madamkaseのトルコ行進曲

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marnon1104 @ お久し振りです (。≧ω≦)ノ!! kaseさんのお誕生日だったのですね。 お元…
marnon1104 @ Re:2018年の写真を使ってブログ復旧の試し書きをしています。(02/04) うわぁ~♪kaseさんだぁ~♪ お写真を拝見し…
marnon1104 @ Re:トルコでシュウマイはいかがですか?(07/08) kaseさん、こんにちは(*'▽')♪ …
madamkase @ Re[1]:渡航記念日(03/16) 高見由紀さんへ こんにちわ、イスタンブ…
madamkase @ Re:渡航記念日(03/16) marnon1104さん、こんにちわ。 3月に書い…
madamkase @ Re:トルコでシュウマイはいかがですか?(07/08) ひなのさん、おひさしぶりです。 トルコは…
2010年06月18日
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 ちょうど1週間前、私は用事でアジア側のカドゥキョイに出かけ、友人yokocanさんと5ヵ月ぶりに出会ってお昼を一緒に食べ、楽しいひとときを過ごしてきたが、その晩にはもう1つ出かける用事があった。

 かつてレイラのルームメイトだったイラン人のペリンは、イスタンブールのさる大学の報道科に学ぶカメラマン(フォトグラファー)志望の女子大生である。

 昨年、同じくイスタンブールに留学していた彼女の次兄が、現イラン政府を批判して投獄されすぐに絞首刑になった友人を弁護するような記事をどこかに書いたために、イラン政府にかぎつけられ、強制送還、そして逮捕されて獄中にいるのだそうだ。

 彼女のもう1人の兄(長兄)も、両親も政府の監視下にあり、ペリンも帰国すれば当然監視下に置かれることになるので、二度と国外に出ることは出来ない。だから夏休みにも帰郷は出来なくなってしまったのだそうだ。

 両親からの学費援助も受けられなくなったペリンは、アルバイトをしながら頑張り、テヘランにいる家族の安否を気遣っている。
 自分にも迫る政治的な圧力の影響をひしひしと感じながら、それでも沈黙はせず、自由を獲得するために、小さな運動を始めたのだった。

イスタンブールに暮らすたくさんの外国人に出演してもらい、ペルシャ語と英語とトルコ語で「自由」と書いた紙を捧げ持つ写真を撮りためてきたのである。

 レイラが彼女のために知り合いの外国人に頼み込んでいるうち、私と下の階に住むフランス人のイザベルさんにも話を持ってきた。
 私達は1ヵ月くらい前にジハンギルに訪ねてきたペリンと出会い、その辺りでスローガンを書いた紙を捧げ持ち、モデルとして協力したのだった。

 そして6月11日の金曜日、ささやかな展示会を開くまでに漕ぎ付けたペリンは、レイラや私、イザベルさんにも招待のメールを送ってくれたのだった。

 レイラは会場に直行し、イザベルさんと私はタクシーで、渋滞に巻き込まれながらも路上でジプシーが売るバラの花束を買い、1時間もかかって会場に到着した。

展示会
ペリンとイザベルさんと私(レイラ撮影)


 ペリンはモデルになってくれた人や知り合いを含めて100人くらいの人に連絡したのだそうだが、会場に来たのは友達他、20人足らず。

 彼女は自国の領事館の目を逃れるためにごく目立たないサロンを借りて展示会を開いたのだが、それでも写真と展示会に費やした費用は2000トルコリラ(約12万円)とのこと。

 この日の午後、さんざん遅れていたメヴラーナ映画の日本語・韓国語の翻訳料が入金されてきたので、レイラと私はその一部をペリンに差し出した。ペリンの大きな目がたちまち潤んだ。レイラと私は「メヴラーナからのプレゼントだよ」と言って、彼女と硬く抱き合った。

 イザベルさんも今後どういう形で彼女を援助していくのか、レイラや私が決めたら自分も参加する、と言ってくれた。
 フランス、韓国、日本と、母国に何の問題もない自由な国を持っている私達は、ついつい自由の有難さを忘れがちである。

 いつか、ペリンが堂々と両親に会いに行ける日が来ることを願って、私達は会場をあとにしたのだった。







「犬と三日月 イスタンブールの7年」 (新宿書房)






「チュクルジュマ猫会」





カメラマン・嘉納愛夏さんのコンヤ訪問記


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Last updated  2010年06月18日 19時27分05秒
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Re:自由の有難さ(06/18)  
tama さん
同じような話しをマルジャン・サトラピさんというイラン人アーティストが書いた作品で読んだことがあります。自由な国に生まれ育った私にはその内容はとてもショックで信じ難く、何度も読み返しました。

