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「楽しさ」を意識し… New! かめおか ゆみこさん

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森の声

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2008.06.10
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カテゴリ: カテゴリ未分類
(ごめんなさい。書き始めたら「親子げんか」ではなく、別の話題になってしまいました。)

先日、時間があいたので茅ヶ崎の北の方へ散歩に行きました。往復3時間ぐらいブラブラ歩いてきました。天気もよく、最高に気持ちよかったです。

その時、ふと思ったのです。
“今、携帯が鳴ったらこの気分は台無しだな・・・”と。
感覚は、浸りきっている時に生き生きと働きます。そして、一度感覚に雑音が入るとなかなか元の状態には戻りません。

キャンプで山の中に行くと、着いた日に見る風景と、森の中で一晩寝て翌日見る風景とでは同じではありません。見える色も、聞こえる音も、肌に感じる感覚も、森の気配も違うのです。私の感覚では3日ぐらい森の中にいると感覚が森仕様に入れ替わるようです。(この状態になってから都会に帰ると辛いです。)

それで気付いたのです。
それは、現代の子どもや大人がテレビやゲームや携帯やネットに依存してしまうのは現代人の生活が自然から離れてしまっているからなのではないかということなのです。

子どもたちは外が大好きです。自然が大好きです。裸足が大好きです。裸が大好きです。

また、うちの教室に来ていた自閉症の子も家の中にいるとストレスが溜まってしまうので、時々外に出ていました。そのことを本人が自覚していました。

どうしてだか分かりますか。人間は自然の中にいる時からだ丸ごとの感覚を通して自然とつながることが出来るのです。すると、本能的に安心するのです。別の言い方をすると、多様な感覚刺激が脳に届き、脳が満たされるのです。感覚刺激は脳の栄養ですから、感覚刺激が偏ったり、少なくなると脳の状態が不安定になるのです。それは“心の不安”という形で現れます。
それは、感覚を遮断する実験でも確かめられていることです。

靴や洋服を着るということは一部の感覚を遮断するということを意味します。
そして、文明にもその洋服と同じように人間の感覚を遮断する働きがあります。また、極端に偏った感覚刺激ばかりが多くなります。
町の中やエアコンの効いたビルの中にいるだけで多くの感覚が遮断されてしまいます。また、刺激の多様性が失われてしまいます。

すると、人の心は不安になります。
そして、脳は刺激を求めます。でも、人工的に作り出された刺激は偏っているので脳は満たされません。だから、不安は消えません。そして、もっと新しい刺激を求めることになります。

テレビは視覚と聴覚への刺激は満たしてくれます。でも、脳は視覚と聴覚への刺激が来た時、当然それとセットにして来るであろう触覚や、嗅覚や、筋肉感覚や、場の気配を感じる感覚などの情報を求めます。脳は情報を総合的に判断しようとするからです。

でも、テレビはそういう感覚を満たしてはくれません。だから、脳はもっと情報を得ようとします。脳はいつでも判断しようとするのです。すると、テレビから目を離すことが出来なくなります。
これは感覚刺激を栄養にして脳が育ちつつある幼児において特に見られる状態です。


そういう状態の中で長く生活していると、脳が多様な刺激を処理出来なくなります。脳の回路は刺激によって作られるので、刺激が来なければ回路は作られないのです。
すると、森や自然が退屈な場所になります。
そして、人工的な環境に戻りたくなります。人工的な環境を増やしたくなります。
最近では人工的に多様な感覚刺激を作り出そうともしています。テレビなどのサラウンドもそのようなものです。

それでも、幼児期の子どもたちはまだ脳が柔らかいので、自然の中での体験を繰り返すことでまたその感覚を取り戻すことはできますが、でも、そのまま思春期を迎えてしまうと、なかなかその感覚を取り戻すことは困難になります。感覚が価値観とつながってしまうからです。



ただ、子どもの場合は「ゲーム=友達とのつながり」という要素が強いので、そのような生活をしていても周囲にゲームつながりの友達しかいなければ子どもはゲームばかりするようになります。
でも、それも思春期の頃までです。思春期が近付いてきて、視野が広がり始めると外の世界に出ていきたくなるのです。ですから、それほど深刻に心配することはありません。

でも、人工的な環境の中だけで生活してきた子はその外の世界を感じることが出来る感性が育っていません。外の世界に対する不安と恐怖もあります。
それで、ネットなどの中にその外の世界を求めてより深くに入っていくのです。

それまでゲームばかりやっていた子でも思春期頃になるとそれほど夢中にならない子も出てきます。その一方で、そのままゲームやネットへの依存から抜け出せない子もいます。子どもがそこで分かれるらしいのです。(調査した人がいるのです。本を持っているのですが山積みになっているので探せません。)

私は、その分岐点にあるのが“自然体験”なのではないかと思っています。





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Last updated  2008.06.10 06:24:16
コメント(11) | コメントを書く


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※コメントに関するよくある質問は、 こちら をご確認ください。


自然に触れると、歌を作りやすい  
洛北  さん
短歌を作り始めて、1年半ほどになります。
家の中で机に向かっていてもなかなか歌ができません。
そんなときは、少し遠方へ散歩に出かけると、予想以上に歌が自然と湧き出てくる体験を何度もしています。

