趣味の漢詩と日本文学

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January 3, 2007
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カテゴリ: 漢詩・漢文
送陸■(サンズイに「豐」。レイ)還呉中(一作李嘉祐詩) 劉長卿
瓜歩寒潮送客、楊柳(一作花)暮雨沾衣。
故山南望何處、秋草連天獨歸。
【韻字】衣・帰(平声、微韻)。
【訓読文】
陸■の呉中に還るを送る。
瓜歩寒潮客を送れば、楊柳暮雨衣を沾す。
故山南のかた何れの処にか望まん、秋草天に連なつて独り帰る。
【注】

○呉中 江蘇省の蘇州を中心とする太湖平原一帯。
○瓜歩 瓜歩江。江蘇省揚州市の南の瓜洲鎮付近の長江。
○寒潮 秋冬の冷たい潮流。
○客 旅人。
○楊柳 ヤナギ。
○故山 故郷。
【訳】
陸■(レイ)が呉に帰るのを見送る詩。
瓜歩にて君を見送れば川の流れも寒々し、土手の柳もさびしげに衣をぬらす暮れの雨。
君のふるさと南方のいずれのあたりか今みえず、秋の草のみ遠くまで続くかなたに帰りゆく。

【参考】『才調集』巻八に李嘉祐の作として収める。

瓜歩寒潮送客、楊花暮雨霑衣。故郷南望何處、春水連天獨歸。





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Last updated  January 3, 2007 10:30:07 AM
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