趣味の漢詩と日本文学

趣味の漢詩と日本文学

September 17, 2005
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見秦系離婚後出山居作 
豈知偕老重、垂老絶良姻。
■(希におおざと。チ)氏誠難負、朱家自愧貧。
綻衣留欲故、織錦罷經春。
何況▲(クサカンムリに靡。ビ)蕪緑(一作在)、空山不見人。
【韻字】姻・貧・春・人(平声、真韻)。
【訓読文】
秦系の離婚して後に山居を出づるを見て作る。
豈に知らんや偕老の重きことを、老に垂(なんなん)として良姻を絶つ。

綻衣留むれど故(ふ)りんと欲し、織錦罷(つか)れて春を経たり。
何(いかに)況(いはんや)▲(ビ)蕪緑(一作在)にして、空山人を見ざるを。
【注】
○秦系 劉長卿の友人。3番に既出。
○山居 山のなかの住居。
○偕老 ともに老いる。
○垂老 老人になりかかっている。
○良姻 よい縁組み。
○■(チ)氏 何か故事があるらしいが未詳。
○朱家 朱買臣の妻は貧しさにたえられずに逃げ去ったが、のちに夫が出世し太守として赴任した姿を見て、はじて自殺したという。
○▲(ビ)蕪 香草。オンナカズラの苗。センキュウ。

【訳】
秦系が離婚して後に山居を出てしまったのを見て作った詩。
君はまだ夫婦そろって歳をかさねることの重要さがわからぬのであろう、老境に近づくのに良い結婚生活をやめてしまったね。
■(チ)氏は誠意から夫を捨てたりしなかったが、朱家の妻は貧乏をはじて出ていった。
ほころんだ着物は縫い合わせてもじきに古くて着られなくなり、にしきを織ってもヨレヨレのまま春が過ぎた。





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Last updated  September 17, 2005 08:16:24 PM
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