今回のトルコ旅行でも、一見気ままに生きている風に見えるトルコ人も多くの苦悩や葛藤があるのだと知りました。
海外のことを知れば知るほど、日本に生まれたことは本当に恵まれたことなのだと、思い知らされます。 (2010年06月18日 22時35分51秒)

Re:自由の有難さ(06/18)  
黒ネコ88  さん
自由も、健康も恵まれているうちは、なかなかその有り難さに気付かないものかと思います。
先日読みました、「生きながら火に焼かれて」と言う本がありました。
イランではありませんでしたが、中東のあるくに、ヨルダン(正確な国名ではないかもしれません)だったと思います。
女性にはが勉強する機会もなく、まだ因習の中で生かされるだけでその命は家族の長に一存されている、と言った具合です。
未だにそんな国がこの地球上にあることを思うと、参政権もあり、言論の自由もある日本の国の有り難さをつくづく感じます。 (2010年06月18日 22時41分28秒)

Re[1]:自由の有難さ(06/18)  
madamkase  さん
tamaさん
-----
>同じような話しをマルジャン・サトラピさんというイラン人アーティストが書いた作品で読んだことがあります。自由な国に生まれ育った私にはその内容はとてもショックで信じ難く、何度も読み返しました。

>今回のトルコ旅行でも、一見気ままに生きている風に見えるトルコ人も多くの苦悩や葛藤があるのだと知りました。
>海外のことを知れば知るほど、日本に生まれたことは本当に恵まれたことなのだと、思い知らされます。

★この世界には何万何十万のペリン嬢がいることでしょうね。言論統制だけならまだしも、何の自由もない奴隷のような暮らしをせざるを得ない人々の怨嗟が満ちていると思います。
 小さな草の根運動でもいい、権力に屈しない人々の心意気を見せるペリンとその友人達に心から声援を送りたいと覆っています。
(2010年06月21日 19時05分28秒)

Re[1]:自由の有難さ(06/18)  
madamkase  さん
黒ネコ88さん
-----
>自由も、健康も恵まれているうちは、なかなかその有り難さに気付かないものかと思います。
>先日読みました、「生きながら火に焼かれて」と言う本がありました。
>イランではありませんでしたが、中東のあるくに、ヨルダン(正確な国名ではないかもしれません)だったと思います。
>女性にはが勉強する機会もなく、まだ因習の中で生かされるだけでその命は家族の長に一存されている、と言った具合です。
>未だにそんな国がこの地球上にあることを思うと、参政権もあり、言論の自由もある日本の国の有り難さをつくづく感じます。

★トルコもいまは政教分離、一夫一婦制、女性には参政権がいち早く与えられ、ヨーロッパ諸国にも負けない文明的な暮らしがあります。でも地方に行くとまだまで封建的で因習の中にいきているとしかいえないようなところもあるのが実情です。

(2010年06月21日 19時11分00秒)

Re:自由の有難さ(06/18)  
marnon1104  さん
イラク戦争の時は日本中もそして私も
アラブの国の方に目が注がれていたのに
今はというと、のんきな私は今回のワールドカップには
いつもアジア代表で出ていたイランもサウジアラビアも
出なかったなぁ~ってそんな感じでした

国の政策を批判すると、捕まえて投獄
そして簡単に死刑にしてしまうなんてとても
考えられない事ですね

帰国出来無いまま、小さな運動を起こされたペリンさん
イランにおられるご家族の事では
大変心痛な思いをされているのでしょうね

どうぞ、そうした小さな運動の火種が大きく広がって
一日も早く、世界中が平和で自由な国ばかりになってほしいですね (2010年06月24日 16時01分00秒)

Re[1]:自由の有難さ(06/18)  
madamkase  さん
marnon1104さん
-----
>イラク戦争の時は日本中もそして私も
>アラブの国の方に目が注がれていたのに
>今はというと、のんきな私は今回のワールドカップには
>いつもアジア代表で出ていたイランもサウジアラビアも
>出なかったなぁ~ってそんな感じでした

>国の政策を批判すると、捕まえて投獄
>そして簡単に死刑にしてしまうなんてとても
>考えられない事ですね

>帰国出来無いまま、小さな運動を起こされたペリンさん
>イランにおられるご家族の事では
>大変心痛な思いをされているのでしょうね

>どうぞ、そうした小さな運動の火種が大きく広がって
>一日も早く、世界中が平和で自由な国ばかりになってほしいですね

★自由な国で暮らしていると自由の有難さが分からないままにときが過ぎてしまいます。世界にはまだまだたくさんの国で言論が統制され、抑圧された人々が多いのですね。
 ペリンさんは、いまにフランスで活動したいと考えており、うちの下の階に住むイザベルさんが週に一度ボランティアでフランス語を教えてくれることになりました。
 私も覚えるといいですね、フランス語。コマンタレブー(How are you?)とか。



(2010年07月04日 13時56分29秒)

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