まいかのあーだこーだ

まいかのあーだこーだ

2024.04.25
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カテゴリ: ドラマレビュー!
NHK「VRおじさんの初恋」。

全32話のうちの第15話まで来ました。
ちょうど半分の折り返しですが…

ホナミの中の人の死期が迫ってる感じ。



今回のドラマには、
設定の新しさとインパクトにおいて、
5年前の「腐女ゲイ」に匹敵するものを感じます。

実際、


…についての混乱がテーマなのよね。



よるドラ「腐女子うっかりゲイに告る」は、
女子高生の告った男子がゲイだった…という話。

そして、そのゲイの男子高生は、
ネットで交流するゲイの先輩に相談に乗ってもらってて、
その人はエイズで亡くなってしまうのだけど、
死後に彼の家を訪ねてみたら、
じつは自分より若いローティーンの少年だった…という話。

いずれにしても、
リアルな正体が見た目とは違ってて、




今回の「VRおじさん」は、
いちばん純真で美しく見えるヒロインが、
じつは死期の迫ったお爺さんだった…という話。

それ以外の登場人物は、


なお、
死期の迫っているヴァーチャルな美少女は、
銀河鉄道の夜のカンパネルラにも重ねられており、
宮沢賢治の物語と同じように、
タイタニックのモチーフも取り入れられてます。


フィルハーモニック・オーケストリオン《タイタニックモデル》

そして、ヴァーチャルな世界では、
少女どうしがハグやキスをする場面もあって、

見た目には女性の同性愛に見えるのだけど、
じつは双方ともに異性愛を感じてるはず。

そして、リアルな姿になったとき、
それが男性の同性愛だったことに気づく!
しかも、高齢男性どうしの同性愛なのですね。

これは、
考えうるもっとも極端な例ではあるし、
えげつないけれど、ありうる話だろうと思う。

かりに性別が違わなくても、
アバターの姿とリアルな姿とで、
年齢や容姿が違うなんてのは、いくらでも起こりうる。


…もっとも、このドラマの場合、
死期の迫った高齢男性にとっては、

若い命に対する憧憬のほうが上回って、
相手が男なのか女なのかは、どっちでもよくなってるのかも。



これは、
ある意味で《入れ替わり》の物語ともいえます。
すなわち、心が別の身体に乗り移ってしまう話。

ただし、
大林宣彦の「転校生」や、
新海誠の「君の名は」の場合は、
本人の意思で別の身体になるわけじゃないけど、

アバターの場合は、
あくまで本人の意思で別の身体になるわけなので、
むしろアバターでいるときのほうが、
その人の本性が現れてるともいえる。

したがって、
アバターのほうこそが真実の自分で、
むしろリアルのほうが偽りの姿というべきかもしれません。



とはいえ、
アバターでいるときの関係が、
リアルな関係への橋渡しだとすれば、
どうしてもリアルに戻ったときの姿を意識せざるをえない。

どちらを真実の自分と考えるか。
どちらを真実の相手と考えるか。
そのことに混乱してしまいますよね。

たとえば、俳優さんなどの場合も、
「恋人役の相手に恋愛感情を抱いてしまう」
…みたいな話をよく聞きます。

演じてるときの関係と、
演じてないときの関係の境界が曖昧になって、
どちらが真実なのかが分からなくなる。


リアルのほうを真実と考えてしまったら、
アバターでいるときの関係は宙に浮いてしまう。

でも、
アバターでいるときの関係が、
お互いにとってかけがえのないものなら、
たとえリアルな姿とのギャップがあったとしても、
その関係を捨てる必要はないんじゃないかな…。



そう遠くない近未来に、
人間がアバターでいる時間のほうが長くなれば、
リアルな姿に戻ることを意識しなくなるのかも。

たとえ性別や年齢や容姿が、
リアルなときとは大きく違ってても、
そこへ戻ることを意識する必要がないなら、

おたがいにアバターの姿のまま、
友情や恋愛を育むことも可能なのかなと思います。







ちなみに昨夜の第15話は、
なんてことのない内容だったけど、

それぞれの登場人物のセリフに、
ちょっとずつ毒があったりして、
やりとりがとても面白かったので、
その一部を以下にメモしておきます。

佐々木:クッキーどうぞ
加藤 :もらうと返さなきゃいけないので要らないです
佐々木:お返しなんて気にしないで、どうぞ
加藤 :佐々木さんが気にするかどうかは気にしてません。自分が気になるのが嫌なんです
佐々木:そうですか



堀 :お見舞い行くならスケジュール調整しますから、何なりと
飛鳥:要らない。どうしても必要なら葵に行かせる
堀 :社長、家族にだけは優しくないっすよね
飛鳥:遺伝じゃない?



佐々木:澤田さんが見て来いって。もしものことがあったら寝覚めが悪いって
直樹 :ひどい言い方だな
佐々木:優しさを素直に言えない人、多いですよね
直樹 :澤田さんは違うでしょ



直樹:アイスコーヒー「L」ください
荒井:今日は寒いですけど
直樹:寒い時ほど飲みたくなります
荒井:風邪ひかないように



荒井:若いのに現金って珍しいよね
加藤:払う実感ないと美味しくないから



ちょっとしたセリフのやりとりに脚本のセンスを感じる。
それとも原作どおりなのかしら?



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最終更新日  2024.04.27 10:31:19


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