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「楽しさ」を意識し… New! かめおか ゆみこさん

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森の声

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2012.05.24
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カテゴリ: カテゴリ未分類
マシュマロさんが

学級崩壊もイジメも引きこもりもニートも生活保護も、表面上は「問題」ですけど、その必然性はあると感じます。

と書いて下さいましたが、確かにその通りです。
簡単に生活保護に依存してしまう若者にも必然性はあり、それは必ずしも彼らだけの責任ではありません。

野菜を育てていて、その野菜の出来が悪かったとしてもそれはその野菜のせいではないのと同じです。だから私はそのような若者を責めているのではありません。そのような若者が増えてきていることの問題点を指摘しているだけです。

(これはマシュマロさんに対して書いているのではなく、結構そのように受け取ってしまう人が多いので一応書いています。)

野菜の例でいうと、それは育て方の問題かもしれません。雨が少なかったり、多かったり、雨が降る時期が悪かったり、寒すぎたり、熱すぎたりしたせいかもしれません。また、もっと別の原因があるのかもしれません。

このような問題を「個人責任」にすり替えてしまうと、本質的な問題を解決できなくなります。でも、そのような問題にしっかりと目を向け、「この葉っぱは色がおかしい」とか「この実には○○虫がついている」というように、個々の状態の問題点を検証して行かないことには「本当の原因」は見えてきません。

でもそれは「個」を非難するためではありません。そうではなく、「個」を救うためにです。

「他の野菜にはトラブルがないのに、この野菜にだけトラブルがある」というような場合は、その問題は「個」の問題です。でも、ある地帯全部の野菜に異常があるとしたら、それは「個」の問題ではありません。



そして私はこの若者の問題は、人類の未来に関わる「世界全体の問題」だと思っています。その証明をするために、「個」の状態を検証しているのです。

ですからもし、2,30代で生活保護を受けていらっしゃる方がこのブログをお読みになっても「おれたちを馬鹿にするな」などとお怒りにならないようにお願いします。



今、「遊んでくれる何か」がないと遊ぶことが出来ない子どもがどんどん増えています。森や野原に連れて行っても、ボールやゲーム機や遊びを指導してくれる大人がいないと遊ぶことが出来ないのです。

そして、目の前に広がる自然と関わろうとせず「退屈だ」と繰り返します。

うちの教室では「これをやりなさい」という指示は出しません。基本的に自由に作らせています。そのため、造形関係の本も山ほど置いてあるし、見本などもいっぱいあります。

それで昔は「ここは何でもできるから楽しい」という子がいっぱいいました。それでこちらが困るようなことまで勝手にやってしまう子も結構いて、「それはやめてくれ」というような場面もよくありました。

造形教室なのに穴掘りや焚火に夢中になる子もいました。

でも、10年ぐらい前あたりから自信がなく無気力な子どもたちが増えてきました。

(20年前ぐらいから、子どもと関わる現場で働いている人から「子どもたちがおかしくなってきた」という話は聞いていました。今、その時の子どもたちが親になっています。)

それ以前は「そこまでやるな」と注意しなければならないような元気な子がいっぱいいたのに、その頃から「わかんない」「できない」「先生やって」を連発する自己肯定感が低く、無気力な子が増えてきて、「大丈夫 頑張ればできるから」「先生が手助けしてあげるからやってみよう」などと励まさなければ活動できない子どもたちが増えてきたのです。

1991年に「大事MANブラザースバンド」が「それが大事」という以下の歌詞の歌を発表しましたが、これもそのような子どもたちの増加と関係しているのではないかと思います。


駄目になりそうな時 それが一番大事
負けない事・投げ出さない事・逃げ出さない事・信じ抜く事
涙見せてもいいよ それを忘れなければ




当然、そのような状態では創造的な活動は出来ません。ただ、言われたことをやるだけです。でも、それでは退屈なので「退屈だ」を繰り返します。

「退屈ならなんかやったら」と言っても「何をやったらいいのか分からない」と言うのです。それで「こんなことも出来るよ」などと色々と教えるのですが、能動的に動くこと自体が困難な状態なようで、「それはやだ」というばかりで何もしません。おもちゃやゲーム機がないと何もできないのです。

