1年 南風一
梅が満開を迎える季節になると
身体や意識が新しい息吹を感じて
また新しい1年が始まると感じる
使わないクレジットカードの会員費の引き落としを知らせてくる電話の
1年は早い
他方毎月の給料日はなかなかやって来ない
財布がすっからかんになると
半月ほど平日は仕事から帰れば何事もなかったように早く眠り
週末は家に籠っている
そうやって過ごす2週間もあっという間に過ぎ去る
楽しいひと時も何もない日も
何事もなかったかのように眠り
目が覚めれば仕事に出かけて
我を忘れて些事にかまける
そうやって日々を過ごしていれば
人生の意義とか寄る歳月とかといったことに思いを巡らせる余裕もないから
毎日生きることは極めて簡単
そういう生理に従うだけの暮らしが
一番幸福な姿に違いないけれど
獣の暮らしと何処に違いがあるのだろう?とも思う
それってきっと人間の傲慢なのだろうと思う
獣の暮らしの方が人間より劣っているって
誰がそう判断したのだろう
(詩集の宣伝)
「青春17切符+1」3月26日発売。
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