趣味の漢詩と日本文学

趣味の漢詩と日本文学

January 19, 2011
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カテゴリ: 国漢文
【本文】同じ女、故兵部卿の宮、御消息などしたまひけり。「おはしまさん」とのたまひければきこえける、

たかくとも何にかはせん呉竹のひとよふたよのあだのふしをば
【注】
・同じ女=修理の君という女房。
・故兵部卿の宮=陽成天皇の皇子、元良親王。《百人一首》の「わびぬれば今はたおなじ……」の歌で知られる。(890……943年)
・消息=たより。文脈により、手紙・伝言・来意を告げること、などの意になる。
・呉竹=淡竹(はちく)。竹の一種で葉が細く節が多い。宮中の清涼殿の御溝水(みかわみず)のほとりにも植えられていた。中国で梁の孝王が御苑に竹を植え修竹園と名づけた故事にちなみ、往々にして「竹」は、皇族のたとえに用いられる。
・ひとよふたよ=竹の節と節との間を指す「よ」と、一晩二晩の「夜」の掛詞。
・あだ=「無益だ」と「移り気であてにならない」意を兼ねさせている。


丈が高くても何になるでしょう、呉竹の一節二節といったちょっとした役にも立たない節なんか。(あなた様の身分がいくら高くっても何になるでしょう。一夜二夜しかいらしてくださらない、不誠実なお泊まりなんて)






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Last updated  January 19, 2011 01:35:42 PM
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