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□監督:トム・フーパー
□脚本:デヴィッド・サイドラー
□編集:タリク・アンウォー
□衣装デザイナー:ジェニー・ビーヴァン
◆コリン・ファース(ジョージ6世、バーティー)
◆ジェフリー・ラッシュ(ライオネル・ローグ)
◆ヘレナ・ボナム=カーター(エリザベス王妃)
◆ガイ・ピアース(エドワード8世、デヴィッド)
◆ティモシー・スポール(ウィンストン・チャーチル)
◆デレック・ジャコビ(大司教コスモ・ラング)
◆ジェニファー・イーリー(ローグ夫人)
◆マイケル・ガンボン(ジョージ5世)
【この映画について】
ジョージ6世は現在の女王エリザベス2世の父
である。自己嫌悪の塊でありながら短気な面も持ち合わせた複雑で繊細なこの人物を『シングル・マン』のコリン・ファースが好演。常に夫を支える頼もしいエリザベス役にヘレナ・ボナム=カーターが気品と極上のユーモアをもたらし、さらに、 対等で親密な関係こそが治療の第一歩と信念を持つローグに名優ジェフリー・ラッシュ。
この最高の布陣でメガホンをとったのは「第一容疑者」など主にTV畑で手腕を発揮してきたトム・フーパー。ナチス・ドイツとの開戦前夜、まず自分自身の劣等感と闘った国王に拍手喝采せずにはいられない。
(ここまで、gooより転載しました)
この作品、 第83回アカデミー賞の 「作品賞」
・ 「監督賞」(トム・フーパー)
・ 「主演男優賞」(コリン・ファース)
・ 「脚本賞」(デヴィッド・サイドラー)
という 主要4部門
を制した。
【ストーリー&感想】
(ネタバレあり)
ジョージ6 世は、 幼い頃から吃音(きつおん)というコンプレックス
を抱えていたため、英国王ジョージ5世の次男という華々しい生い立ちでありながら、社交的な兄デヴィッドとは正反対で内気な性格となり、いつも自分に自信が持てないでいた。厳格な父王はそんな息子を許さず、 王の名代として様々な式典のスピーチを容赦なく命じる。
そして、ある日、やはり王の名代として式典に臨んだが、生憎この時はラジオ中継もある中で、やはりスピーチに失敗してしまい自信喪失してしまう。
妻のエリザベスはスピーチ矯正の専門家であるライオネルのもとへ身分を隠して、ジョージを連れていく。ライオネルは、 診察室では私たちは平等だと宣言
、王太子を愛称の「バーティー」で呼び、ヘビースモーカーのジョージに禁煙させる。さらに、大音量の音楽が流れるヘッドホンをつけ、シェイクスピアを朗読するという奇妙な実験を行うが、ジョージはこの治療は自分には合わないと告げ、足早に立ち去ってしまう。
だがクリスマス放送のスピーチがまたしても失敗に終わったジョージは、ライオネルに渡された朗読の録音レコードを聞いて驚く。 音楽で聞こえなかった自分の声が一度もつまることなく滑らかなのだ。
再びライオネルを訪ねたジョージは、その日から彼の指導のもとユニークなレッスンに励むのだった。1936 年、病床にあった ジョージ5世が亡くなり長男のデヴィッドがエドワード8 世として即位
する。そんな中、ジョージはかねてからアメリカ人で離婚暦のあるウォリス・シンプソンとの交際を止めるように忠告していたが、兄エドワード8世は王位か恋かの選択を迫られる。
彼は ウォリスとの恋を選び、戴冠式をすることもなく退位
し元々王位に就くことなど望んでいなかったジョージは即位することになり、大切な 王位継承評議会のスピーチでまたもや大失敗。
「私は王ではない」と泣き崩れる新国王を優しく慰めるエリザベス。ジョージとエリザベスはライオネルの助けを借り、戴冠式のスピーチは無事成功に終わる。
しかし、本当の王になるための真の試練はこれからだった。ヒトラーの率いるナチスドイツとの開戦直前、不安に揺れる国民は王の言葉を待ち望んでいた。王は国民の心をひとつにするため、世紀のスピーチに挑む……。そこには常にライオネルの姿があった。
スピーチの草稿を内閣からもらったジョージは、ライオネルの指導に素直に従う。そこには王と植民地出身の豪州人という関係ではなく、 友人としての信頼関係があった。
そして、収録当日、狭い部屋の中でマイクに向かったジョージに対して、ライオネルの指導が実る日が来た。
ジョージは国王として立派にスピーチをこなし
、英国民と海外でラジオ放送を通して国王の肉声を聞いたひとたちは大いに勇気付けられ国難を乗り切った。
この作品、受賞レースでは数々の賞を受賞し、前哨戦でのゴールデン・グローブ賞の結果からアカデミー賞でも賞を独占するとの予想が大半を占めていた。
いざふたを開けてみると 主要4部門を受賞したが結果は当然
である。作品賞と監督賞のダブル受賞も凄いが、特に、監督としての実績から「ソーシャル・ネットワーク」のデヴィッド・フィンチャー監督との一騎打ちと見られていたが、この部門での受賞も凄いの一言だ。
主演男優賞を受賞したコリン・ファースは「真珠の耳飾りの少女」でのフェルメール役から最近では「マンマ・ミーア」での出演もあり、コメディもシリアスな役も演じ分けることが出来る俳優で個人的にも好きな俳優。 吃音症に悩む実在の国王という難しい役で本人も英国人であることからプレッシャーもあっただろう
が、この受賞でそんな苦労も報われただろう。
また、国王と友人関係を築いたライオネルを演じたオーストラリア出身のジェフリー・ラッシュも英国が舞台の作品には度々登場していたが、今回はアカデミー賞受賞こそなかったが受賞してもおかしくない程の名演技だった。
その他にも妻エリザベスを演じたヘレナ・ボナム=カーター、「デザート・フラワー」ではカメラマンを演じていたティモシー・スポール、父王ジョージ5世を演じていたダンブルドア校長ことマイケル・ガンボンなどの配役も絶妙だった。
こういう 脇役がしっかりとした演技をしたからこそ、主演のコリン・ファースが落ち着いた演技を見せられたのは言うまでも無い。
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