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2004.07.29

フィンランド版　“イラクゲート”　スキャンダル　（上）

(2)

テーマ：政治について(21470)

カテゴリ：スオミは今

申し訳ないですが、目下、課題に取り組み中。なので数日引きこもります。ただ日記のペースを空けるのも厭なので（ちょっと中毒？）、以前私的なメーリングリストに投稿したものを再掲載します。楽天日記では初登場ですが。

補足するとフィンランドの政治に関することです。一部に事実誤認がありましたが、その後メール内で訂正したので、そのままにしておきます。何かあったらまたコメント下さい。

【知ってどうすんの？】ふぃんらんど近況　1　【どうでもいいよ・・】

●全くやる気のないタイトルでごめん。マニアックな現地情報をお届けします。

●フィンランドの国内政治で目下、話題の一つは、前首相のスキャンダルを巡って争われている裁判。実は先週、判決が出され、ヤーッテーンマキ（Jäätteenmäki 前首相）は無罪を勝ち取りました。

●さて問題のスキャンダルですが、イラク戦争に関する政府の見解を示す外交文書が漏洩、それをヤーッテーンマキが選挙に利用したというもの。簡単に書いたつもりですが、やはり何のことか分かりませんね。

●時計の針を一年前ほど戻します。時は2003年の春。

●そして関係者の整理。

▲マルッティ・マンニネン　（大統領直属の秘書）
▲パーボ・リッポネン　（当時の首相、社民党党首）
▲ジョージW.ブッシュ　（アメリカ大統領）
▲タロヤ・ハロネン　　（フィンランド大統領、但し権限はあまりない）

●ここで注目したいのはヤーッテーンマキ（名前がややこしいので以下ヤーさん）よりも当時の首相だったリッポネンです。

●彼は、すごい政治力をもっていました。ちなみに今もその影響力は大です。そしていかにも政治屋といった顔。ごついです。日本でいうところの自民党の野中さんあたりになるかな。

●フィンランドではもうすぐ総選挙。下馬評ではリッポネンの社民党が勝つと思われていました。リッポネンの長期政権は無問題！そんな感じの安定感があったのです。

●そんな折、イラク戦争が勃発。そしてブッシュは各国首脳と会見し、戦争支持を求めます。当然、リッポネンもブッシュに会いました。

●以下は、私の想像でその時の会話を再現。

ブッシュ：「よう、パーボ。イラク戦争を支持してくれんかのう？ヨーロッパではわしはあまり人気がないけえ、困っとるんじゃ」

リッポネン：「ジョージ、心配するな。わしはとことん支持するぜ」（心の中：でもなんか見返りをくれよな）

リッポネン：「気にするな、ジョージ。俺の政権は安定しているし、次の選挙も楽勝よ。もちろん、選挙前にイラク戦争支持は言わないことにするが。まあ選挙に勝てばこっちのもんさ」（心の中：それよりも見返りは何やねん）

ブッシュ：「パーボ・・・そちもワルよのう」（ニヤリ）

リッポネン：「米国大統領閣下ほどではないですがね」（ニヤリ）

両者：ハハハハハハハッ・・・（笑）

●しかしそこで突然ふすま（←なんて無い）の向こうで音が「ゴソッ」

ブッシュ：「落ち着け、パーボ。ただの空耳か、野良猫だろ」（と制する）。

●とその日の会談は無事終ったかにみえた。会談の内容は外交文書として記録・保存され、持ち出しは禁止。

●さて、「空耳」と思われた、ふすまの向こう側にはじつはある人物が潜んでいた。

●大統領秘書のマルッティ・マンニネン。

●マンニネン：「どうしよう・・・俺、とんでもないことを聞いちゃったべ」

●さてさて今後の展開はどうなるのか。選挙は？イラク戦争は？

●それは次回の講釈で。

●つづく

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