趣味の漢詩と日本文学

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November 22, 2005
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カテゴリ: 漢詩・漢文
更被奏留淮南送從弟罷使江東 劉長卿
又作淮南客、還悲木葉聲。
寒潮落瓜歩、秋色上蕪城。
王事何時盡、滄洲羨爾行。
青山將緑水、惆悵不勝情。
【韻字】聲・城・行・情(平声、庚韻)。
【訓読文】
更に奏せられて淮南に留まり従弟の罷めて江東に使ひするを送る。
又淮南の客と作(な)り、還つて木葉の声を悲しぶ。

王事何れの時にか尽きん、滄洲爾が行を羨む。
青山と緑水と、惆悵して情に勝(た)へず。
【注】
○淮南 唐の方鎮の一。治所は揚州にあり。
○江東 安徽省蕪湖以下の長江の南岸の地区。
○瓜歩 今の江蘇省六合県の東南の瓜埠。
○蕪城 江蘇省揚州市の西北にあり。
○王事 王が行うべきこと。すなわち政治。
○滄洲 いなかの水辺。隠者のいるところ。
【訳】
また天子へ奏上されてわが身は淮南に留まることになり、従弟がこの地の職を罷めて江東に使者として赴任するのを見送る。

冷たい潮は瓜歩に注ぎこみ、蕪城のあたりはすっかり秋のけはい。
為政には終わりはなく、わが身はこの田舎であなたの赴任を羨む。
青い山と緑の水と、あなたとの別れを嘆くが感に堪えない。





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Last updated  November 22, 2005 09:05:24 PM
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