偶然かどうか分かりませんがそれと同じ頃から発達障害の子どもたちも増えてきました。(診断を受けている子も数人いますが、それと同じ程度かもっと状態の悪い子の方が多いです。)

よく、「昔もいたけど、今のように障害に対する関心が薄かったから発達障害に気づかなかっただけだ」などという人がいますが、明らかにそれだけの問題ではありません。

私が子どもの頃は1クラス50人以上いましたが、(先生が厳しくなくても)クラスが混乱することなど全くなかったからです。



でも今、自分で自分をコントロールすることが出来ない子どもたちが急増しています。そのような子は、誰かがフラフラすると、つられてフラフラ始めてしまうのです。その結果学級全体が崩壊します。

その背景には発達障害の子の増加もありますが、それだけではありません。
そのような子の一番大きな特徴は「無気力だ」ということです。無気力な子は発達障害でなくても、集中できなくなってしまうため、ちょっとの刺激にも振り回されてしまうのです。そしていつも「刺激」を求めています。

私には「発達障害的な素質」+「無気力」が状態をさらに悪化させているのではないかと思えるのです。うちの教室の子どもたちを見ていても、発達障害の診断を受けている子でも無気力でない子の場合はそれなりに仲間とうまくやっているし、それなりに落ち着いてもいます。

そのような子のお母さんは、「その子らしさ」を肯定した子育てをして、また子どもが強い刺激に触れないように注意しています。

今、その無気力な子どもたちが増えてきていますが、その「無気力」を作り出しているのは社会や子育てのあり方です。「発達障害」そのものは、子育てや社会のせいではありませんが、発達障害を悪化させているのは子育てや社会のあり方だということです。

確かに昔も「発達障害的な素質」を持った子はいっぱいいたと思います。でも、小さい時から自然の中で仲間とからだいっぱい遊んでいたので、無気力にはならなかったのでしょう。

それで、素質はあっても状態が悪化することなく、小学校に上がる頃にはそれなりに落ち着いて行ったのではないかと思います。

子どもたち本来の遊びは、非常に創造的、芸術的です。それは我が子たちを見ていても強く感じました。

いつでも遊びを発見していました。何かがなければ遊べないなどということはありませんでした。

そんな遊びを通して子どもたちは「元気」を育てていました。でも今、その「元気を育てる遊び」が消失してしまいました。だから子どもたちが無気力になっているのではないかと思うのです。

ちなみに、大人は「遊び」と「芸術」を分けますが、子どもたちにとってはそれらは同じものです。






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Last updated  2012.05.24 08:24:42
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Re:「無気力という病」(遊びと芸術が失われた時代)(05/24)  
ダージリン さん
>今では「負けるな」というような「励まし歌」ではなく、「それでいいんだよ」というような「慰め歌」がいっぱい流行っています。

これは多分、今までの自分を肯定しないと次の創造活動に進めない...追い込まれてしまっている状態を表しているのだと思います。

流行るということは共感を得たということだから、そう感じている人が多いということですよね...。
今どんな状態でも、どんなに自己否定の最中でも、自分以外の人から存在だけは肯定されたい、こんな状態でも許されたい、という気持ちが感じられます。


>今、その無気力な子どもたちが増えてきていますが、その「無気力」を作り出しているのは社会や子育てのあり方です。「発達障害」そのものは、子育てや社会のせいではありませんが、発達障害を悪化させているのは子育てや社会のあり方だということです。

同感です。

(2012.05.25 11:16:24)

Re[1]:「無気力という病」(遊びと芸術が失われた時代)(05/24)  
ダージリンさん
>>今では「負けるな」というような「励まし歌」ではなく、「それでいいんだよ」というような「慰め歌」がいっぱい流行っています。

>これは多分、今までの自分を肯定しないと次の創造活動に進めない...追い込まれてしまっている状態を表しているのだと思います。

そうなのでしょうが、その肯定は「他者」にしてもらえないとなかなか前に進むことは出来ないですよね。

自分で自分を肯定するのはなかなか困難です。 (2012.05.27 08:48:15)

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