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「楽しさ」を意識し… New! かめおか ゆみこさん

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森の声

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2008.07.13
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 今日はちょっと時間がないのである会に頼まれて書いた「幼稚園の選び方」を載せさせて頂きます。


 多くのお母さん達が幼稚園選びで悩んでいます。でも、その基準は人それぞれです。自宅との距離、お弁当の有無、園庭の広さ、園バスの有無、保育時間、保育方針の内容、園庭の状態、先生達の様子、園舎の広さ、保育料、規模、園の雰囲気、友達が一緒かどうか、また子どもの個性に合っているかどうか、などなどその基準を数え上げたらキリがないかも知れません。
 それに対して、そんなこと悩みもせずに近いからという理由だけで幼稚園を決めてしまうお母さんもいっぱいいます。そういうお母さんにとっては、保育方針などに拘ってわざわざ遠くの幼稚園まで子どもを通わせている人の気持ちが理解出来ません。それで“お宅は教育熱心よね”などと、嫌みを言われます。
 でも、多くの幼稚園を卒園した子どもたちと関わってきた印象としては幼稚園が子どもに与える影響は大人が思っている以上に大きいのではないかと思っています。なぜなら、人間としての価値観の基礎、心とからだの感性の基礎がこの時期に作られてしまうからです。多くのお母さん達にとっては、○○が出来るようになる、文字を教えてくれる、おイスに座っていることが出来るように仕付けてくれる、などということが大切なのかも知れませんが、でも、そんなことは後からでも充分に間に合うのです。そして実際、7才までに心とからだの準備が出来ている子なら小学校に入ってからでも無理なくすーっと出来てしまうのです。最初、他の子がみんなできるのでちょっとあせるだけです。
 でも、その心とからだの準備を整えずに、何かを出来るようにばかり仕付けられた子は、後で困ったことになります。何かが出来る状態で小学校に入ると、最初のうちは安心していることが出来ます。でも、その貯金も3年生頃には尽きてしまいます。そして、そこで止まってしまう子が多いのです。貯金を使うことに慣れてしまって稼ぐ(学ぶ)ことに気持ちが向かないのです。だから、アメとムチで子どもを追い立てなければならなくなってしまうのです。
 ということで、幼児期に育てなければならないことは「人間としての価値観の基礎」、「心とからだの感性の基礎」なのです。そしてこれは何かをやらせることで育つものではありません。先生がお手本として子どもと向き合い、子どもと子ども、子どもと自然、心とからだなどの多様な関わりを通して自然に育っていくものなのです。ですから、“○○をやらせます”、“○○が出来るようにします”といううたい文句の幼稚園はお勧めしません。
 また、意外かも知れませんが“創造性を育てます”、“個性を育てます”という幼稚園もちょっと気を付けてください。子どもというものは最初から創造的で個性的なんです。ですから、子どもらしさを大切にしているのなら子どもは自然な形で自分の創造性や個性的を伸ばしていくことが出来るのです。それを大人が大人の価値観に合わせて創造性を育てようとする時、子どもは自分の創造性を否定されたように感じるのです。つまり、言っていることとやっていることが逆になってしまうのです。ただし、子どもらしさの延長に大人が遊びや課題を工夫して提示することは素敵なことです。そういう活動を通して子どもは自分の成長を実感することが出来ます。
 大切なことは、それが大人を喜ばせるためではなく、子どもが自分の成長を実感出来るような活動かどうか、ということです。
 それと、幼児期の子どもにとって園庭の広さはあまり関係がありません。幼児期の子どもにとって必要なのはサッカーやかけっこが出来るような平面的に広い園庭ではなく、隠れんぼや鬼ごっこや木登りが出来るような立体的な空間の方なのです。そういう空間は子どものイマジネーション(ファンタジー)を刺激します。だから、そういう空間の中で子どもは心とからだ丸ごとで遊ぶことが出来ます。そして、そういう空間の中で遊んでいる子は“お話しの世界”にも違和感なく入っていけるのです。何もない、便利で、合理的なただ広いだけの空間は“お話し”を受けいれる感性を育ててくれません。

 あまり開放的ではなく落ち着いた空間を好む子を“子どもらしくない”といって否定する人もいますが、それは気質ですから仕方がないのです。
 ですから、理想を言えば広く開放的な空間と、狭く落ち着いた空間の両方が備わった園舎だと色々なタイプの子どもが自分の居場所を見つけることが出来ます。そして、広い空間が好きな子も狭く落ち着いた空間の良さに触れることが出来るでしょう。また、逆に狭い空間に閉じこもりがちな子も広い空間から聞こえてくる楽しそうな声に影響を受けるでしょう。色々なタイプの子が安心出来る居場所があるからこそ、そういう子どもたちが出会うことが出来るのです。広い開放的な空間だけでは落ち着いた空間が必要な子は否定されてしまいます。そして、狭く落ち着いた空間だけでは開放的な空間を必要とする子は否定されてしまいます。するとお互いに出会えなくなってしまうのです。ちなみに、ここで言う“空間”とは必ずしも物理的な空間の広さを意味していません。“そのように感じることが出来る空間”ということです。
 また、「○○教育」とか、「○○メソッド」、「○○法」という主義を掲げている幼稚園も多くありますが、そういう看板で幼稚園を見ない方が身のためです。看板倒れのところが結構あるからです。あくまでも中身で判断してください。
 全体的な注意点としては、先生の怒鳴り声が聞こえる、先生達が生き生きとしていない、先生が子どもの話を聞く時、子どもに話しかける時に子どもの目線に立っていない、子どもたちが自由に遊んでいない、飾られている絵や作品がみんな似ている、本棚に絵本が少ない、しつけ絵本やアニメ絵本のようなものがいっぱい置いてある、テレビを見せている、読み聞かせやお話しに力を入れていない、園庭に遊具ばかりがいっぱいある、先生が子どもと遊んでいない、ドロンコ遊びや水遊びをさせない、“ダメ”、“ヤメナサイ”、“早くしなさい”というようなことばかり言っている、子どもが“ぼく字(漢字)が書けるんだ”とか“算数が出来るんだ”と自慢してくる、園長さんが園の自慢ばかりする、そういう幼稚園はご注意下さい。
 最後に、幼稚園に過大に期待しないでくださいね。子どもの育ちにとっては幼稚園よりお母さんや家族からの影響の方が大きいのですからね。家族や夫婦関係を崩壊させてまで理想の幼稚園を選ぶのは本末転倒です。お母さんとの信頼関係、お母さんとお父さんの信頼関係こそが幼児期の育ちにとっては一番大切なことなのです。あとは、現実とのバランスで考えてください。





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Last updated  2008.07.13 07:00:49
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