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小説 「 scene clipper 」 again 第 1 9 話
品川までは、まだまだだね、と思い
「もうひとつ、品川までの話です」
「京王線千歳烏山に第一号店がある新宿のライブハウスに僕と当時の
仲間たちはよく通ってました。
床も壁も赤レンガ造りでして、壁にはビートルズ 4 人のパブミラーが飾り
付けてあって、欧米人たちにも人気の店でした」
「それは、そんな店があったのか、
そんな店なら私も行ってみたかった・・・というか、今その店は?」
「残念ながら、もうありません。歌舞伎町に移転したんですが、
昔とは趣が違っているらしくて、一度覗いてみた友人が『もう行かねえ』
ときっぱり言い切ってまして、私も彼とほぼ同じ趣味なので行ってません」
「おっと、また話の腰を折ってしまったね。悪かった」
「いえ、・・・そのお店、今思い出してみると記憶にあることがいくつ
かありました。これはその内のひとつなんですが、 何年か前、そこで飲んで
ました。連れは日本人 1 人と米・豪 1 人ずつ、あと英が 2 人。何度か
来てたら親しくなって・・・」
「ほう、それじゃあリョウ君は英語話せるのかい?」
「ほんの少しです。ヨーロッパを 1 人でバイトしながら 1 年でペラペラ
になって帰国した先輩がいまして、先輩って言ってもその方は九州じゃ
なくて浦和のご出身でして、わからない部分はその方が訳してくれ
たので、ドライブしたり、温泉行ったり・・・
でもライブハウスで会うのが一番多かったですね」
「あの日、何時ものように音楽談義に花を咲かせていたんですが、
連中が指さす方を見るとドイツ人が 2 人、ドイツ語って意味不明でも
ドイツ語だと見当がつくんですね。
その内の一人に呼び止められまして。するとビール瓶片手にした
そいつが言うんです、
英語で、「ww2は残念だった。次(ww3だろうね)は頑張ろうな」
その声が聞こえたんでしょう、欧米人ってドイツ人を嫌ってる
のが多くて、英のTが険しい顔で僕を呼ぶんです。僕は手で
『抑えろ』と合図してドイツ野郎に向き直り中指を立てて見
せてやりました。
しらけた奴を残して席に戻ると、みんなが立ち上がってハイタッチ!
米の J などはニッコリ笑って「リョウちゃん、あれでいい上出来だ!」
と言ってくれましたね・・・
ドイツ人、たまにとんでもないのがいる、というお話でした」
「いやいや、リョウ君の経験は本当に多岐に渡るねえ、
どうしてかねえ・・・君にはなにか特別な役目があるんじゃないだろうか?
私にはそう思えるんだなあ・・・」
先ほどから、車窓を、立ち並ぶビルが占めるようになってきていた。
こんばんは。書けるときにはさっと、一気に書き上げる事が出来る
のですが・・・ (-_-;)
小説 「scene clipper」 again 第18話 2025.10.29 コメント(4)
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