趣味の漢詩と日本文学

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August 13, 2007
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カテゴリ: 漢詩・漢文
雙峰下哭故人李宥 劉長卿
憐君孤壟(一作冢)寄雙峰、埋骨窮泉復幾重。
白露空霑九原草、青山猶(一作獨)閉數株松。
圖書經亂知何在、妻子因貧(一作移家)失所從。
惆悵東皋卻歸去、人間無處更相逢。
【韻字】峰・重・松・従・逢(平声、冬韻)。
【訓読文】
双峰下にて故人李宥を哭す。
君が孤壟(一に「冢」に作る)を憐びて双峰に寄り、骨を埋め泉を窮めんとして復た幾重。

図書乱を経て何くに在るを知らんや、妻子貧に(一に「移家」に作る)因りて従ふ所を失ふ。
惆悵す東皋卻つて帰り去り、人間処として更に相逢ふこと無きを。
【注】
○双峰 ■(クサカンムリの左下に「單」、右下に「斤」。キ)黄梅県の山の名。
○李宥 大暦中の人。槁城県の主簿に官す。
○孤壟 ぽつんと独立した墳墓。
○窮泉 九泉(地下深いところ。人が死後埋葬されるところ)の下。墓の中を指す。
○九原 春秋時代の晋の国の卿大夫の墓地のあるところ。のち、ひろく墓所を指す。
○青山 骨を埋める土地。墳墓の地。
○数株 数本。
○図書 書物。

○惆悵 嘆きかなしむ。
○東皋 田野や高地。
○人間 この世。
【訳】
双峰山のふもとで故人李宥の死を嘆く。

九原の草露に濡れ、数本の松に囲まれて。
戦乱ののち図書も失せ、妻子も路頭に迷うらん。
ああ悲しきは君すでにあの世へ帰り墓地の中、もうこの世では生きてまた再び会える時もなし。







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Last updated  August 13, 2007 01:25:25 PM
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