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蟻の巣から　

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2005.12.05

冬のヘルシンキ。

「これって アンニュイだよな 」、ふとつぶやきたくなる町。

アンニュイの意味などまともに分ってはいないものの・・・orz

★

ヘルシンキにはこれまでにも数回、訪れているのだが、

その度に何かしら少し違和感を感じていた。

具体的に言うと、目がチカチカする感覚。

街の空間、そして目に映るメッセージに圧迫感あるような。

ようやくその理由が判明した♪（正直、何を今さら・・・という心境）。

答えはこれだ！ ↓↓↓

rautatieasemalla

ヘルシンキ駅のプラットフォームにて。

ニヶ国語表示。

フィンランド語とスウェーデン語。どちらもフィンランドの公用語である。

だから公の表示、メッセージは両語併記が基本。

Helsingfors ヘルシンフォース。なんかかっこいい♪

最近は英語も加えての三ヶ国表記も多い。

だから最初は、ヘルシンキの街全体「文字だらけ」の感覚だった。目がチカチカというのはそこからくるのだろう。

ヘルシンキやトゥルクなど古くからの街には独自のスウェーデン語名を持っている。固有名詞まで違うとちょっとややこしい。トゥルクのスウェーデン語名はオーボ Åbo。こうまで違うと判別が付かない。

「あれ、でもパウエルの住んでいる町は大学は違うの？」

そう、基本はフィンランド語のみ、またはフィン語に英語。町の歴史自体が新しく、フィン系が大半だから。

二ヶ国語（数ヶ国語）の世界ってどういうものなのかを文章で表現するのは難しい。欧州ではこれがむしろ日常になりつつあるし、興味はある。

スウェーデン系フィン人は、Helsinkiでなく Helsingforsの世界に住んでいるのだろうか 。物理的に全く同じ空間でも。

フィンランドのケースを無理矢理、日本で例えると、

東京・江戸

のような二ヶ国語表示になるか（笑）。

東京でなく、「江戸」に住んでいるという方、いらっしゃいますか。

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Last updated 2005.12.05 18:15:15
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■コメント

標準語

Boronia さん

「標準語」とは言わず
「東京弁」と言うのだそうですね。
実際に聞いたことはないのですけど、
東京の言葉が標準、という人と
東京の言葉も方言のひとつ、
という人種がいるのですね。

でも実際に東京に住んでいると、
東京でも昔から住んでいる人の江戸訛りとかはぜんぜん標準語と違うし、
横浜あたりではまた違うし、
だれもNHKのアナウンサーがしゃべっているようには
話していないような気がします・・・（笑）

(2005.12.09 07:14:30)

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Re:標準語(12/05)

パウエル★Moi さん

Boroniaさん
＞関西の人は、
＞「標準語」とは言わず
＞「東京弁」と言うのだそうですね。
＞実際に聞いたことはないのですけど、
＞東京の言葉が標準、という人と
＞東京の言葉も方言のひとつ、
＞という人種がいるのですね。

●東京は各地から人が集まっているから、言葉自体がかなり雑種化しているのではないでしょうか。政治関係者は維新の頃の伝統からか薩長の言葉らしいですよ。

＞でも実際に東京に住んでいると、
＞東京でも昔から住んでいる人の江戸訛りとかはぜんぜん標準語と違うし、
＞横浜あたりではまた違うし、
＞だれもNHKのアナウンサーがしゃべっているようには
＞話していないような気がします・・・（笑）
-----

●なるほど、ＮＨＫは造られた言葉なのか。案外、それを基準に勉強している在住外国人の方が、スタンダードに聞こえる時がありますね（もっとも彼らの場合、敬語がやたら鼻に付いたり、男女の違いを無視した部分があって不自然ですがね）。

●言葉が認識や思考パターンに影響を与えるという、サピア・ウォーフ仮説というのがあります。2ヶ国語の現場にてそれがふと頭に浮かんだのです。スウェーデン系フィン人って、違うフィンランドを生きているんじゃないのかと。
(2005.12.09 13:57:04)

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Re[1]:言語相対主義？

Boronia さん

パウエル★Moiさん

＞●言葉が認識や思考パターンに影響を与えるという、サピア・ウォーフ仮説というのがあります。2ヶ国語の現場にてそれがふと頭に浮かんだのです。スウェーデン系フィン人って、違うフィンランドを生きているんじゃないのかと。
-----
ちょうど、こういう話（サピア・ウォーフとかの言語相対主義VSチョムスキー派の普遍主義）を哲学の観点から取りあげて批判した本を先輩が書いて、それをわたしが校正したんです。きのうぐらいに出たのでもしよかったら買ってください（とさりげなく宣伝（笑））

たぶん現実には、完全な相対主義でも普遍主義でもないだろう、というのがわたしの見方ですけど。

(2005.12.09 16:40:11)

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Re[2]:言語相対主義？(12/05)

パウエル★Moi さん

Boroniaさん
＞パウエル★Moiさん
＞ちょうど、こういう話（サピア・ウォーフとかの言語相対主義VSチョムスキー派の普遍主義）を哲学の観点から取りあげて批判した本を先輩が書いて、それをわたしが校正したんです。きのうぐらいに出たのでもしよかったら買ってください（とさりげなく宣伝（笑））

●Broniaさんにはもう釈迦に説法ですよね。ってか、僕はサピア･ウォーフもさわりしか知らないですし、チョムスキーの言語関係はほとんど知らないのです。チョムスキーというと、アメリカの政治学ではウケが余りよくなかったので避けていたのです。でも言語学ではすごい人らしいですけどね。過去、学術論文での参照がプラトンよりも多いとか（笑・マジですか！？）。

＞たぶん現実には、完全な相対主義でも普遍主義でもないだろう、というのがわたしの見方ですけど。
-----

●同意です、今のところ。僕は今、異文化が一つの研究テーマなのですけど、個別の文化・慣習も色々あるようで、大きく見ると共通点が多かったりもします。だから文化相対主義者ではないです、今のところ（苦笑・自信がない）。
(2005.12.10 14:30:14)

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