MJのぶろぐ

MJのぶろぐ

PR

Calendar

Category

Jun 28, 2014
XML
カテゴリ: NBA
 "Isaiah Austin"という名をNBAのコートで聞くことはないだろう。しかし、2014年NBAドラフト、"Isaiah Austin"、この名が呼ばれた。
 コートにプレーする選手が1チームで5人で、バスケットボールはメジャースポーツの中では人数が少ない。そうなると、1人の選手の力でチームは大きく変わる。1人の選手で一気に強豪になることもある。そうなると、ドラフトは非常に大きな意味を持つ。20年以上、NBAを見続けているが、ドラフトは見ていない。それは、大学まで見始めると時間が足りなく、生活が成り立たなくなるからである。大学を見ていないため、ドラフトはいつも分からない。さすがに、レブロンはNBAに入る2年前から知っていたが。知らないため、ドラフトにコメントすることはほとんどない。しかし、"Isaiah Austin"についてコメントしないわけにはいかなかった。
 "Isaiah Austin"、もちろん知らなかった。しかも、NBAのコートで聞くことができない名である。なぜならば、アイザイア・オースティンはドラフトの身体検査でマルファン症候群と診断され、引退を余儀なくされたからである。詳しいことは分からないが、マルファン症候群は、遺伝子の異常が原因で、激しい運動をすると死に至る危険性があるらしい。さらに、アイザイア・オースティンは、中学生の時に右目の視力を失っている。4度の出術を受けたが、視力が回復することはなかった。全米では、今年の1月に本人の告白で、右目の失明が広がった。右目の失明という困難を乗り越えて、NBA入りという夢を叶えることところであった。ただでさえ、NBAは困難を極める。天性の能力はもちろん、絶え間ない努力、信じられない努力、多くの犠牲のもとに、ほんの一握りの人間がやっとNBAの舞台に立つことができる。そんなNBAに、右目の失明という困難を抱えながらも、到達できるところまでアイザイア・オースティンは辿り着いた。しかも、ドラフト10位以内に入る大学バスケ屈指のセンターであった。どれだけの努力を積み重ねただろうか。とても言葉では表現できなく、他人には分からない努力を日々積み重ねてきたことだろう。その努力が実ろうとした時、ドラフト直前に、まさかNBAという夢を完全に断つ病気が判明するとは。さらに、NBAの道が断たれて、アイザイア・オースティンは、「僕はこれまで支えてくれたみんなに謝りたい」と述べたらしい。言葉がない。こんな素晴らしい若者の夢を完全に断つ、前途ある若者の夢を完全に断つ、しかも夢に向かってとてつもない若者の夢を完全に断つ、とても悲しい出来事である。
 しかし、2014年ドラフトの舞台で、"Isaiah Austin"の名が呼ばれた。ドラフト15位と16位の間に、"Isaiah Austin"の特別に呼ばれた。他のドラフト選手と変わらず、帽子を被り、舞台に上がり、コミッショナーに名を呼ばれ、握手し、言葉を交わし、カメラに映った。NBAが特別な対応をしたのだ。NBAを長く見ていると、お金の汚い話であったり、ドラッグや暴力の話であったり、嫌な話を聞く機会がある。しかし、今年2月に就任したコミッショナーのアダム・シルバー氏は、クリッパーズの問題をはじめ、賢明な対応をしている。そして、今回のように、人間味あふれる対応をしている。NBAの今回の対応は素晴らしいし、NBAを見続けていて、良かったと思った。とても感動的な話であった。
 このドラフトが、アイザイア・オースティンの将来に少しでも勇気を与え、少しでも困難との闘いの糧になれば、NBAファンとしても嬉しい。すでに出身大学のコーチングスタッフの職が与えられているという話があるが、アイザイア・オースティンの人生が少しでも明るくなることを願う。

素晴らしい言葉だ、"The NBA Selects.. Isaiah Austin"。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  Jun 28, 2014 10:33:37 PM
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: