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森の声@ Re[3]:「体験格差」(子どもの育ちに必要な体験について)(11/04) めげぞうさんへ >これからどうなって行…

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森の声

森の声

2008.02.17
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カテゴリ: カテゴリ未分類
昨日は三重で学校や幼稚園の先生対象の講演をしてきました。
タイトルは「大人になりたくない子どもたち」です。
造形や遊びや様々な表現の場で私が見た子どもたちの現実をお話しし、どうしたらいいのだろうかという私なりの提案をさせて頂きました。
ただ、時間が短かった(1時間ちょっと)ので話しをまとめることが出来なかったのが残念した。

人生は冒険の旅のようなものです。その冒険で宝を見つけ、伴侶を見つけ、自分の人生、生きがいを見つけます。その旅の最終目標は“幸せ”です。そして、自立までの子ども時代はその旅のための準備期間です。

でも、今子どもたちはその準備が出来ないまま子ども時代を過ごしています。そのため、旅立ちの日が近付くことを恐れ、大人になることを拒否し、子どもであることにしがみついています。

子どもたちによる様々な事件の背景にもこのように“大人になりたくない子どもたち”の心が隠れています。自分の未来に夢や希望を持っている子は自分の人生を壊すようなことはしないのです。

そして、未来を失った子どもたちは自分だけを愛すること、自分を傷つけること、また相手を傷つけることで自分の存在を確認しようとしています。 生命感覚に響くリアルな出来事の中に自分が生きていることを確認しようとするのです。 自殺もその一つかも知れません。


 大人たちは子どもたちの学力を上げるために一生懸命ですが、肝心の子どもたちにとっては学力を上げるための勉強になど意味がないのです。 今の学力論争にはその子どもたちからの視点が抜け落ちてしまっています。

大人の目線からの子育て法や教育法ばかりを見聞きするのです。
曰く“賢い子を育てるための・・・”、“学力上げるための・・・”、“優しい子に育てるための・・・”などなど、みんな大人の目線からの考え方ばかりです。
そして、“それが子どものためだ”と決めつけます。

また、“心の教育”も同じです。
皆さんは皆さん相手に“心の教育をします”と言われたらどういう感じがしますか。喜びますか。嬉しいですか。それよりむしろ、信用されていないことを感じるのではありませんか。

この大人の目線からの考え方には“自分たちが手本になる”という視点が抜け落ちてしまっています。だから、大人たちが色々と考え、色々とやっても子どもの視点から見たらかえって自分たちの未来を塞いでいるようにしか見えないのです。
言っていることとやっていることが違う手本を見せられて、大人にあこがれる子などいないのです。

そもそも“子どものために”という発想自体が、子どもを“大人の期待”という檻の中に閉じこめようとすることなのかも知れません。

本当は大人は子どもを見守り、子どもの心に寄り添っているだけでいいのかも知れません。そして、大人が子どものために出来ることは手本を見せることなのでしょう。
勉強の必要性を説くのではなく、“勉強って楽しいね”と勉強を楽しんでいる姿を見せれば子どもは勉強に興味を持つのです。
“勉強しなさい”と怒鳴られたら、勉強が嫌いになるだけのことです。実際、みなさんだってそういう体験を山ほど味わっているではありませんか。


“手伝いをしなさい”と叱るのではなく、楽しそうに家事をこなし“一緒にやろう”と子どもを誘えば子どもは自然にお手伝いをするのです。

そしてそれらは“子どものため”のものではなく、大人が自分自身の人生を豊かにし、幸せに生きるために必要なものです。そうやって前向きに自分の人生を生きている大人を見て、子どもは“自分もそのように生きればいいんだ”ということを知るのです。これを、“子どものため”と思ってしまうと、またおかしなことになります。全て自分自身のためなのです。

