ブログ版 南堀江法律事務所

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Bar UKからのお知ら… うらんかんろさん

2008/04/04
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カテゴリ: 法律、制度
ガソリン減税の話です。

「一生ペーパードライバー」を決め込んでいる私としては、ガソリンスタンドの値引きは縁のない話だと思っております。
むしろ、減税による財政難で公共工事がストップしたりして、ウチの依頼者でとばっちりを食う方はいないかと心配しております。

さて、なぜガソリンが安くなったかといえば、ご存じのとおり、
ガソリンにかかる税率を暫定的に高める租税特別措置法が期限切れになり、その税率を継続するための法律案は、参議院で第一党としての勢力を誇る民主党の反対により成立しなかった。

冒頭に書いたような身近なことばかりでなく、今後の混乱は容易に想像されます。
本年度の予算はすでに成立しており、この国の運営にあたって何にどれだけお金を投じるかは決まっている。それなのに、そのための原資となるべき税収を得るための法律が存在しない。

このように、予算と法律が食い違ってしまう場合を、「予算と法律の不一致」といいまして、憲法の教科書の「財政」の章のところに必ず出てきます。
(「人権」とか「国会」の章よりは地味な話が多いので、たぶん学生や司法試験受験生には不人気な分野だと思います)


憲法上、予算は、政府(内閣)が作って国会が承認する、
法律は、国会が作る、というのが憲法のタテマエだけど大抵は役人(つまり政府)が原案を作っている、
というように、予算も法律も国会と内閣の協同のもとに作成されるからです。

憲法のことはともかく、今のこの国は、サラリーマンが4月からの月給を突然下げられた一家のような状態です。国を動かすためのお金がないのです。
当面、ガソリンは安くなるかも知れませんが、その後の影響が心配です。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(この先は憲法の勉強をしている人向けです)

教科書でよく出てくるのは、
予算は成立したが、その支出を命ずる法律が成立しなかった
(例、「ナントカ庁」を作るために予算を組んだが、その根拠となる「ナントカ庁法」は国会で成立しなかった)というものですが、
今回のは、

という状態で、これは珍しいパターンかも知れません。

もう一つ、教科書に出てくるのは、
法律は制定されたが、予算が成立しなかった
(例、「ナントカ庁法」はいったん成立したが、国会が「そんな省庁やっぱりムダだ」と言い出し、そこに予算を組むことを認めなかった)
というケースで、おカネがないという点では今回はこちらに近い。






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Last updated  2008/04/04 11:05:56 AM
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