趣味の漢詩と日本文学

趣味の漢詩と日本文学

March 25, 2007
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カテゴリ: 漢詩・漢文
時平後春日思歸 劉長卿
一尉何曾及布衣、時平卻憶臥柴扉。
故園柳色催南客、春水桃花待北歸。
【韻字】衣・扉・帰(平声、微韻)。
【訓読文】
時平らかになりて後、春日帰らんことを思ふ。 劉長卿
一尉何ぞ曽て布衣に及ばん、時平らかにして卻つて憶ふ柴扉に臥さんことを。
故園の柳色は南客を催し、春水桃花北帰を待つ。
【注】

○尉 警察官の長。
○何曽 反語で、どうして。
○布衣 官位のない庶民。
○柴扉 しばで作った戸。あばらや。
○南客 南方からの旅人。ここでは自身をいう。
○春水桃花 桃の花咲くころに、雪解け水で川が増水するのを桃花水という。
【訳】
戦乱がおさまり泰平になってのち、ある春の日に故郷に帰りたいと思って詠んだ詩。
県尉の職はせわしなく、気楽な庶民におよぼうか、世の中平和とりもどし、田舎暮らしにあこがるる。
故郷の柳の枝は揺れ、南の旅人手招きし、水ぬるむ春、モモも咲き、北へ帰る日待ちのぞむ。





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Last updated  March 25, 2007 05:46:59 PM
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