学分野では、プロトン:水素イオン:H+の伝導性を持つイオン伝導性セラミックスと言われる物質で、プロトンが内外の起電力により歯質(ハイドロキシアパタイト)中を通り抜け、外部に出ていくときにハイドロキシアパタイト中のカルシウムから電子を奪い水素ガスとなり、カルシウムはカルシウムイオン:Ca2+となり溶出する。つまりハイドロキシアパタイトの結晶構造は崩壊する。それが虫歯だ。こう考えると、虫歯の直接的原因は歯質の酸性環境中における歯質内外の起電力ということになる。この起電力がどうのようにして発生するか?これを知ることが虫歯を予防する重要な知見となるのだが、歯科業界では全く知られていない。それどころか、意図的にスルーもしくは握りつぶした形跡すら見受けられる。そんなことが公になれば、世界中の90%の歯科医師は失業する可能性が高いからだ。起電力というのは中高の物理で習うと思うのだが、シンプルに言うと電池のことだと思えば良い。「一定の電流を流し続ける力を持つもの」ということだ。例えば「酸素濃淡電池、通気差腐食」金属腐食や電池やメッキなど電気化学の応用分野では周知の事実ですが、酸性(電解質)環境下では酸素の少ない所から酸素が多いところへ電子が運ばれ、電子を奪われた相対的に酸素濃度が低いところが溶解するという現象があって、これを「酸素濃淡電池」、「通気差電池」、「通気差腐食」、「隙間腐食」などといいます。電子を奪われるところをアノードといい、電子が消費されるところ(酸素が多いところ)をカソードといいますが、アノードが溶けます。高校生向けのサイトもあります。http://chemieaula.blog.shinobi.jp/Entry/283/歯の場合は金属と違って電子が流れるのではなく水素イオンが流れるので、極性は逆になりますが基本的には同じになると思います。半導体で言うところのNチャネルとPチャネルに相当すると思えばいいでしょう。あ、一般人にはわからんか。。半導体すら知らずにスマホとか高度な半導体の塊を使っていることを恬として恥じないどころか文明人だと思い込んでいるのが現代人なのだから恐れ入る。現代人は猿だ。あ、猿に失礼か。「パンツを履いた猿」という言い方があったなw いずれにしろ、人類はもうすぐ猿に戻るだろう。だいぶ話は逸れたが、虫歯の原因すらわからず被せはジルコだゴールドだと言っているのだから救いがない。・・アノードになる=虫歯になるところは、1つの歯でも酸素が相対的に少ないところです。つまり口腔内の歯の場合、酸素が少ないところとは、奥の方やほっぺに隠れているところ、もちろんクラック(ヒビ)や虫歯の穴の中ということになります。歯科医学では、こういう虫歯になりやすいところは、歯ブラシが届かないとか、唾液が届き難いからと説明していますが、ほんとうでしょうか?よく考えてみてください。関係ないと思います。唾液がかかるところでも虫歯にならないことはないし、はみがきが上手でも虫歯になりますよね?逆にはみがきがへたでも、磨いていなくても虫歯にならないこともある。この症例では酸素が足りないとはクラックが元々あったということと、一日中あまり喋らず隣のデスクの人ともメールでやりとりするというそういう生活習慣があるらしい。虫歯になりやすい人は口腔内が酸性に傾きやすいのと口腔内が酸素不足になりやすい人に多い。前者は虫歯菌が多い、甘いものが大好き、歯磨きも下手など。後者は咬合性外傷がある、あまり喋らない、飲食の回数も少ないなど口腔内や局所の酸素濃度が低下しやすいなど。臨床的には「ひきこもり」と「寝たきり」に虫歯ができやすいのはよく経験する。虫歯は口腔内が酸性であること(水素イオンが多い)と酸素不足になることの両方が同時に満たされる場合に起こる。こう考えれば、虫歯の予防というのは誰にでもわかるはずだ。歯ぎしり食いしばりなどしないで済むストレスフリーの生き方、いつも口腔内をアルカリ性に保つための飲食後の「重曹うがい」の励行。これだけだ。・・虫歯の治療過程を時系列にアップするが、内部の象牙質は広範囲に失われているので、側面からだけではエナメル質を十分に残すことは難しかったので、咬合面からもアクセスした。このような治療には1時間とかかかるので、技術的な問題はさておいても、こんなことをやっていては経営的には歯科医院はやっていけない。保険診療報酬は歯科が保険導入された昭和40年(57年前)から変わっていない。当時からすると物価は10倍になっているが、歯科診療報酬は物価スライドしていない。このことには歯科医師になって初めて気がつくが、後の祭りだwこれと同じことをやってくれと、ここの画像をコピーして近所の歯医者を回っても無駄な話だということはわかると思う。では時系列でどうぞ内部は硫酸塩還元細菌の代謝産物の黒色物質FeS:硫化鉄で覆われているので、虫歯の進行は遅くなる。これは歯質内のイオン伝導を遮断するからで、お歯黒は虫歯になりにくいと言われる現象と同じだ。
2022/08/19
