趣味の漢詩と日本文学

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November 14, 2005
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カテゴリ: 漢詩・漢文
集梁耿開元寺所居院 劉長卿
到君幽臥處、為我掃莓苔。
花雨晴天落、松風終日來。
路經深竹過、門向遠山開。
豈得長高枕、中朝正用才。
【韻字】苔・來・開・才(平声、灰韻)。
【訓読文】
梁耿が開元寺の居る所の院に集ふ。
君が幽臥の処に到れば、我が為に莓苔を掃へり。

路は深竹を経て過ぎ、門は遠山に向かつて開けり。
豈に得んや長く枕を高くするを、中朝正に才を用ゐん。
【注】
○梁耿 劉長卿の友人らしいが、未詳。
○開元寺 この名の寺は各地にあって、特定できない。
○所居 居住している。
○院 囲いのある建物。
○幽臥 世のわずらわしさを避けて静かに暮らす。
○莓苔 コケ。
○高枕 枕を高くして安眠する。安心して暮らすたとえ。
○中朝 中央政府。

【訳】
開元寺の梁耿が暮らしている院に集ったときに詠んだ詩。
君がひっそりと暮らす寺にやってきたら、我々のために足元が滑らぬようコケも掃除してあった。
晴れた空からは花びらが雨のように降ってきて、すずしい松風が一日中吹き寄せる。
路は深い竹林の中をぬけ、門は遠い山のほうをむいて開いている。





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Last updated  November 14, 2005 07:29:44 PM
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