趣味の漢詩と日本文学

趣味の漢詩と日本文学

April 2, 2007
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カテゴリ: 漢詩・漢文
罪所留繋毎夜聞長洲軍笛聲 劉長卿
白日浮雲閉不開、黄沙誰問冶長猜。
只憐横笛關山月、知處愁人夜夜來。
【韻字】開・猜・来(平声、灰韻)。
【訓読文】
罪所に留繋せられて毎夜長洲軍笛声を聞く。
白日浮雲閉ざして開かず、黄沙誰か問はん冶長の猜みを。
只だ憐む横笛の関山月、愁ひに処(を)る人を知つて人夜夜来たることを。
【注】

○留繋 獄につながれる。
○長洲 江蘇省蘇州市。
○浮雲 太陽の光を覆い隠すところから、小人や悪人のたとえ。
○黄沙 砂漠地帯。
○冶長猜 公冶長は無実の罪で獄に繋がれた。『論語』《公冶長》「縲紲の中に在りと雖も、其の罪に非ざるなり」。
○関山月 楽曲の名。
【訳】
流罪の地にて拘留され毎晩長洲軍の笛の音を聞いて詠んだ詩。
天道様も雲はれず日の目をみないかのように、わが冤罪も晴れずして人にそねまれこんなざま。
なぐさめとては軍中で誰が吹くやら横笛の、曲も名高き関山月、毎夜わが耳おとずれて
すこしく癒やす我が心。





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Last updated  April 2, 2007 07:19:21 PM
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