まあ、それでも現実には子どもを取り巻く状況がこれだけおかしくなってしまっている現実では、単に子どもに寄り添い手本を見せるだけでなくもうちょっと積極的に“子どものために”邪魔者を取り除く必要はあります。社会全体が子どもの育ちを阻害する方向に流れてしまっているからです。
放っておいても、どんどん邪魔者が子どもを取り込もうと狙っているのです。


ちなみに何が子どもの育ちを邪魔しているのかお分かりになりますか。


子どもから発見の喜びを奪ってしまうからです。
でも、その“発見の仕方”を教えてあげると子どもは喜びます。子どもは自分で発見したいのです。そして、子どもが発見した時一緒に喜んでくれる仲間がいると子どもはもっともっと発見を始めます。
子どもが知りたいのは知識ではなく、その知識の発見の仕方なんです。

だから先を急いではいけません。
先を急ぐ人は結果ばかりを詰め込みます。すると子どもは窒息します。





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Last updated  2008.02.17 07:20:04
コメント(13) | コメントを書く


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大人の目線  
科学寅  さん
全くそうですね。
教育問題の本質だと思います。
相手の立場に立つことができることが、大人の条件だとすれば、現代の教育者は、まだ大人になってないんですね。 (2008.02.17 08:53:44)

Re:「大人になりたくない子どもたち」(子どもの育ちを邪魔するもの)(02/17)  
ダージリン さん
極端かも知れませんが、どんなに素晴らしい言葉を並べようと、「今の自分に満足していない大人」に言われては、子どもの心には届かないのかも知れません。

子ども達は、遅かれ早かれいずれ「そういう自分(大人)はどうなの?」と気づくと思うんです。
「この人は自分をちゃんと愛せている人かな?」とか、「本気で自分を高める努力している人かな?」とか、子どもの方が見抜く目を持っているのかも知れません。
「子どもは鏡」って言われるのも、意味は同じで。

「私の生き様を見てね」と自信を持って言える大人、どれだけいるでしょうね。 (2008.02.17 08:56:23)

Re:「大人になりたくない子どもたち」(子どもの育ちを邪魔するもの)(02/17)  
モアイ2463  さん
自分が学びたくなったときに学べばいいのだと思います。

先に起こらないかもしれない事を今心配するのはやめましょう。

人生、死ぬまで学び続けるのだと思います。

(2008.02.17 10:00:58)

Re[1]:「大人になりたくない子どもたち」(子どもの育ちを邪魔するもの)(02/17)  
森の声  さん
モアイ2463さん
>自分が学びたくなったときに学べばいいのだと思います。

そうです。
子どもの元気を奪いさえしなければ、子どもは自分が学びたくなったら学び始めるのです。
(2008.02.17 14:32:07)

Re:大人の目線(02/17)  
森の声  さん
科学寅さん
>全くそうですね。
>教育問題の本質だと思います。
>相手の立場に立つことができることが、大人の条件だとすれば、現代の教育者は、まだ大人になってないんですね。
-----
新聞などの論評を読んでも、みんな大人の立場からの意見ばかりですよね。
(2008.02.17 14:32:55)

Re[1]:「大人になりたくない子どもたち」(子どもの育ちを邪魔するもの)(02/17)  
森の声  さん
ダージリンさん

>「私の生き様を見てね」と自信を持って言える大人、どれだけいるでしょうね。
-----
そう、でもその生き様は素晴らしいものでなくてもいいのです。そうでなくて、一生懸命生きている姿を見せればいいのです。
素晴らしい生き方が出来る人はそんなにはいないでしょうが、ただ一生懸命に生きている姿を見せるだけのことなら誰にでも出来ますよね。 (2008.02.17 14:36:39)

Re:「大人になりたくない子どもたち」(子どもの育ちを邪魔するもの)(02/17)  
シェリー さん


とても考えさせられました。

私は息子をめったに怒らないし、4月から小学生になる息子にひらがなを教える気もありません。

私の両親は私の子育てに不満があるようで口を出してきます。

あなた方のやり方で娘はどうなりましたかと心の中で呟く
のですが、両親の心の貧しさに同情さえします。


(2008.02.17 15:51:59)

