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すべて、お楽しみさ… New! かめおか ゆみこさん

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森の声

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2012.01.06
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カテゴリ: カテゴリ未分類
現代社会は競争社会でもあります。ですから私たちは子どもの頃も、大人になってからも競争しなくてはなりません。そして、その競争能力に応じて成績や収入が与えられる仕組みになっています。

競争能力において劣る人は、落ちこぼれたり負け組になり、時として公的な補助がないと生きていけなくなります。

そこには「支えあう」という精神はありません。形式的にはお金がある人から税金なりを集めて、貧しい人に配るのですから、それを「支えあい」と表現することも可能ですが、それは社会システムを崩壊させないための仕組みであって、「人と人が支えあう」という精神の表れではありません。

本来の「支えあう」という関係は一方通行ではありません。今の社会保障の制度は「保護」であって「支えあい」ではありません。

それは家族の中においても同じです。親は子どもを支えていますが、同時に子どもも親を支えている時、「支えあっている家族」になります。そうでない時には子どもを保護しているだけの家族になります。

ただし、この場合具体的に子どもが親のために何かをするという意味ではありません。親に「子どもに支えられている」という意識があるかどうかということです。

たとえば、親に「子どものおかげでいっぱい学ぶことができた」とか、「子どもの笑顔のためなら頑張ることが出来る」というような意識があるのなら、その親子は支えあっていることになります。

たとえ、その子どもに障害があって寝たきりでも、お母さんやお父さんがその子どもを愛し、その子どものために頑張ることが出来ているなら、それは支えあっていることになります。

親は子どもに経済的な支援や様々な保護を与えていますが、子どもは親に元気や、生きがいや、やる気を与えてくれているからです。

そのように、「支えあうつながり」のなかで育った子どもは自己肯定感を育てることもできるし、大人になっても他の人と支えあう関係を築くことができます。



そして、強者は支配し、弱者は依存するばかりの社会が出来上がります。

今の子どもたちは小さい時からそのような競争社会を生きています。ですから、「支えあう」という意識を育てることができません。

その結果、子どもたちの意識も「支配しようとする子」と、「依存しようとする子」に分かれてしまっています。でも、「支配」と「依存」は一枚の紙の裏表であって、基本的には同じものです。

そこで問題になるのは、そのような競争社会ではリーダーが育たないということなのです。今の日本では競争に勝った人が組織の長になり、権限を得ます。でも、競争に勝ち抜く能力はあっても、「支えあう」というつながりの体験がない人は「支配者」になるばかりでみんなを引っ張る「リーダー」にはなることが出来ないのです。

日本の社会では組織の末端にいる現場の人には非常に優秀な人がいるのに、上にいくにしたがって無能な人が増えていくのはそのためです。

末端で働くための能力は持っていても、リーダーとしての能力がないので、上に行くにしたがい、リーダーではなく無能な支配者になってしまうのです。

日本の教育システムは「上からの指示命令に従って現場で働く人」を育てるだけのシステムなのです。

でも、リーダーとして一番大切な役割は、「自分で判断すること」と、「みんなのやる気」を引き出すことです。

現場の人間は指示命令によって動くだけで済みます。でも、リーダーは自分で判断しなければなりません。でも、日本人はこの「自分で判断する」ということができないのです。

日本の学校教育にはそのような能力を育てるシステムは皆無です。それどころか先生たちにさえ自分で考えないようにさせています。また社会の中にもそのような能力が育つ場がありません。

もうひとつリーダーとして必要な能力が「みんなのやる気を引き出す能力」です。


それはつまり、「名選手としての能力」は、必ずしも「名監督としての能力」と同じものではないということです。

でも、今の日本には「個人的な能力に優れた支配者」はいっぱいいますが、「みんなのやる気を引き出すことが出来るリーダー」はほとんどいません。競争社会を生き抜いてきた人は自分のことだけでせいいっぱいだからです。

その代り、「支配者」にあこがれる子どもたちはどんどん増えています。ゲームの中の世界もまた競争社会であって、その競争社会で子どもは自分の分身であるキャラクターを支配し、競争に勝ち抜いていくのです。

