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残照が空を茜に染める頃空の色に溶けそうに薄い月を見た一日が終わり床につく前窓を開けふと空を見上げると海面のような冬の空に夕刻のそれとはまるで違う氷のように澄んだ月・・・めぐりあひて みしやそれとも と詠んだ紫式部が思い浮かぶ夜着の襟元から忍び込む冷気を塞ぎながら傾くのをためらうように天空に留まる月をしばらく私は見入ったあゝ 妖美なこの冬の月を彼の人も見ているかしら*2/23推敲後*
2005年02月22日
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私は2月が好きです短く冷たい季節ですがはかない束の間の美しさが私は好きです 雪降りのさなかに梅や水仙が咲き遠くの山並みに春霞が兆し厳冬と春がせめぎ合う2月 きさらぎという言葉になぜか十二単衣の衣擦れの音を感じます幾重にも重ねた衣の彩りに共寝した男女の哀歓を感じます 短く冷たい2月はどこか哀しい月ですそしてはかなく美しい月です
2005年02月14日
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庭のしだれ梅が立春の昨日たったひとつ可愛い花を咲かせました立春とは名のみの風に小さな花びらは凍えそうですけれどその色にその微かな匂いにわたしの心は春色です
2005年02月05日
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金色の雨が海原をたたく冬の或る日私は縁あって傷つき回航されたヨットを出迎えた ヨットがバースに静かに入って来た時その異形な姿に私は思わず目頭が熱くなった 初めて出逢ったヨットなのに回航されるまでの経緯(いきさつ)が瞬時に脳裏を掠めたからだろうか それとも本来有るべき物がないという虚しさのその対称がなんであれ哀しみを伴うものという事なのか やがて雲が切れマリーナに日差しが降り注ぐとそんな気鬱をはじきとばすようにヨットの上に大きな虹がかかっていた幸運を願うようにそして再び海原を帆走る日を夢見るように
2005年02月03日
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