南風一の世界

南風一の世界

2012/03/03
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    何を勘違いして    南風一


すべてが過ぎ去って

ようやく人の心持ちに思い至っている

たとえばラブレターの中ですでにきみにプロポーズして

いることなんか

本当は確かにおかしいことに違いなかった


俺はきみの本当の姿をこれっぽっちも知らなかった

きみも俺のことをちっとも知らなかった

それからきみのお父さんからすれば

少しくらい勉強ができたことや

大学のラベルなんかどちらでも良かった


そんなことより

自分の娘が持って生まれた自分のぶにを

健やかにまっとうしてくれること

父親としてただそれだけしか望んでいなかったことに

ようやく思い至った


きみだけしかいないとか

きみと結ばれることで人生の問題がすべて解決できるとか

それ以降の人生がバラ色になるなんて

有り得なかったのに

あの頃なぜあんなふうに信じ切っていたのかな?


今なら有り得ないってことが

分かる

きみの後ろ姿を見たとき

こんな大きなお尻の娘で良かったのかな?

俺は何か勘違いしているのじゃないかな?

ふと過ぎった疑問は確かにその通りだった

(詩集の宣伝)
「どこにでもある光景」3月26日発売。


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Last updated  2012/03/03 05:57:53 PM
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