趣味の漢詩と日本文学

趣味の漢詩と日本文学

September 18, 2005
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酬秦系 

鶴書猶未至、那出白雲來。
舊路經年別、寒潮毎日迴。
家空歸海燕、人老發江梅。
最憶門前柳、■(門のなかに月。カン)居手自栽。
【韻字】來・廻・梅・栽(平声、灰韻)。
【訓読文】
秦系に酬ゆ。
鶴書猶ほ未だ至らず、那(なんぞ)白雲を出でて来たる。

家空しくして海燕帰り、人老いて江梅発(ひら)く。
最も憶ふ門前の柳、■(カン)居して手自(てづから)栽ゑしことを。
【注】
○秦系 劉長卿の友人。
○鶴書 朝廷が賢者を招く詔書。
○那出白雲來 56番に既出の離婚を非難する意が含まれているのであろう。
○白雲 白い雲が湧き起こるような深い山のなか。
○閑居 することもなく、のんびり暮らす。
○手自 みずからの手で。
【訳】
秦系からおくられた詩に答えた詩。

あの古びた道でお別れしてから何年もたつが、寒々とした海潮は君の住む所から私の住む所まで日ごとにめぐっている。
家は主人を失ってもツバメはもどってきて、川べりのウメが咲く春には人はまた年をとる。
思い出すのは、あの門前の柳を、隠棲するにあたって陶淵明にならって君自身の手で植えた時のこと。





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Last updated  September 18, 2005 10:18:38 AM
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