趣味の漢詩と日本文学

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November 16, 2005
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カテゴリ: 漢詩・漢文
游休禪師雙峰寺 
雙扉碧峰際、遙向夕陽開。
飛錫方獨往、孤雲何事來。
寒潭映白月、秋雨上青苔。
相送東郊外、羞看■(「聰」の「耳」を「馬」に換えた字。ソウ)馬回。
【韻字】開・來・苔・回(平声、灰韻)。
【訓読文】
休禅師の双峰寺に遊ぶ。
双扉碧峰の際、遥かに夕陽に向かつて開く。

寒潭白月を映じ、秋雨青苔に上る。
相送る東郊の外、■(ソウ)馬の回るを看られんことを羞づ。
【注】
○休禅師 劉長卿の知人の禅僧であろうが、未詳。
○双峰寺 寺院の名であろうが、未詳。
○飛錫 錫杖をとばす。僧が各地を行脚すること。
○孤雲 空にぽつんと一つ浮かぶ雲。ここでは禅師の孤高の姿になぞらえているのであろう。
○東郊 東の方の郊外。
○■(ソウ)馬 青みがかった白馬。
【訳】
休禅師のおられる双峰寺を訪ねたときの詩。

禅師は錫杖をついて、この地にやってこられ、たった独りでこの寺に住み、修行なさっておられるが、どういうわけか寺の上空に、どこからか飛んできた一片の雲が浮かんでいる。
つめたい水をたたえた淵には白く輝く月が映り、秋の雨が地に敷き詰めた苔の上に降りそそぐ。
訪問を終えた私を東の郊外まで送ってきてくださったが、ふたたび汚れた俗世間に馬に乗ってかえる我が身を禅師がごらんになっていると思うと気恥ずかしい。





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Last updated  November 16, 2005 11:03:16 AM
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