2023.06.15
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鋼の引張り強さ、降伏点と温度の関係

Q 鋼の引張り強さ、降伏点と温度の関係は?

A 引張り強さは200~400℃程度で最大となり、それ以上は急激に低下します。降伏点は温度が上がると低下します。

鋼は熱でアメのように柔らかくなるので、構造体には耐火被覆が必要となります。耐火被覆が本格的に使われるようになったのは、シカゴ大火(1871)後のシカゴ派の鉄骨造のビルにおいてです。ただし鋼は200~400℃程度では強度は高くなる性質を有し、それ以上の温度では強度は低下します。200~400℃では強度は増す一方で伸びが低下し、もろく割れやすくなる危険域で、青熱脆性域(せいねつぜいせいいき)と呼ばれます。鋼を加熱して曲げ加工する場合は、200~400℃を避けて850~900℃の赤熱状態で行います。降伏点とヤング係数は、温度が上がると下がる右下がりのグラフとなります。-30℃程度以下の超低温では鋼は粘りがなくなり、シャルピー吸収エネルギーが低下して、脆性破壊しやすくなります。 温度と強度のグラフ形は、頭に入れておきましょう。

・強度とは破断する時の最大の強さのこと。降伏点とはσ(応力度)-ε(ひずみ度)グラフの原点を通る直線(弾性)が終わる応力度のこと。そこから先は塑性。ヤング係数はその直線の傾き。






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旧版の修正などは下の動画やHPを参照してください。






JASS5改定(2022年末)による1級建築士受験スーパー記憶術の修正

JASS5改定(2022年末)による2級建築士受験スーパー記憶術の修正






​法規スーパー修正部分

​​
1級、その他の修正部分
p112上 開口周比が0.4%、0.4が混在→0.4に統一、%を取る。
p136最上段 構材規格記号→鋼材規格記号

p198上 CB1=・・→QB1=・・、CB2=・・→QB2=・・、CB3=・・→QB3=・・。
p206最下行 X、Y方向で壁率比の小さい方→X、Y方向で壁量充足率の小さい方
p281最上段 温度6要素→温熱6要素
p290、2行目 10ppm以下→6ppm以下(基準が変更)
p290、語呂 専 務 が屁をする 専の下に1000 務の下に6 に変更

p316 下イラスト内吹き出し 天井と反射して→天井に反射して
p369 最下段 ( )cm以上→m以上
p371 3段目 【重工業 の下の1.5㎡→15㎡

2級、その他の修正部分
p51、イラスト内ふき出し 910(3尺=洋間)→910(3尺=半間)
p307、上から5行目の式の分母 弾性半径→弾力半径
p314、上から3行目語呂 丸太の年齢は→丸太の年輪は
p314 最下段A 10ppm以下→6ppm以下(基準が変更
p314 最下段の語呂 専 務の息は臭い! 専の下に1000 務の下に6ppm に変更

p377、5段目 入口、交差点の距離は→交差点から入口までの距離。
p381、4段目解答 楕円形ドーム→取る。


お手数をおかけして、大変申し訳ありません。 ​​

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​​動画リストのリスト​​ ​​


 ゼロからはじめるシリーズの17冊目、 近代建築入門 が出版されました!約400頁のすべてにイラストを付けました。ライト、ミース、コルビュジエ、グロピウスばかりでなく、ラッチェンス、ガルニエ、ペレも深堀り。表紙はドミノシステムを変形(だから角柱)+サヴォア邸+プレキャスト風味に、はしごが左に寄っているのはガルシュの家(ミースのテューゲントハット邸も)の外階段やテラスの欠き込みから、1階のコルはモデュロールのポーズ、ペリアンも登場(裏表紙ではペリアンがコルの長椅子に座る)、海はコルがあこがれ、最期の場所ともなる地中海。アイデアはボクで、絵はイラストレーターの内山良治さん。

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Last updated  2024.03.17 10:31:59
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Re:鋼の引張り強さ、降伏点と温度の関係(06/15)  
パリパリクエスト・ザ・グレート615世 さん
拝啓 ミカオ教授様こんばんは。

ミカオ教授は最高です。

コメント出来て光栄です。

末永くお元気でご活躍下さい。

一建築ファンとして応援させて頂いております。


敬具 パリパリクエスト・ザ・グレート615世 (2023.06.15 21:13:42)

Re[1]:鋼の引張り強さ、降伏点と温度の関係(06/15)  
ミカオ さん
パリパリクエスト・ザ・グレート615世さんへ

ありがとうございます。
(2023.06.16 00:03:59)

加熱温度と告示について  
ファブリケータ管理者 さん
いつも拝読させていただいております。
ファブリケータにおける実施工の観点(製作要領書作成)から質問させていただけないでしょうか?

記事中に
「鋼を加熱して曲げ加工する場合は、200~400℃を避けて850~900℃の赤熱状態で行います」とあります。

これは国内Sファブも製作要領書に盛り込んでいる極一般的な教科書通りの注意事項と解釈しております。

これに対し
告示2464号 第一項 三 で「加工後の当該鋼材等の機械的性質、化学成分その他の品質が加工前の当該鋼材等の機械的性質、化学成分その他の品質と同等以上であることを確かめなければならない。」と定め、その例外として
ロ(ろ) で「摂氏五百度以下の加熱を行うとき」としています。

以上から、恐らく日本で多くのファブが標準的に定めている「850~900℃の赤熱状態で曲げる」と言う行為は、告示に定められている加工後の当該鋼材等の機械的性質、化学成分その他の品質が加工前の当該鋼材等の機械的性質、化学成分その他の品質と同等以上であることを確かめなければならない、に該当するのでしょうか?
Sファブが告示を見落としているとも思えず、且つSファブなら上記確認も行っていそうでもあり、その確認をやっていないファブとしては、安易に500℃超の加熱と記載することを懸念し、いろいろ調べている間にこのページにたどり着き、質問させていただいております。
見解をお伺い出来たら幸いです。 (2024.06.21 11:50:08)

Re:加熱温度と告示について(06/15)  
ファブリケータ管理者さんへ
コメントありがとうございます。
JASS6を見ると、曲げ加工は常温または加熱で、加熱加工の場合は赤熱状態(850~900℃)とあります。
学会の鉄骨工事技術指針・工場製作編の加熱曲げ加工を見ると、通常は常温曲げ加工を行う。部材を全体的に加熱して加工を行う場合は、900℃~1100℃で行うとあります。
うーん、この辺は難しくて不用意なことは言えません。告示の例外規定がよくわかりませんが、500℃以下の場合、脆性域にかかるとまずいかと思いますが、どうなんでしょうか。 (2024.06.28 19:42:56)

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ミカオ建築館 @ Re:加熱温度と告示について(06/15) ファブリケータ管理者さんへ コメントあり…
ファブリケータ管理者@ 加熱温度と告示について いつも拝読させていただいております。 フ…
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kareta497 @ Re:コンクリート充填鋼管構造CFT(04/08) お久しぶりです。いーかでお会いした 宮崎…
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