いつもの立春 南風一
今年は確かに私の定年の年には違いないけれど
取り立てて変わったところはない
ちょうど大学4年生のとき
進学が決まらず就職もできず
単位は揃っていたけれど卒業しなかった
そのときの立春も
取り立てて変わったところもなく過ぎて行った
それから36年が過ぎて
今秋定年の日が来て一年が終わる頃には
今年の立春も取り立てて変わったところもなく過ぎて行った
と思うのだろう
そうこうしているうちに
祖父母も父も母もいなくなってしまったから
私の思いだけが漂うことになるのだろう
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