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「楽しさ」を意識し… New! かめおか ゆみこさん

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森の声

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2008.05.24
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 私が子育てを通して心がけたことは“言葉を伝える”ということでした。自分の頭で考えるためには、考えるための言葉が必要だからです。言葉が脳の中に人間としての思考回路を創るのです。ですから、どんなに知識をいっぱい詰め込んでもきちんとした言葉を持っていない子は考えることが出来ません。
 そして、当然のことですが考えるための言葉を持っていない子は自立出来ません。また、体験から学ぶことも出来ません。体験を処理してそこから何かを吸収するためには考える言葉の働きが必要だからです。ですから、きちんとした言葉を伝えることは“自立した賢い子“を育てるためには絶対的に必要な条件なのです。

 昔、家族の人数が多く、人々が地域社会と強く結びついていた時代には子どもたちも普通に生活しているだけで多くの人と多様な場面で関わり合うことが出来ました。それはまた、多様な言葉との出会いの場を子どもたちに与え。子どもたちは普通に生活しているだけで多様な言葉を学ぶことが出来ました。不便な生活は考える言葉を必要とする生活でもあったのです。
 でも、生活が便利になり、核家族が増え、兄弟も減り、地域とのつながりも希薄になってしまった現代では幼児期に子どもが言葉を学ぶ場がなくなってしまったのです。現代人の生活は言葉を必要としない生活なのです。(いつも言っていることですが、テレビで言葉を学ぶことは出来ません)
 多くの人が、それを“現代スタイル”と安易に受けいれていますが、その流れに乗ってはいけません。なぜなら、上に書いたように考える言葉を身につけることが出来ないということは自立することも、成長することも出来なくなってしまうと言うことを意味しているからです。
 現代では、自立出来ない人間、成長しない人間も当たり前になってしまいましたが、自分の子どもがそうなってしまうのは嫌でしょ。だから、子どもにはちゃんと言葉を伝えて欲しいのです。
 ということで、私はどのようなことをしたのかということを書いてみます。

 まず、出来るだけ状況に合わせて具体的に話しかけるようにしました。
 例えばミカンを取ってもらう時も、“一番大きなミカンを取って”と言いました。これは“一番黄色いの”でも、“一番上の”でも、“一番美味しそうなの”でも構いません。ポイントは“ミカンはみんな同じではないんだよ”ということに気付かせるような言葉かけです。

 ミカンを美味しそうなもの順に並べたり、黄色い順に並べたりして遊ぶことも出来ます。そして、そのような言葉かけをするだけで子どもの意識は広がるのです。そして、“大きい”とか、“丸い”とか、“黄色い”という意識で他のものも見ることが出来るようになります。
 こういう“違い”というものに気付かない子は論理的に考えることができません。その違いに気付かせるためにも言葉が必要なのです。
 そして、またこのような遊びは子どもの成長にも適っているのです。

 兄弟が多い時には、おやつの奪い合いをしました。その時“どっちの方が大きい”とか、“どっちの方が美味しそうだ”ということは子どもたちの間で重要な問題だったのです。ですから、子どもたちは相手を説得するために様々な言い訳やこじつけを考えました。そして、自然とそのような概念を学ぶことが出来ました。でも、一人っ子の場合はどれでも自由なのでそういうことを考える必要がありません。

 また、最近はお母さん達が子どものケンカをすぐに止めてしまいますが、ケンカの場面ではこのちょっとした“違い”というものが非常に大きな意味を持ってきます。子どもはケンカの場面では自分の理屈を通すために必死になって考えるのです。だから子どもはケンカという体験を通して、非常に多くのことを学ぶことが出来るのです。
 だから、子どもがケンカしたら一方的に“悪者”を決めずに、両者の言い分をしっかりと聞いてあげて下さい。きちんと話しを聞いてもらうことで子どもは自分の考えを整理し、しっかりとした考え方や相手に伝わる言葉を使う能力を身につけていくからです。そうすると子どもはケンカを通して非常に多くのことを学ぶことが出来るのです。
とにかく、ケンカほど子どもが真剣になる場面なんてないのですから、この時に多くのことを学ぶことが出来るのです。
すると、自己中心的なケンカ、無駄なケンカはしなくなるのです。

