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* | 吉野川、行く瀬の早みしましくも紀ノ川の上流吉野川は、有数の多雨地帯として知られる大台ヶ原に源を発する。近畿の屋根と呼ばれる大峯の山々を回りこんで支流を集め、桜の里吉野の山麓に流れこむ川筋は急流であったのだろう。とりわけ奈良盆地の行き場を模索しつつ蛇行する河川と比べては。 大型のダムと治水工事の数々で、いまは落ち着いた流れになったろうか。橋から見下ろせば、岩場の淵にのみ白い泡沫の立つ濃い緑の川面が、深く広く削られた川幅の底にあった。 岩を伝う吉野川、淀まないのは千の歳月、その時の流れか。大峯全域ほどの大岩を三年に一度、天女が舞い降りて羽衣で撫で、岩がすり切れてなくなってしまうまでの時間を劫という。緩やかになった流れで岩を撫でて、吉野川は永劫を流れゆく。 いにしへの賢(さか)しき人の遊びけむ 吉野の川原見れど飽かぬかも (万葉集)吉野の川辺は太古より遊び場であったようだ。そして今も。とりわけ昨日、11月4日は、第25回 吉野川ハーフマラソン大会 が開催され1700名を越す人々が集まった。開催場所は奈良県五条市で、JR和歌山線五条駅から東に1キロ弱のところ、24号線沿いの五条東中学校が大会本部だった。 ▲荷物置場兼ウォームアップ場のグラウンド 校舎の見える前の道がスタート地点で、栄山寺橋・折り返して栄山寺橋・大正橋・柳瀬橋で対岸へ・阿田橋から往路逆走・大正橋と都合6回吉野川を渡って、スタート地点でゴールする。JR五条駅から近鉄下市口駅手前まで吉野川沿いを走るコースである。 車でのアクセスは、大阪側からだと310号線で金剛トンネルを抜け降りきったら五条市で、金剛山の裏側になる。南大阪在住の人たちには近隣のハーフ大会で、参加者1700数名の半数以上が大阪の人たちである。同日、淀川でもマラソン大会があったから、南大阪のジョガーは、どちらかに参加していた人少なくなかったようだ。 ▲トレーナーサイズで分けられる受付 参加記念品は厚手のトレーナーで、これが毎年恒例で好評のようだ。受付テントの横では、柿、柿の葉寿司が販売されていた。9時前に受付をすまし、グラウンドで着替えて、シューズの紐を念入りに結びなおした。 好天に恵まれて、恵まれすぎて、この時期にしては暑い日だったようだ。スタート10時前、グラウンドに立っているだけで、体はぽかぽかと温められた。足回りに支障はないか確かめる程度にグラウンドを5周ほど回って、あとは軽くストレッチをした。 二度目のハーフ。初回はキロ5分を僅かにオーバーした。なので今回は、サブ・キロ5分が当面の目標だ。タイムで1時間40分から45分の間。調子がよければ1時間39分台に入るかもという欲も抱いて。 誘導の放送に従ってスタート地点に移動した。陸連登録選手が前を占め、一般はその後ろからとなる。後方スタートが好みだから、一般ハーフの中央やや後ろ付近に身を置いた。見渡せば1500名は凄い数である。参加者が少なければ最後尾でもいいが、これだけの数になると、末尾は完走目標の人が多くペースが違いすぎて危ないので、少し前に上がった。スタートn分前です、のアナウンスが入った。 10時、パンっというピストルの音が聞こえてスタート。でもしばらくは列は動かないので、このタイムラグはかえって気合が抜ける。 ▲参加者の多い大会だった。(私にしては) |
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