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50代男性、左下5、自覚症状なし虫歯の原因は実は未だに解明されておらず、歯科医師でも歯が酸で溶けたものだろう?。。とか、その程度の認識なのだが、予防関連の成書をよく読むと、酸で溶けるとは書かれていない。酸性環境で虫歯になると書かれている。僕は「虫歯の電気化学説」というものを提唱しているが、それは歯質つまりハイドロキシアパタイトは工学分野では、プロトン:水素イオン:H+の伝導性を持つイオン伝導性セラミックスと言われる物質で、プロトンが内外の起電力により歯質(ハイドロキシアパタイト)中を通り抜け、外部に出ていくときにハイドロキシアパタイト中のカルシウムから電子を奪い水素ガスとなり、カルシウムはカルシウムイオン:Ca2+となり溶出する。つまりハイドロキシアパタイトの結晶構造は崩壊する。それが虫歯だ。こう考えると、虫歯の直接的原因は歯質の酸性環境中における歯質内外の起電力ということになる。この起電力がどうのようにして発生するか?これを知ることが虫歯を予防する重要な知見となるのだが、歯科業界では全く知られていない。それどころか、意図的にスルーもしくは握りつぶした形跡すら見受けられる。そんなことが公になれば、世界中の90%の歯科医師は失業する可能性が高いからだ。もしかして、酸性くらいは分かるとして、起電力がわからないとか?わからない方、手を上げて!日本の学力は中国の半分とかいう話だから。。もしかしてと思ってwつづく
2022/08/17
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30代女性、下顎左右7の遠心カリエス前回のつづきだがhttps://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202207290000/前回は親知らずによる虫歯を放置しているとどうなるのか?という話だったが、今日は虫歯が酷気なる前に親知らずをさっさと抜いてしまうとどうなるのか?という症例だ。3年前と今回の画像の2つを見比べてみると3年毎と比較して今回は虫歯はあるが、進行していない。それどころか治っているようにすら見える。これはどういうことかというと、虫歯は歯肉に覆われてしまうと進行はしないということだ。虫歯の電気化学説によると虫歯とは歯牙内外の起電力により、水素イオン(プロトン)が歯質を通り抜ける際に歯質の構成要素であるハイドロキシアパタイトの結晶中のCaから電子を奪い、プロトンは水素ガスに、Caはカルシウムイオンとなり外部に溶出し、ハイドロキシアパタイトの結晶構造が崩壊することだと思われる。しかし歯質が歯肉に覆われ接触しているとプロトンは歯質を通り抜ける時にCaから電子を奪うことなく、直接歯肉から電子をもらうことにより歯質の結晶構造は壊れないということが考えられる。歯質のインピーダンスは歯肉のそれよりも高いというふうに解釈しても良い。かえって分かりにくいか?w結論から言えば、このようにちゃんと萌えて(生えて)いない親知らずはさっさと抜いてしまうのがベストだということになる。つづく
2022/07/30
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20代男性、左上6、自発痛+256GのSSDが壊れたらしく、ログインできなかったりするのでHDDに替えたら、これはこれで遅くて。。1TのSSDを注文したのだが、2009製のMacが認識するのだろうか。。?というわけで、今日も手抜き。。というか、昨日は久しぶりに長距離ドライブをしたので、ちょっと疲れが残っている。・・咬頭からクラックが入り、その部分から隙間腐食と異種金属接触腐食が複合している虫歯になった。エナメル質はなるべく残しているのだが、エナメル質の下の象牙質は広範囲に失われていた。通常の歯科治療では、痛みが出ていることから抜髄は仕方がないところだろうが、そんなことをすると歯の寿命は短くなるので、なんとか歯髄も保存し、CR再建した。では時系列でどうぞ
2022/04/30
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虫歯とは酸性環境で起こるHA(ハイドロキシアパタイト)の電気化学的なサビ、腐食だ。そのきっかけは咬合性外傷によるマイクロクラックだ。ここから酸素濃度差腐食、異種金属接触腐食などの水素イオンをHA内部で動かす起電力によって虫歯が進行する。虫歯予防とは、歯磨きとか甘味飲食物を避けるとかフッ素塗布とかは一切関係ない。咬合性外傷をコントロールするということだ。「ストレスのない人生」、をどうやって手に入れるか?それだけだ。・・このシリーズの表題画像に使っていた50代女性の左上7の隣接面カリエス、この方もストレスにより虫歯になってしまった口だ。とりあえず、治療過程をアップしておく。今日治療後の経過を聞けたのだが、あれから、2回ツーン、、と痛みがあったが、今はなんともない。よかった!ということだった。レントゲン画像でも虫歯は神経に届いているように見えるし、こんなのでも神経を取る必要がないとか、専門家ほど信じられないと思うかもしれないが、事実だ。虫歯は細菌感染症ではないので、全部除去する必要はない。ナノHAセメント+3MI◯で再硬化して治る。大事なことは辺縁漏洩がないこと、これだけに注力する。今の所CRのボンディングシステムだけが使える。セメント合着系は漏洩は必ず起こり失敗する。では時系列でどうぞ次回はスポーツやストレスによる咬合性外傷による虫歯や破折の症例だ。スポーツはテニスや野球、バレーボール、バトミントンなどインパクト系が歯には悪いようだ。プロの野球選手はバッターボックスに立っている時はマウスピースを装着している。スイングが速くなるとかだけではない。
2022/01/25
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