森へ行こう(心とからだと子育てと)

森へ行こう(心とからだと子育てと)

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Favorite Blog

「楽しさ」を意識し… New! かめおか ゆみこさん

Profile

森の声

森の声

2008.07.14
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
たまごさんが書いて下さった以下のコメントから話しを始めます。




観察させるポイントは 色、におい、動き、音 など。
お花にも動きや音がするといって 古い木の幹に耳をつけると 幹に水が流れている音がするのだというお話をするのだそうです。
そして こどもたちに観察させて 絵を描かせるそうです。
そして 最後に 詩を書かせます。
すると いつもなかなか集中しない児童でも 表現力豊かな ことを書いていて 驚きました。


子どもは主観的に感じ、考えます。客観的に見たり、聞いたり、感じたりということがそれなりに出来るようになるのは10才を過ぎてからです。

これは子どもの絵を年齢ごとに並べて見ていればすぐ分かります。
10才を過ぎると急に視点が固定され、一点透視的な構図になり、絵の世界の中にも物理法則が導入されてきます。

それ以前の子どもの絵は基本的にシャガールやピカソのようです。物理的な視点が固定されていないし、様々な視点から見えるものが同時に一枚の絵の中に表現されます。物理法則も全く無視されています。子どもたちはまるで魔法の世界のように絵を描くのです。

この時期の子どもたちは目に見えるものを写すことができません。ただ、知っていることを描くのです。つまり、心の中のイメージを描くだけなんです。
子どもの絵は子どもの心の世界そのものなんです。だから、子どもの絵に評価を付けたり、手を加えてはいけないのです。それは子どもの心への侮辱です。
子どもがおかしな絵を描くのは絵が下手だからではなく、心の中がそういう状態だからに他なりません。

子どもは自分の心の中のイメージを見ながら絵を描くのです。

また、大好きな人が家より大きかったりするのです。

ですから、少なくとも低学年頃までの子どもに写生などさせない方がいいのです。幼稚園などでも写生させるところがあるみたいですが、子どもたちは見て描くことが出来ないのでテクニックで描くようになります。そして、生き生きとしていない大人好みの絵ばかりを描くようになります。

また、部分だけは見ることが出来るので、部分をつなぎ合わせることで結果として絵になるような絵を描かせる技術も存在します。でも、私にはそこまでして上手な絵を描かせる意味がよく分かりません。子どもは上手な絵が描けて満足するでしょうが、自分の心の中のイメージと対話する能力が損なわれてしまうでしょう。

ですから、子どもたちが生き生きとした絵を描くためには子どもたちの心の中に生き生きとしたイメージを作ることから始める必要があるのです。
それがたまごさんの先輩の先生達がやっていることの意味です。

子どもたちはお花であろうと、雲であろうと、ザリガニであろうと、自分と同じ生命を持った生き物のように心の中にそのイメージを作るのです。そして、そのイメージと心の中で遊ぶのです。心の中には“イメージとしての自分”も存在しているのです。

実はイメージというのは心の中の生き物なんです。
昔話やファンタジーに書かれていることはそのイメージの世界の中での出来事です。そして、大人でも夢の中でその生命を持った状態のイメージと出会うことが出来ます。

ある、友人のお子さんの女の子は小6の頃朝起きて泣いていたそうです。それでお母さんが“どうしたの”と聞いたら、“お母さんを殺した夢を見てしまった”というのです。

それで、私が彼女に“よかったね”と言い、彼女もまた“よかったです”と言いました。
この夢は娘さんがお母さんを乗り越えた象徴だからです。“子ども”から“仲間”になったのです。その通過儀礼の象徴として、“お母さんを殺す”というイメージが現れたのです。



悪いオオカミはちゃんと殺さなくてはいけないのです。そうでないと、いつまでもオオカミの影におびえることになってしまいます。もちろん、これは心の世界の中のお話しです。

そして、子どもの頃に作られたこの“イメージ”という生き物たちは大人になってもズーッと心の中で生き続けています。

子どもの頃に“怖いお母さん”のイメージが住みついてしまうと、そのイメージを殺す(乗り越える)のは容易ではありません。先の、娘さんのお母さんは優しいお母さんなので心の中で殺す(乗り越える)ことが出来ましたが、そのイメージの中のお母さんのパワーがあまりにも強いとお母さんが心の世界の中の支配者になってしまって、自分はその影に怯えて生きるようになってしまうのです。そして、一生お母さんに支配されてしまうのです。
(それを乗り越えるためにはイメージを作り替える必要があります。)

また、大人になってもしっかりとしたそのイメージがあるから詩を聞いたり、物語を聞いたり、絵を見たり、様々な芸術作品を見てその世界の中に入ることが出来るのです。生き生きとしたイメージの世界を持っていない人は芸術の世界の中で遊ぶことが出来ないのです。



ちなみに、その現実世界とつながっているのが“文明”です。
そして、心の中の世界とつながっているのが“文化”です。ですから、文明は文化の働きの結果生まれたのです。(猿の世界には文明はありませんが、文化はあります。)

でも、現代では文明が文化を支配してしまっています。ですから、心の中の世界が呼吸困難になってしまっているのです。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2008.07.14 06:54:28
コメント(2) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X

Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: