趣味の漢詩と日本文学

趣味の漢詩と日本文学

January 12, 2011
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カテゴリ: 国漢文
【本文】但馬の国にかよひける兵庫の允なりける、女を置きて京へのぼりければ、雪の降りけるにいひおこせたりける、

やまざとに我をとゞめて別れ路のゆきのまにまに深くなるらむ

といひたりければ、返し、

やまざとにかよふ心もたえぬべしゆくもとまるも心ぼそさに

となむかへしたりける。

【注】
・但馬の国=山陰道八か国の一つ。いまの兵庫県北部。
・兵庫の允=兵庫寮(兵部省に属し、武器庫や武器の出納・虫干し・修理などをつかさどる役所)の三等官。

【訳】但馬の国の女の所に、夫として通っていた兵庫の允だった男が、女を置いたまま単身京へのぼったので、雪が降った日に男の元へ作ってよこした歌、



と歌ってあったので、それに対する男の返歌、

あなたの住む人けの少ない山奥の村里に通う気持ちも無くなってしまいそうだ。雪深い道を進んで行く私も、とどまるあなたも心細いわけだから。

と歌を作って返したとさ。








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Last updated  January 12, 2011 05:03:35 PM
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