南風一の世界

南風一の世界

2012/04/08
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   4月2日    南風一


俺が好きだった彼女は

学年で一番の早生まれだった

だから今なら5十云歳ということになる

(にわかには信じがたいことだ)


地方の田舎から都会に出て

何に悩んでいたのか今となっては定かではない学生時代を終えて

きみにいつでも電話できる仲になって

ようやく天にも昇る気持ちとはこういうものかと

悟った


きみはあけすけに

好きな職場の同僚のことを話したし

俺も半分本気 でも半分冗談で

もしきみの恋が実らなかったら

俺と結婚しようなんて言ったかも知れない


そうこうするうちに

俺は結婚することになって

半年ぶりだったかな

きみに電話した


俺が結婚したと切り出すと

きみはきつい口調で怒った

「よくもまあ奥さんのことも考えず

 恥も外聞もなくぬけぬけ私のところに電話をかけて来れたものね」


「分かった。ごめん

 二度と電話しないから。じゃあ」


あれからもう26年

(詩集の宣伝)
「どこにでもある光景」3月26日発売。


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Last updated  2012/04/08 05:29:58 PM
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