歌人や俳人が吟行をする理由がよくわかるようになりました。 (2008.06.10 06:30:55)

Re:自然に触れると、歌を作りやすい(06/10)  
森の声  さん
洛北さん
>そんなときは、少し遠方へ散歩に出かけると、予想以上に歌が自然と湧き出てくる体験を何度もしています。

>歌人や俳人が吟行をする理由がよくわかるようになりました。
-----

自然は創造性と、アイデアの宝庫ですからね。
(2008.06.10 06:40:19)

Re[1]:自然に触れると、歌を作りやすい(06/10)  
モアイ2463  さん
森の声さん
>洛北さん
>>そんなときは、少し遠方へ散歩に出かけると、予想以上に歌が自然と湧き出てくる体験を何度もしています。
>>
>>歌人や俳人が吟行をする理由がよくわかるようになりました。
>-----

>自然は創造性と、アイデアの宝庫ですからね。
-----
感覚が開くし、刺激に満ちていますものね。

(2008.06.10 08:56:08)

人も自然、浄化される魂  
天然堂 さん
以前よく友人達と渓流釣りがてらキャンプに行きました。多少風邪気味だったりしても山を降りる頃には治っていたりすることが何度もありました。人が自然と感応して浄化される事があるのでしょうか。
自然の中に身をおくと、人も自然の一部だって実感しますね。 (2008.06.10 09:41:50)

自然好きです  
えむねえ さん
自然の中にいると落ち着きます。
意識せずとも、風を感じ、鳥の声を聞き、陽に当たり、足で草をザクザク踏み、
いろんな感覚を呼び戻してくれるようで好きです。

昨今ゲームおたくなるものがいますが、
そのような遮断された世界の中では、
相手を思いやるとか、共存というような
意識が生まれてこないのではないかと思います。
人は自然の中にあって、生きる力をもらえたり、相手と共感できたり、ひいては相手のことを考えてあげる、という心が育つのではないかと思います。
自分でここまでとセーブできるまで、
子供のうちはゲームさせたくありません。 (2008.06.10 11:27:57)

Re:「携帯やゲームに依存しない子を育てるためには」(06/10)  
nativemind  さん
忙しい毎日と一見便利な日常から、一見不便な自然のほうへはすんなりと心も体も行けるのに、
自然のほうから戻ってくるのは、ほんとうに大変ですね(笑)
(2008.06.10 13:07:13)

Re:人も自然、浄化される魂(06/10)  
森の声  さん
天然堂さん
>以前よく友人達と渓流釣りがてらキャンプに行きました。多少風邪気味だったりしても山を降りる頃には治っていたりすることが何度もありました。人が自然と感応して浄化される事があるのでしょうか。
-----
心とからだを丸ごと使うと、心とからだが統合されて癒し効果が生まれるのだと思います。
(2008.06.10 13:22:24)

Re:自然好きです(06/10)  
森の声  さん
えむねえさん
>昨今ゲームおたくなるものがいますが、
>そのような遮断された世界の中では、
>相手を思いやるとか、共存というような
>意識が生まれてこないのではないかと思います。

そうなんですよね。
でも、お役人達はそれを「道徳」という授業で補おうとしています。
でも、これは感覚なので、授業で知識を教えても意味はないのですけどね。 (2008.06.10 13:24:27)

Re[1]:「携帯やゲームに依存しない子を育てるためには」(06/10)  
森の声  さん
nativemindさん
>忙しい毎日と一見便利な日常から、一見不便な自然のほうへはすんなりと心も体も行けるのに、
>自然のほうから戻ってくるのは、ほんとうに大変ですね(笑)
-----

現代人の常識が人類にとっての常識ではないことに気付く瞬間ですよね。
(2008.06.10 13:27:51)

Re:「携帯やゲームに依存しない子を育てるためには」(06/10)  
ダージリン さん
私が子どもの頃の環境は、今考えると、すごく恵まれていたんだなと思います。
今は、わざわざ自然を求めて出かけて行かないといけないくらい、周りにはそういう景色が見当たらないです。(...というか、そういうところに住んでいます。)

子どもが今よりもっと小さい頃、わざわざ狭いところや危ないところを歩きたがったり、汚いものを触ったり拾ったり...
そういう遊びや散歩に付き合うのは大変でしたが、これも必要な時間かも、と思っていました。
大自然~!と言えるところにはしょっちゅう連れて行けない分、あれこれ工夫もしていたなぁ...と思います。










(2008.06.10 14:18:50)

自然  
のんちゃん さん
東京出身で、今は都会寄りの田舎に住んでいます。ここに来るまでは地方都市を転々としました。
分かったような口を利いて恥ずかしいのですが、東京は、どこかが偏っているようで、住む気になれませんでした。季節がないのが辛かったと今では思います。この30年で東京の季節はますます無くなってしまったようです。地球規模の話でもあるのですが。
テレビの天気予報に今日着るものも教えてもらうのは、おかしいと感じるのですが、その違和感を分かち合える人が少なくなっているのも事実です。 (2008.06.11 23:44:37)

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