Re[1]:「大人になりたくない子どもたち」(子どもの育ちを邪魔するもの)(02/17)  
森の声  さん
シェリーさん
>私は息子をめったに怒らないし、4月から小学生になる息子にひらがなを教える気もありません。

>私の両親は私の子育てに不満があるようで口を出してきます。

>あなた方のやり方で娘はどうなりましたかと心の中で呟く
>のですが、両親の心の貧しさに同情さえします。
-----

歴史を繰り返さないために頑張っているのですね。
応援していますよ。 (2008.02.17 18:31:53)

Re[2]:「大人になりたくない子どもたち」(子どもの育ちを邪魔するもの)(02/17)  
ダージリン さん
森の声さん
>そう、でもその生き様は素晴らしいものでなくてもいいのです。そうでなくて、一生懸命生きている姿を見せればいいのです。

これが一番なのかも知れませんね。

>>「私の生き様を見てね」と自信を持って言える大人、どれだけいるでしょうね。

こう書いた後で思ったんですけど...
本当にそう言える人生を過ごしている人は、逆に、そんなことはわざわざ口にしていないかも~?そんな気がしました。


こういう問題を考えるとき、自分が子どもだった時の立場で考えると、どうしても厳しい意見になってしまいます。
でも大人の立場に立つと、「本当は大人もみんな『そのままでいいよ』って言ってもらいたいのかも」って思います。

大人達も、誰かや何かの影響で“今の姿”があるのでしょう。
誰かに「それでいいんだよ。充分頑張っているよ。」って言ってもらくて一生懸命なのかな。
そんな思いが、自分を着飾ることだったり、我が子の姿(出来)に繋がっているのかも知れません。
だからそっちに頑張り過ぎちゃうのかな?

でも、本当に自分に“完全OK”を出せるのは、自分自身しかいないと私は思うんです。






のことなら誰にでも出来ますよね。
-----

(2008.02.18 08:37:18)

Re[3]:「大人になりたくない子どもたち」(子どもの育ちを邪魔するもの)(02/17)  
ダージリン さん
度々失礼します。今度はお願いがあります。

>でも、本当に自分に“完全OK”を出せるのは、自分自身しかいないと私は思うんです。

自分に“OK”を出せる基準も、人それぞれだと思いました。
実際、子どもが沈んでいたり、トラブルを多発している時に、親としてはなかなか自分にOKは出せないものかも知れません。
逆に、「こんな状況で自分にOKを出してはいけない」と思う人の方が多いと思います。

「それでも自分にOKを出してもいいんだよ」って伝える為には、森の声さんならどんな風におっしゃいますか?

すみません...。いけなかったでしょうか?こんなことお聞きして。
(2008.02.18 09:17:57)

Re[4]:「大人になりたくない子どもたち」(子どもの育ちを邪魔するもの)(02/17)  
森の声  さん
ダージリンさん
>すみません...。いけなかったでしょうか?こんなことお聞きして。
-----
本文でご返事させて頂きました。 (2008.02.18 14:49:17)

Re:「大人になりたくない子どもたち」(子どもの育ちを邪魔するもの)(02/17)  
今日9729  さん
“優しくしなさい”と怒鳴るのではなく、お母さんが優しい声と思いやりを持って子どもに接していれば子どもは優しい子どもに育つのです。
“手伝いをしなさい”と叱るのではなく、楽しそうに家事をこなし“一緒にやろう”と子どもを誘えば子どもは自然にお手伝いをするのです。・・・・・・

* このことからして、文科省の道徳教育は、考えものですね。
(2008.02.20 18:39:23)

Re[1]:「大人になりたくない子どもたち」(子どもの育ちを邪魔するもの)(02/17)  
森の声  さん
今日9729さん

>* このことからして、文科省の道徳教育は、考えものですね。
-----
勉強も同じですよね。 (2008.02.20 18:51:37)

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