それは教育ママが子どもを自分の「分身」と考えて、子どもを支配し、競争に追い立てている姿と同じです。

社長が社員を支配し、競争に追い立てるのも同じです。



でも、そのようなやり方は必ず行き詰まります。子どもや社員の「やる気」が損なわれてしまうからです。

今の日本にとって必要な教育は、学力を育てることでも、個人的な能力を育てることでもありません。「判断力」と「やる気を育てる教育」こそが一番必要なのです。

ただし、競争に勝つことでやる気を出させるのではなく、自分らしい能力を育てることでやる気を出させるのです。

そうするとリーダーに向いている子はリーダーとしての素質を伸ばすでしょう。音楽家に向いている子は音楽家としての才能を伸ばすでしょう。家事や子育てに向いている子はその方面での才能を伸ばすでしょう。

主役としての才能と、わき役としての才能は異なります。主役になることができなかった人が脇役になるわけではありません。

そこには勝ち負けでは決まらない世界があるのです。

だから、同じ価値観で競争させてはいけないのです。

一部の財界人や政治家が言っているような「エリート教育」では、「支配者」ばかりが育って「リーダー」は育ちません。

このままでは、組織をリードすることができない支配者と、その支配者からの指示命令に従って動くだけの人と、依存し保護を受けるだけの人の社会になってしまいます。そして人々はますますやる気を失っていくでしょう。





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Last updated  2012.01.06 11:58:06
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あけましておめでとうございます  
かずぼん さん
今年も森の声さんのブログ楽しみにしています。
もうすぐ2歳になる息子には通信英語教材のDMがバンバン届きます。主人は「アッポー」と言う姿が可愛くてやらせたいみたいですが、私は必要ないと思うので知らんぷりしています。
そんなことより限られた時間で子どもとたくさん遊びたいので♪
それと森の声さんの冊子を購入したいのですが、どうしたらいいですか? (2012.01.06 15:19:49)

Re:「リーダーとしての素質」(リーダー不在の社会)(01/06)  
ものぐさ父  さん
あと精神的な強さ、ぶれないことも要求されるような気がします。すぐに結果につながらなくても、間違っているなとの結論がでるまでは、やり抜く図太さがないとダメじゃないかな。
あと、任せる度量もないとすぐにキャパが一杯一杯になってしまいます。
同じように育てたつもりなのですが、うちの場合、上と一番下はリーダー的な要素を持っているような気がしますが、真ん中は明らかに職人タイプあるいはNo. 2タイプです。いろんな要素がリーダーを育むんでしょうね。 (2012.01.06 23:44:47)

かずぼんさん   
ものぐさ父  さん
>主人は「アッポー」と言う姿が可愛くてやらせたいみたいですが、私は必要ないと思うので知らんぷりしています。
-----
私も同じ意見です。日本人の英語力がなかなか向上しないのは、使う機会がほぼないことが大きな原因のひとつだと思っています。あと、しゃべる能力は最後の最後でいいと思います。どうしても早期英語教育をするのなら、多読じゃないかな。 (2012.01.06 23:47:52)

Re:あけましておめでとうございます(01/06)  
森の声  さん
かずぼんさん
>今年も森の声さんのブログ楽しみにしています。

ありがとうございます。

>もうすぐ2歳になる息子には通信英語教材のDMがバンバン届きます。主人は「アッポー」と言う姿が可愛くてやらせたいみたいですが、私は必要ないと思うので知らんぷりしています。

「アッポー」とは「アップル」のことですね。子どもでも「好きな色は?」と聞くと「パープー」と答える子がいます。それで「パープーって何色?」と聞くと答えられません。おかしな社会です。

>それと森の声さんの冊子を購入したいのですが、どうしたらいですか?

ありがとうございます。
kodomotachihe@yahoo.co.jp
宛てに、冊子の種類とご住所をお知らせください。

振込用紙を同封してお送りします。 (2012.01.08 09:30:33)

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