メートル・ド・テル徒然草

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エルネスト1969

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Oct 3, 2005
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 本日ご来店のお客様はとある日本の大手企業の部長クラスの方々。
あらかじめ予約の際に接待の席と言うので割とよい席も用意しました。

 接待の席ですから、お客様の会話は自然と仕事の話に向かいます。その企業の方々は最近中国への進出したらしく、現地での指導にあたって、採用した中国人の姿勢を非難していました。グローバル化がなされていないんじゃ無いかと。

 ところが、皆様の食事の姿勢こそが全然「グローバル」じゃないんですね。
 脚を組んで椅子に腰掛け、パンはちぎらずにかぶりつく。目下の社員の方が食べ終わるのが遅い。食事の合間に喫煙とホールでの携帯電話。いい席と言うのは、レストランのホール内においては他からもよく見える席ですから、別卓のお客さまの目にも見栄えがよく無いです。

 以前、中国、上海からの留学生をアルバイトで雇い、共に働いた事がありました。彼女は中国におけるいわゆるエリート階級で、日本語はまだまだ上手く話せませんでしたが、英語のスキルは欧米人と大差無い。

 海外に進出する日本の大手企業でさえ、中国人の採用にあたっては、「日本語を必須」を条件としているそうです。彼等にとって世界に出ていくのならば、欧米諸国は英語が出来れば仕事上は不自由は無いのに、日本企業だけが日本語が出来ないと就職できない事に疑問を感じているそうです。

 過去、日本の西洋料理、フランス業界は、飛躍的な発展を遂げた出来事があります。ひとつは1968年、東京オリンピックともうひとつは1970年の大阪万博です。当時、世界を垣間見た我々の諸先輩方は、刺激を受け現代とは全く条件の違う中、ヨーロッパに修行に出られました。また、東京オリンピックでの日本の料理長の奮闘はNHK「プロジェクトX」にても取り上げらるまでになっていました。
 私にとっては2世代前の方々なのですが、現在のフランス料理の礎になった事は間違いありません。



 フランスにおいてシェフと呼ばれる人々は、聖職者や医者に次ぐ尊敬されるべき職業として社会的地位が高いと言われています。これはとりもなおさず、フランスにとってフランス料理は形の無い文化でありながら、世界に向けて発信できる輸出品であり、また、シェフとはその担い手でもあるからなのです。

 2008年にオリンピックを控えた中国も今、外国人を迎えるためにホテルが次々と建設されています。しかし、ハード面での施設の充実は出来ても、サーヴィス、つまりソフト面での向上はまだまだ間に合ってはいないようです。「サーヴィス」への広い認識がまだまだ不十分なようです。
 さて、北京オリンピック、35年前の日本の様子と同じ事が起こりうるかも知れません。日本は西洋の文化を受け入れてきた事においては、少なからず歴史が余分にあります。また、家電製品の例を引くまでも無く、ヨーロッパの文化をリコンストラクションする能力にも長けている国であるともいえます。

 中国はやはり欧米から学ぶのでしょうか?隣国である日本から「サーヴィス」というソフトを輸入するに至ってはまだまだ日本のサーヴィスは不十分なのでしょうか?






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Last updated  Oct 6, 2005 12:30:57 AM
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背番号のないエースG @ チョコレート 「風の子サッちゃん」 ~ Tiny Poem ~…
坂東太郎G @ 「辛味調味料」そして考察(01/16) 「石垣の塩」に、上記の内容について記載…
エルネスト1969@ Re[1]:ホスピタリティは「人」ありき(10/04) はな。さんへ コメントありがとうございま…

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