 でも、大人が一方的に悪者を決めて“ゴメンナサイ”で解決させてしまっていると子どもはケンカから学ぶことが出来なくなってしまいます。





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Last updated  2008.05.24 07:11:26
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Re:「賢い子どもの育て方」(言葉を育てる)(05/24)  
ものぐさ父  さん
最近のお母さんはインスタントで画一的な解答が好きかもしれませんね。いや世の中全体がマニュアル化していて、なんでも白黒付けないと気が済まない人だらかになっているような気がします。
私のやっている営業は、白黒付きにくい商材のためそのやりとりも正解というものがないのですが、部下の中には白黒が付かないことにイライラする人もいます。決まったことを決まった通りやるのは速いのですが、ちょっと想定から外れるとすぐに諦めちゃいます。 (2008.05.24 08:02:29)

Re:「賢い子どもの育て方」(言葉を育てる)(05/24)  
プクプク さん
息子は、一人っ子になりそうなのです。一人っ子の育ちについて気をつけることを何かアドバイスいただければありがたいです。
昨日の勉強についても参考になりました。
小学校のころは基礎を学ぶので、小学校の勉強がわからないと、ずっとわからないでいってしまうのでは、と考えていました。だからついていけるくらいのところではいたほうがよいかなぁと。
それも余り気にしなくてよいのでしょうか。
(小学校はまだまだ先の話ですが^^;) (2008.05.24 23:14:25)

Re[1]:「賢い子どもの育て方」(言葉を育てる)(05/24)  
森の声  さん
ものぐさ父さん
>ちょっと想定から外れるとすぐに諦めちゃいます。
-----
造形の場でもそういう子はいっぱいいます。
(2008.05.25 06:49:24)

Re[1]:「賢い子どもの育て方」(言葉を育てる)(05/24)  
森の声  さん
プクプクさん
>息子は、一人っ子になりそうなのです。一人っ子の育ちについて気をつけることを何かアドバイスいただければありがたいです。

本文の方でお答えします。 (2008.05.25 06:49:59)

Re:「賢い子どもの育て方」(言葉を育てる)(05/24)  
nativemind  さん
先日、発達の検査をしました。結果をみてお話するときに心理士さんがこうおっしゃいました。
「お家で何かのトレーニングをして、このテストの点数をあげる方法はいくらでもあります。でも彼の時間をそれに費やすのはもったいないなと思います。たくさんのことを経験させてあげて、そのときに丁寧に言葉がけをしてあげてください。
そうして生活に必要なことを身に付けていけると思います」と。このブログを読んで、普通の子(この言い方は好きではありませんが)もちょっと心配な子も大切なことは似ているなあと嬉しくなりました。彼を育てていくことで、大切にしてきたことです。励みになりました。ありがとうございます。 (2008.05.26 22:45:31)

Re[1]:「賢い子どもの育て方」(言葉を育てる)(05/24)  
森の声  さん
nativemindさん
>「お家で何かのトレーニングをして、このテストの点数をあげる方法はいくらでもあります。でも彼の時間をそれに費やすのはもったいないなと思います。

今、ほとんどの子どもたちがテストの点数を上げるための勉強しかしていないですよね。

>このブログを読んで、普通の子(この言い方は好きではありませんが)もちょっと心配な子も大切なことは似ているなあと嬉しくなりました。

基本は同じです。
障害を持っている子どもたちの療育の本を読んだ時、うちの幼児教室でやっているような遊びばかりだったので“やっぱりね”と思ったことがあります。 (2008.05.27 05:12:57)

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